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『Dirty Talk』インタビュー

w-inds.が語る、独自の音楽へのこだわりと変化「デビュー当時の雰囲気が戻ってきた感覚がある」

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 2017年に橘慶太のセルフプロデュースによる楽曲制作を開始し、ダンス&ボーカルグループとしての新たな可能性を追求してきたw-inds.。彼らの2018年第1弾となる最新シングル『Dirty Talk』が3月14日にリリースされる。昨年1月の「We Don’t Need To Talk Anymore」以降、トロピカルハウスやオルタナティブなR&B、フューチャーベースといった海外の音楽シーンの最先端にも通じるサウンドを取り入れてきた彼らは、今回の「Dirty Talk」でブルーノ・マーズ『24K Magic』などをきっかけに近年再評価著しいニュージャックスウィングを現代風にアップデート。当時の音色を再現しながらも、コード感や楽曲構成を工夫することで、今のw-inds.ならではの新鮮なサウンドを手にしている。その制作過程について、また、「デビュー当時の感覚が戻ってきている」という今のグループについて3人に聞いた。(杉山仁)

ようやくニュージャックの出番が回ってきた 

――2017年のw-inds.は慶太さんプロデュースによる楽曲リリースやリミックスコンテストの開催、そして3年半ぶりの武道館公演などかなり充実した1年を過ごしたのではないかと思います。そんな1年を経てはじまった2018年は、どんな気持ちで迎えていますか?

橘慶太(以下、慶太):それが、特に変わりはないんですよ(笑)。僕らはデビューして18年経ちますし、これからやっていくことも変わらないと思うので、「去年と同じように、今年もいい音楽を作っていきたい」という感覚で。でも、やることは明確になってきているとは思います。「いい音楽をやっていく」ということに対して気持ちが明確になっているからこそ、落ち着いて迎えられているのかもしれないです。もっと気合が入れられればいいんですけど(笑)。

緒方龍一(以下、龍一):いやいや、そうは言ってもフレッシュな気持ちはどこかでありますよ。新しい音楽を聴いたら興奮するし、かっこいい音楽を聴いたら嬉しいし。そういうときにまた、僕らの活動に向けてもまた新しいエネルギーが生まれてくるということが沢山あるので。

――今回の「Dirty Talk」ではニュージャックスウィングを取り入れていますね。これはどんなアイデアで生まれたものだったのですか? たとえば、ブルーノ・マーズの『24K Magic』のヒットも大きな影響源になったりしたのでしょうか?

慶太:それが実は、自分たちとしてはブルーノ・マーズさんがありがたいタイミングでグラミー賞を取ってくれて、それに感謝しかないという感じで、今の状況は偶然の成り行きでした。ブルーノさんのおかげでニュージャックに光が当たったタイミングで僕らが「Dirty Talk」をリリースできるというのは、かなり奇跡的なタイミングですよね。

――思えば、2017年にトロピカルハウスを取り入れたときも、フューチャーベースを取り入れたときも、みなさんが興味を持っていたものが、リリースをするタイミングでちょうど音楽シーンのトレンドとして受け入れられていく、ということが起きていました。

慶太:そうですね。本当に奇跡的なタイミングで。実は、今回のニュージャックのトラックを最初に作ったのは2016年頃だったんです。もちろん、そこから作り直してはいますけど、僕らとしては寝かせておいた甲斐があったな、と。僕がセルフプロデュースをはじめた第1弾の「We Don’t Need To Talk Anymore」を作る前から、「ニュージャックをやりたい!」ということはみんなに言っていたんですよ。

千葉涼平(以下、涼平):ああ、言ってたよね。今回の「Dirty Talk」のもとになったトラックも、僕らは2016年の年末ぐらいにはすでに聴かせてもらっていました。

慶太:ニュージャックはずっとやりたかったし、音楽シーンで再評価されていくとも思っていたんです。でも、当時はその後トロピカルハウスの方が盛り上がっていって、「ニュージャックはしばらくおあずけかな」と思って「We Don’t Need To Talk Anymore」を先に出しました。ただ、その後も自分の中ではニュージャックへの興味がずっとあったし、そもそもw-inds.の音楽性に合うとも思っていて。今回リリースすることになったときに、ちょうどいい感じに盛り上がってくれて、これは感謝しかなかったです。

――2016年当時、慶太さんがニュージャックスウィングをやりたいと思ったのはなぜだったのでしょう?

慶太:当時は80~90年代のファンクのリバイバルが起こっていて、EDM的な音も僕の興味としては終わっていたので、次は「ニュージャックスウィングが盛り上がってほしい」と思っていたんですよ。そのときの予想は見事に外れたわけですけど(笑)。でも、まさかダンスミュージックがあんな風に形を変えていくとも、あれほど火がついていくとも思っていませんでした。ダンスミュージックは盛り上がりたい人のための音楽でもあるわけで、ゴリゴリなものでないと大きくは広がらないだろうと思っていたんです。そうしたら、EDMに疲れた人たちがこぞってトロピカルハウスに興味を持ち始めて、僕らもそのタイミングでできることをやってみて。今回、ようやくニュージャックの出番が回ってきた感じです。

――みなさんにとってはようやく形にできたアイデアだったのですね。ニュージャックスウィングで好きなアーティストや楽曲というと?

慶太:それこそ、僕らの先輩にあたるDA PUMPさんは、当時から日本でニュージャックスウィングにも通じる音楽をやっていましたよね。そういうこともあって、僕ら自身も世代の音楽として通ってきたものでした。DA PUMPさんの曲って、今聴いてもすごくかっこいいですし。

龍一:初期のTLCとかもそうですよね。僕らがデビューしたばかりの頃に、制作の人たちが「TLC聴きなよ」と言ってくれて、当時はまだ14~15歳でしたけど、よく聴いていました。最近になってまた初期のTLCを聴いていて「やっぱり気持ちいいなぁ」と思いますね。

涼平:もちろん、ボビー・ブラウンもそうですよね。

龍一:そうそう。でも、今でこそすごくかっこいいと思っていますけど、デビュー当時はまだ良さが全然分かってなかったです(笑)。まるで違う国の食べ物を食べているような感じで、「何だこれ?!」って。サウンドは当時から気持ちいい感覚がありましたけど、ニュージャックスウィングって、ファッションがかなり派手じゃないですか。

――ド派手ですよね(笑)。

龍一:当時はそういう部分で、カルチャーショックを受けたりもしていましたね。

慶太:今回「Dirty Talk」をシングルとして仕上げるときに、有名無名を問わず改めて当時の色んな曲を聴き直してみたんですけど、やっぱり全員大きなスーツを着てた……(笑)。

龍一:だから今回「Dirty Talk」を出すにあたって、ビジュアルをどうするかもちょっと悩んだんですよ。「せっかく音をニュージャックにするなら、ビジュアルはどうしようか?」って。でも、あの当時のままだと、時代が逆戻りしたように見えてしまうと思って。

慶太:それで今回は、「ニュージャックスウィングを取り入れながらも、それをアップデートしたものにする」ということを意識して考えていきました。

龍一:それが「Dirty Talk」の大きなテーマのひとつでしたね。

“w-inds.がやっている風景が見えるもの”ができた 

橘慶太

――具体的な制作作業はどんな風に進んでいったんですか?

慶太:まずは 2016年に作った殴り書きのようなトラックを引っ張り出したんですけど、そのトラックが2コードの「ザ・ニュージャックスウィング」という雰囲気だったので、「これじゃあそのまま過ぎる」と思って、コードを今風のものに変えていきました。曲の展開も、現行のダンスミュージックに多い「サビで落とす」という構造にしています。そうやってコードと展開は今風のものにアップデートしつつ、音色は逆に当時のものに近づけていくことで、もともとの良さを残しつつ、現代の視点を加えていきました。僕自身、この曲ができたときの達成感は半端なくて、「すぐに聴かせたい!」とみんなのところに持って行きましたね。「これがシングルにならなかったらもう俺は曲を作らないぞ!」って(笑)。

龍一:最初に聴いたときに、「これは完璧なものを作ってくれたな」と思いました。実は「Dirty Talk」がシングルとして決まるまでには紆余曲折あったんですけど、この曲を聴かせてもらったときに「これはヤバいぞ」と僕も確信ができて。曲にあるワクワクするような感じや、音が広がっていくような雰囲気がすごく好きで、3人で一日中聴いていましたね。想像もしていないぐらいいいものに仕上がっていて、その驚きと興奮がすごかったです。褒めようと思えば、まだまだいくらでも褒められますよ!

慶太:……ここ、絶対使ってもらっていいですか?(笑)。

涼平:(笑)。僕もちょうど、ニュージャックスウィングがやりたいと思っていたところで、最初に聴いたときは歓喜しました。リアルに音楽に触れはじめた時代にあったサウンドをもとに、年月を経てまた新しいことができるというのも嬉しかったです。

――先ほど「今回のシングルの完成までには紆余曲折あった」という話をしてくれましたが、どんなことで苦労したんでしょう?

慶太:「今回はどんな曲で行こうか?」ということに対して色んな選択肢がある中で、どれにするかで迷ってしまったんです。今の僕らはファンクもできますし、EDM~トロピカルハウスもできますし、J-POP的なこともできるし、バラードにしても面白かったと思いますし。「どれをやっても面白い」となったときに、逆に訳が分からなくなってしまって。

――色々なサウンドを追求できる今のw-inds.ならではの悩みかもしれませんね。

慶太:そうかもしれないです。それこそ、最初はカップリングになった「If I said I loved you」をメインにしてもいいと思っていましたし。今回は最初にトラックだけで3~4曲作っていたんですけど、「これじゃ全然ダメだな」と思ってやめたものが色々あって。だから、作業としては結構大変でした。でも、その中で「Dirty Talk」を仕上げたときに、ようやく“w-inds.がやっている風景が見えるもの”ができたというか。その後は、今回はサビの部分を落とすという構成になっていたので、歌詞でも哀愁が感じられる要素を入れたりしていきました。今っぽくするためにサブベースも入れていて、それも普通の環境では聴こえない帯域までこだわって作っていきました。

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