デジタル声優アイドル 22/7 海乃るり&西條和&花川芽衣&宮瀬玲奈に聞く、“キャラとの関係性”の変化

22/7に聞く、“キャラとの関係性”の変化

 秋元康氏がアニプレックス、ソニー・ミュージックレコーズとタッグを組み、総合プロデュースするデジタル声優アイドル・22/7が、4月11日に2ndシングル『シャンプーの匂いがした』をリリースした。同作は春にふさわしいドラマチックな展開を持ち、MVもモーションキャプチャで撮影されたという表題曲を含む充実した内容のシングルに仕上がっている。

 今回、リアルサウンドでは海乃るり、西條和、花川芽衣、宮瀬玲奈の4人にインタビューを行い、イベント『割り切れないライブ〜シャンプーの匂いがした〜』の振り返りから、最新作の楽曲・MVにおける新たな試み、変化する各キャラクターとの関係性について話を聞いた。(編集部)

「『このキャラを自分が演じていく』という覚悟があらためてできた」(海乃)

ーーまずはグループ名にちなんだ2月27日にディファ有明にて開催されたライブイベント『割り切れないライブ〜シャンプーの匂いがした〜』の感想を聞かせてください。

海乃るり(以下、海乃):私たちは過去に2回、モーションキャプチャーという技術を使ってキャラクターによるバーチャルライブを行わせていただいたんですけど、今回は初めてキャラとしてのMCをリアルタイムでやることができたんです。いつもより”戸田ジュン”ちゃんとして考える時間が長くて、「このキャラを自分が演じていくんだ」という覚悟があらためてできましたし、キャラと歩んでる実感が沸いてうれしくなりました。

西條和(以下、西條):今回はバーチャルライブの他にも朗読とリアルライブを行ったんですけど、私はありがたいことに全部に参加させていただいたので、準備することが多くて。モーションキャプチャースーツからの早着替えも初めてのことで。でもやりきったときは達成感がありました。

宮瀬玲奈(以下、宮瀬):この日のために一生懸命準備して過ごしてきたので、終わったその日の夜には、達成感もあったんですけど寂しさもあって、何かしみじみして感慨深かったです。しかも今回は初めて福岡から両親とおばあちゃんが見に来てくれたので、違う意味での緊張もあったんですけど、一生の思い出に残るライブになりました。

宮瀬玲奈
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宮瀬玲奈
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ーー家族の方とはライブ後に何か話しましたか?

宮瀬:3人とも「疲れたやろう? がんばったね」って言ってくれて、すごくやさしかったです(はにかむ)。煮物とかも作ってきてくれたんですよ。次の日にはもうバイバイだったんですけど、おばあちゃんは「見れて良かった」って言ってくれましたし。私たちはまだ東京でしかライブをやったことがないので、いつか福岡に行ってライブをやりたいなと思いました。

ーー心温まるお話をありがとうございます。花川さんはいかがでしたか?

花川芽衣(以下、花川):キャラクターのライブと朗読と私たちのライブの3つがあったので、今までの私たちのすべてが詰まったライブになったと思います。私もありがたいことにその全部に出演させていただいて……。

ーー「朗読女王決定戦」を勝ち抜かれた朗読女王ですものね。

花川:恥ずかしい……(照れ笑い)。それでそのひとつひとつの取り組み方は違うんですけど、来てくださってるみなさんを楽しませたいという気持ちが一貫してあったので、それを私の中の第一の目標としてがんばりました。でも、後でライブの映像を見させていただくと「あそこは何でこうできなかったんだろう」と思うところがたくさんあって、これからももっとがんばらなくちゃと思いました。

花川芽衣
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花川芽衣
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ーーキャラとしてリアルタイムでMCをするのは今回が初だったとのことですが、スクリーンにはキャラクターの姿が映ってるわけで、お客さんも最初は録画された映像なのか生なのかわからず戸惑っていたのでは?

海乃:録画だと思われないように、お客さんに出身地を言っていただくやり取りをして「リアルタイムでやってるよ!」感を入れたんです。演出家の方からもディズニーランドにある「タートル・トーク」というアトラクションみたいに、実際のキャラクターとの会話を大切にするようにアドバイスをいただいていたので、受け答えはちゃんとするように徹底しました。

海乃るり
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海乃るり
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ーーキャラクターとしてお客さんと生でやり取りするのは難しかったのでは?

花川:楽しくもあったんですけど、キャラクターとしてみなさまの前に立たなくてはいけないので、ちょっとでも自分自身を出したらいけなくて難しかったです。

西條:私たちのチームは受け答えがそんなになかったんですけど、動きがそのままモーションキャプチャーを通じて映るので、他のメンバーがしゃべってるときも横を向くとキャラクターがあまり見えなくなってしまったり、動きすぎるとシステム的に見え方が悪くなったりすることもあるんです。なので角度とかを考えながら動く作業が意外と頭を使って大変でした(笑)。

西條和
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西條和
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ーー自分の動きがアニメーションのキャラクターに変換されるので、普段よりもオーバーアクション気味に動く必要もあるのでしょうか。

宮瀬:それはすごく言われました。(宮瀬が演じる)立川絢香ちゃんと(西條が演じる)滝川みうちゃんは、どちらかというとおとなしいタイプのキャラクターなので、演出家さんも「うなずくときは逆に大きく動かなくちゃ本当に話を聞いてないように見えてしまうよ」と注意されて。その分、(佐藤)麗華と(斎藤)ニコルはテンションをアゲないと場面がどんよりしてしまうので、4人ともキャラクターを演じつつ空気感を作らなくてはいけなくて大変でした。それにリハーサルのときに一回も成功しなかったんですよ!

ーーえっ? そうなんですか?

宮瀬:というのも、モーションキャプチャーの首がずっと下を向いて固定されてしまったり、画面が真っ黒にもなったりしてしまって。でも、本番はちゃんと大成功したんです。本当にたくさんの人々の力があってできたライブだと思うと感謝しかないです。

ーーここからは先日のライブでも披露されたニューシングル「シャンプーの匂いがした」の楽曲について聞かせてください。まずは表題曲を初めて聴いたときの感想はいかがでしたか?

宮瀬:この曲はすごくかわいくて煌びやかな曲調で、「こんな曲を歌えるんだ!」とビックリしました。ダンスもかわいいし、ずっと笑顔を意識してやってます。私となごみん(西條)のペアで歌い出しの部分を担当してるんですけど、この歌は爽やかで雰囲気が大事だと思ったので、第一声からその雰囲気を乱さないように、青春を思い出すような気持ちで歌うように意識してレコーディングに臨みました。

西條:私はかわいい感じが得意ではないし、声も低い方なので、曲をいただいたときから「私がこの曲の歌い出しを歌って大丈夫かな?」と思ってレコーディングがずっと不安だったんです。かわいらしい振り付けを笑顔で踊るのもすごく苦手なんですけど、ダンスの先生が「(西條が演じる)滝川みうちゃんもそういう子だし、全員の踊り方がキャラの個性として合ってるから、みんな違う踊り方でいいんだよ」とおっしゃってくださって。それからはライブでも苦手意識なく踊ることができたんです。

海乃:私はもともとアイドルさんが大好きで、以前から爽やかで切なくて季節感のある曲をよく聴いてたんですよ。なので私もそんな曲を歌えることになってすごくうれしくて、それをファンの方にお届けできることも、自分の夢がひとつかなった瞬間だと思いました。

ーーちなみにアイドルはどなたがお好きなんですか?

海乃:AKB48さんとSKE48さんが好きです。

ーー花川さんは「シャンプーの匂いがした」を聴いてどんな印象を抱きましたか?

花川:歌詞は切ないですけど、主人公のずっと秘めてた強い気持ちが込められてると思いました。振り付けも全体的にかわいらしいんですけど、間奏で一気に自分の内に込めた気持ちを出すような表現がされてるので、そういう想いが込められた曲なんだろうなと思いました。

ーー憧れの先輩への秘めた想いを詩的に描いた歌詞も素晴らしいですが、みなさん歌詞で自分の心に刺さったフレーズはありますか?

花川:サビの〈他人(ひと)に言えないくらい好きだった〉と〈他人(ひと)に知られたくない恋だった〉は、内にずっと秘めてるところが自分の性格と一緒だなと思ったし、そういう自分の気持ちが主人公に近いなと感じたところです。

海乃:私は2番の〈真っ白なブラウスが 逆光に透けていた ハッとしたその理由(わけ)は 私の秘密〉という部分が好きです。私が考えるに、たぶん主人公の子は、この瞬間に先輩のことが好きになったんだろうなと思って。でも〈私の秘密〉にしてしまうところ、言いたいけど言えない自分だけの秘密という部分がとっても好きですね。

宮瀬:この曲のテーマは“伝えることのできなかった淡い憧れ”なんですけど、それって男女関係なくみんな経験したことのある青春だと思うんですよね。私も女子高に通ってたとき、体育祭で応援団をやってる先輩にすごく憧れましたし。始まりがオルゴール調なのも懐かしい雰囲気を漂わせてるし、いつか忘れてしまうような純粋な気持ちが描かれてると思います。

西條:私はやっぱり曲名にもなってる〈シャンプーの匂いがした〉にすべてが表されてると思ってて。憧れとかいろいろありますけど、最終的には、(相手に)言えなくて、切なくて、苦しいという感情よりも、そういう切なさを感じてることに対して喜びを感じてる歌なのかなと思うんです。サビの終わりに〈シャンプーの匂いがした〉という歌詞があることで、先輩の美しさややさしさ、凛々しさが表れていて、ここがすべてかなと思います。

ーーたしかに匂いというのは思い出に紐づきやすいものですから、そういう意味でもシャンプーの匂いに先輩のイメージのすべてがフラッシュバックする感じはします。

西條:私もプロフィールに書いてるくらい季節の匂いが好きなので、匂いでそのときの記憶を覚えてたりするんですよ。なのでやっぱりこの曲が好きです。

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