あいみょんが明かす、音楽活動で芽生えた“闘争心” 「生々しい表現は知らずに出てくる得意技」

あいみょんが抱く“闘争心”

 あいみょんが4月25日に4thシングル『満月の夜なら』をリリースする。

 本作は、昨年9月にリリースした1stフルアルバム『青春のエキサイトメント』以来の新作。アルバム発売後、今年に入ってからもあいみょんは『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)、『ミュージックステーション』(同)、『SONGS』(NHK総合)など、音楽番組に度々出演。もとよりクリエイターや音楽プロデューサーから注目を集めていたが、さらに広い層から脚光を浴びる存在となっている。

 メジャーデビュー曲「生きていたんだよな」、2ndシングル曲「愛を伝えたいだとか」、3rdシングル曲「君はロックを聴かない」と、リリースごとに新しいチャレンジに挑んできたあいみょんだが、今回の「満月の夜なら」でも、またこれまでとは違ったアプローチに挑戦。今回のインタビューでは、『青春のエキサイトメント』の反響や、「満月の夜なら」をはじめとした楽曲の作詞を中心に話を聞いた。(編集部)

「もう一味違うあいみょんを見せたい」

ーー昨年9月に『青春のエキサイトメント』を発売して以来、最近だと『関ジャム』や『Mステ』、『SONGS』に出演するなど反響もかなりあったと思いますが、いかがですか?

あいみょん:音楽番組への出演はすごく嬉しかったのですが、本当に急に決まったので、まずは驚きましたね。『関ジャム』では「愛を伝えたいだとか」、『Mステ』では「君はロックを聴かない」、『SONGS』では「生きていたんだよな」と3曲違う曲も歌えましたし、このタイミングで複数のメディアで違う曲ができるのは、すごくありがたかったです。

ーー『Mステ』では、以前から憧れているという小沢健二さんとも共演して。

あいみょん:はい、まさか本当に会えると思っていなかったので、さすがに緊張しました。ご挨拶させていただいた時に、私のことも人繋がりで知ってくれていたようで。すごく優しく、素敵な方でした。

ーー大きな音楽番組に出演するにあたって、意識したことはありますか?

あいみょん:それはあまり考えなかったです。とにかく良い歌を歌おう、この曲の良いところが伝えたいと思っていました。

ーー今振り返ってみて、『青春のエキサイトメント』はどういうアルバムになったと感じてますか?

あいみょん:9月にリリースして半年近く経ちますが、今もずっと反響が続いている状況なので、長く聴けるアルバムになったのはすごく良かった。結果論でしかないかもしれないですけど、長くじわじわと愛される楽曲であるほうが良いかもしれへんなと思ってて。アルバムを作り終わったあと、私としては意識を先に向けて「次の曲、次の曲」って思っていた最中、こうやってまたアルバムを聞いてもらえて。配信とかサブスクでは、1曲1曲のリアクションもわかるから、ファンの人たちはこういうのが好きなんやとか、改めて自分でも聞き直しましたね。

ーーそして、4月25日にはニューシングル『満月の夜なら』がリリースされます。アルバムのあと、次はこういう曲にしよう、という構想はあったんですか?

あいみょん:具体的には考えていなかったですけど、前作を毎回超えていかなあかんっていうのはありますね。「愛を伝えたいだとか」を超えるもの、「君はロックを聴かない」を超えるもの、そういうのは常に考えています。

ーー今回の「満月の夜なら」も、今までにないアプローチの曲ですよね。この曲はいつ作ったんですか?

あいみょん:最近ですね。1月の半ばとか。特に意識していたわけではないんですが、1月は、自分の中で曲を作る期間だったみたいで、10曲くらい作ってたんです。「満月の夜なら」はその時に作ったうちの1曲ですね。次のシングルを出すという話もあがっていたんですけど、どれも表題としてはしっくりけぇへんなと思っていたなかで、たまたまこの曲ができて、おっいいんじゃないかと。スタッフさんからも反応が良かったです。

ーーその期間に作った曲は、どれも方向性は違ったんですか?

あいみょん:どれも違いましたね。でもちょっとグルーヴィーというか、揺れる感じをもう1回やりたいなとは思っていました。

ーー「愛を伝えたいだとか」のような?

あいみょん:そうですね。でも、一緒にならへんようにっていうのは考えてました。私としても、「愛を伝えたいだとか」のインパクトって大きかったと思うんですよね。だからこそ、こういう横ノリの曲ばっかりを作ることはしたくないし、かと言って、もう1回“ザ・J-POP”として「君はロックを聴かない」をやるのも違う。その丁度うまい具合のところを行きたくて、もう一味違うあいみょんを見せたい、新しいことにもチャレンジしたいと思っていました。「満月の夜なら」は、1番と2番のAメロのメロディが違って、ラップみたいになっていて。こういうのは、前々からチャレンジしたかったんですよね。

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ーーたしかに、全体的なサウンドからもグルーヴを感じられる曲ですね。

あいみょん:今回も、いつもお世話になっているagehaspringsの田中ユウスケさんと一緒にやらせていただきました。ギターと声だけのデモをお渡しして、私のイメージとかは特に伝えずに、田中さんに直感で一度アレンジしてもらって。その後に、田中さんから返ってきたものを聴きながら、一緒にここはもう少しこうしましょうという話をしました。第三者の意見を大事にしたいというか。

ーー歌詞も作曲のタイミングで完成したんですか?

あいみょん:そうですね。作詞作曲は同時なので、その1月の曲作り期間に書きました。その時は何も考えずに、言葉が下りてくるままに書いたんですけど。私の原点にあるのは、この曲にあるような官能的な詞なんですよね、きっと。桑田佳祐さんや平井堅さんのように、いい具合にいやらしさを出しつつも直接的じゃないという歌詞に憧れているので。

ーーインディーズの頃からそういう曲がありましたよね。

あいみょん:こういう曲の作詞を書くのが面白くて仕方ないんですよ。ゲームとかパズルみたいな感じで、うまい具合に当てはめていかないといけないので。例えば、私は<アイスクリーム>って歌っているけど、聴いている人はこの<アイスクリーム>をどう捉えるのか。私がこうやってインタビューで「官能的」って言ってしまうことで、歌詞が全部何かに引っかかっているんじゃないかってみんな錯覚するんかな、とか、別のことを考えるかもしれへん、とか(笑)。こういうテイストの曲の歌詞は、一度客観的になって作詞をするというか、みんなこの<アイスクリーム>という言葉をああいう風に捉えるやろうな、しめしめとか考えてますね(笑)。楽しいです。

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