・・・・・・・・・運営×For Tracy Hydeが語り合う、アイドルの“記号性”と“音楽的挑戦”

ドッツ運営×フォトハイ語る、アイドルの“記号性”

「人の心を動かしたいと思ってシューゲイザーをやってる」(管)

ーーそうなんですね。ファンも増えていくといろんな文脈ができると思うのですが、・・・・・・・・・は音楽をど真ん中に据えてやっていくという認識でいいのでしょうか。

みきれちゃん:それに関しては、結構最近よく考えるんです。・・・・・・・・・は日本で1番めんどくさいアイドルグループといわれるくらい情報過多で、どれが重要なのかすごくわかりにくいんですよ。僕個人としては・・・・・・・・・に溢れる情報に優劣をつける必要はないと思っていて。音楽があって変なコンセプトがあってテクノロジーがあって、というのが全部等価に並んでいるようなものが理想なんですよね。・・・・・・・・・は今までアイドルが取り込んだことのないジャンルを取り込み続けることによって大きくなろうとしているし、そのなかで音楽を中心にしすぎると、サブジャンルを加えたときに音楽に負けちゃうんですよ。例えば、12月は「Tokyo in Words and Letters」というテーマで定期公演をやっているんですが、そのコンセプトを描いてる人間が言論批評あがりで、3日に1回くらいのペースで1万字くらいのコンセプトブログをアップしてるんですよ。

ーーかなりの長文ですね。

みきれちゃん:こういうものも、音楽と同じところに並ばせたいんですよね。そこだけで・・・・・・・・・に興味を持ってくれるという回路があってもいいと思ってるんですよ。逆に、当然「音楽にだけ興味を持った」とか「メンバーがただかわいい」とかでも良くて、過多情報の中から自分の好みの要素をピックアップするような受容のされかたが理想です。これは、「・・・・・・・・・と言えばこれでしょ」といった分かりやすい理解を避け、常に・・・・・・・・・というコンテンツを色んなものに開けた状態にしておくためにとても重要だと思っていることです。

ーー受け手それぞれが主体とするものを決めていいと。

みきれちゃん:そうです。一方で、・・・・・・・・・は変なこともたくさんしているのですが、こういう変なことをやるためには、いい音楽、いいライブというものが、逆説的ですが説得力を持ちます。変なことばかりしていて曲やライブはからっきし、というのでは説得力が全くありません。最初は「曲は良いのに歌もダンスも下手」と言われていて、次に「曲はいいしダンスもいいけど歌がちょっと」、最近は 「パフォーマンスも歌も曲に追いついてきた」という段階になっていて、少しずつですがそうした説得力が生まれ始めています。

管:自分は歌が下手なインディ・ロックを聴きすぎてるせいか、そこまで歌が壊滅的に下手だと感じなかったですね(笑)。「スライド」の段階では「あまり歌が上手じゃないのでコーラスは控えめに」というリクエストがあったのですが、ライブを見て「意外といけるじゃん」と思ったので、「ソーダフロート気分」はコーラスのパートを増やしてみました。

みきれちゃん:上手に歌えるようになるまで、結構時間がかかりましたよ(笑)。

ーーでも、そうやってソングライターが次に超えるハードルを用意するというのは良いことですよね。

みきれちゃん:逆に僕がすごいと思ってるのは、Mavさんも管さんも・・・・・・・・・のライブパフォーマンスを見て、それにアジャストするような曲の作り方は多分してないと思うんですよ。でもフィットしているというのは、「音楽としてこれがふさわしい」みたいな感覚が、僕とどこかで繋がっているような気がするんです。

管:そうですね。やっぱり「エモさ」や「カタルシス」への意識というか、僕は本当に人の心を動かしたいと思ってシューゲイザーをやってる部分があって、根底にあるビジョンとしては・・・・・・・・・に近いものがあるのかもしれません。

ーー美意識みたいなものは多分通じ合ってるから、共通言語が生まれているんでしょうね。

Mav:自分もテクノロジーや言論にも興味があるので、・・・・・・・・・の活動はどこをとっても面白いなと常々思っています。ところで、最初のシングルが72分で、2ndシングルが鈴虫で、3rdシングルが0曲入り0分CDで、毎回驚かされていたんですが、アルバムは奇をてらっていない普通のアルバムなんですよね。これはどうしてなんですか?

みきれちゃん:せっかく一生懸命いい曲をちゃんと作り出してきたから、まとまった形で出してちゃんと届けたいと思ったんです。トリッキーな出し方はシングルでやればいいかなと。加えて、先に言ったような「説得力」の問題も大きいです。ちゃんとやらなきゃいけないところはしっかり抑えるようにしないと、説得力もでないし、ちゃんとしたものを作ることで、逆に変なことがしやすくなると考えているので、変なことをやめるつもりも一切ないです(笑)。

(取材・文=中村拓海)

■リリース情報
【・・・・・・・・・】
『    』
発売:2018年1月12日(金)
価格:CD(紙ジャケット仕様)¥2500+税
LP(レコード)¥3000+税
※LPは、初回プレスのみ完全限定盤のレッドマーブルディスク仕様。

<収録曲>
1.ねぇ
2.きみにおちるよる
3.トリニティダイブ
4.ソーダフロート気分
5.文学少女
6.星屑フィードバック
7.サイダー
8.サテライト
9.スライド
10.1998-

【For Tracy Hyde】
『he(r)art』
発売日:11月2日(木)
価格:¥2,300 +税

<収録曲>
01.Opening Logo (FTH Entertainment)
02.Theme for “he(r)art”
03.Floor
04.Echo Park
05.アフターダーク
06.Dedication
07.Leica Daydream
08.指先記憶装置
09.Underwater Girl
10.Ghost Town Polaroids
11.Frozen Beach
12.A Day in November
13.放物線
14.Just for a Night
15.Teen Flick
16.TOKYO WILL FIND YOU
17Halation

■ライブ情報
『Tokyo in Picture』
2018年2月19日(月)東京キネマ倶楽部
開場 18:00
開演 19:00

前売り券種
(1)普通席(1階席、静止画のみ撮影可)
前売 2500円(+1D)
(2)超撮影席(2階席最前、静止画・動画撮影ともに可)
前売 5000円(+1D)
Peatix http://tokyo-in-picture.peatix.com/

※超撮影席は15席限定で前売りのみ・Peatixのみの販売。
※当日の入場順は、手売り1番→Peatix1番→手売り2番→Peatix2番→…。
※当日券は、普通席のみで3000円(+1D)。
問合せ : 女の子の東京をつくろうプロジェクト tokyo.tsukurou@gmail.com

■関連リンク
・・・・・・・・・ オフィシャルサイト
・・・・・・・・・ オフィシャルTwitter
『    』 特設サイト
For Tracy Hyde オフィシャルサイト

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