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アルバム『セツナポップに焦がされて』インタビュー

CooRieが新作で表現した”音楽の楽しさ” 中原麻衣・スフィアからの「刺激」も語る

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 rinoのソロプロジェクト・CooRieが2017年12月20日、アルバム『セツナポップに焦がされて』をリリースした。同作は近年音楽作家としての活動も多い彼女が、15周年イヤーとなる2018年へ向けて制作した約7年ぶりのオリジナルアルバム。音楽の楽しさに改めて気づいた体験を経て、より楽曲一つ一つと向き合った作品に仕上がっている。

 今回はrinoにインタビューを行い、作品の制作過程を聞くとともに、スフィアや中原麻衣といった楽曲提供アーティストから受けた影響、オリジナルメンバー・長田直之とのやり取り、開催の迫ったyozurino*ライブなどについて、じっくりと話してもらった。(編集部)

「原点に戻って『宿題』みたいな曲を作りたいなと」

ーー2013年にはベスト作『Brilliant』、同年と2015年にカバー作『melodium』『melodium2』があったので、そこまで間の空いていない印象ですが、約7年ぶりのオリジナルアルバムなんですね。このタイミングでリリースすることになったのはなぜでしょう。

rino:2018年がCooRieの15周年イヤー、というのが大きいですね。昨年シングルを出させていただいて、そこでプロデューサーからがっつりシンガーソングライターとしての環境を与えてもらえて。作家業を長年やってきたぶん、自分の音楽をもう一度見つめ直すという機会にもなったので、「もう一回シンガーソングライターとしてのCooRieを、rinoを描いてみたいです」と話し、1年くらいかけて制作に取り掛かりました。

ーー改めてCooRieと向き合ってみて、一番変化を感じた部分はありますか。

rino:若い頃は伝えたいメッセージをメロディと歌詞に乗せることに一生懸命だった気がするんです。今はそれも大事にしつつ、楽器のチョイスやアレンジやサウンドの好みが自分の中に確立されているので、好きなように音楽を表現できる楽しさがありました。1stアルバム『秋やすみ』のころにプロデューサーから引き出してもらっていた部分を、今では自分から出せるようになってきたというのは大きいです。

ーーrinoさんは近年音楽作家としての活躍が目立っていましたが、そこからのフィードバックもかなり反映されていると思いますか?

rino:制作してみて改めて感じたのは、自分のアルバムを作るのってここまでストレスがかかるんだということで(笑)。アーティストさんへの歌詞・楽曲の提供時には、我が子がお嫁に行った先で大事にしてもらえるという前提なので、そこまでストレスがないんですよ。ただ、最後まで自分で責任を持たなきゃいけないとなると、体調管理やレコーディングスタジオ、エンジニアさんやミュージシャンのチョイスに一喜一憂したりと、いろんなプレッシャーがありましたね。特に1、2曲目はどうしてもお願いしたいミュージシャンの方がいたので、レコーディングへこぎつけるまでに時間がかかりました。いまCooRieを表現する意味合いをしっかりしないとダメだと思ったし、タイアップ曲を集めるだけじゃなくて、上質な音楽を残すことにはすごくこだわりました。

ーー個人的にも冒頭の2曲「エクレア」「セツナポップに焦がされて」はすごく好きです。ミュージシャンはいずれも川口千里さん(Dr)、TABOKUNさん(Ba)、白井アキトさん(Key)と凄腕揃いですね。

rino:この2曲をやるためにアルバムを作ったといっても過言ではないですから。TABOKUNさんは、CooRieが初めてアニサマ(『Animelo Summer Live』)に出させていただいた時のベーシストで、奥井雅美さんバンドでも弾いている方です。このアルバムの前に声優の伊藤かな恵さんのアルバムでサウンドプロデュースをさせていただいたときに、レコーディングでご一緒して、その上手さに改めて驚きました。川口千里ちゃんは、2017年東京JAZZにソロでも出演した20歳の実はアニソン大好き凄腕ドラマーで、昔からよく知っていて。白井アキトさんは田所あずささんのライブで初めて見たんですが、あのロックなバンドサウンドの中でピアノが抜きん出てくるというのは中々できないことですよ。そのステージを見た上で、ラブコールを送りました。作曲の段階からミュージシャンの顔を浮かべて楽曲制作をするという、初めての作り方にも挑戦しています。

ーーアルバムにおいて最もキーになっているのが、表題曲「セツナポップに焦がされて」だと思うのですが、この「セツナポップ」というキーワードはどこから生まれたのでしょうか。

rino:「センチメンタル」のインタビューを受けたときに、話の中で「セツナポップ」というワードが出てきて、それがピッタリだなと思ったんですよ。そこから十数年経ったあとも、私はこの響きに焦がされながら過ごしているなと改めて感じたので、このタイトルにしました。

ーー言葉としてもキャッチーですし、歌詞もCooRieとしてのこれまでとこれからを記したものになっていますね。これまでも色んなシチュエーションをモチーフにしてきましたけど、ここまで自身の活動に焦点を当てた楽曲はなかったような。

rino:シンガーソングライターって全部音楽に変えられるからズルい職業ですよね(笑)。人生において、どんなことがあっても音楽を優先にして生きてきて、そこにまったく後悔はないんです。ここから先もそうやって音楽と付き合っていって、より好きになっていきたいと思ったし、私はCooRieとして、rinoとして生きていくんだという決意を込めた楽曲ですね。これまで、聴こえてくる音の全てを自分の活動に活かそうとしすぎていたのが、いまは「面白い!」とか「すごい!」とナチュラルに反応できている自分がいて。アルバムにも、音楽そのものが好きだという気持ちが強く反映されていると思います。

ーーそういう風にモードが変わったきっかけは?

rino:ライブによく行くようになって、ミュージシャンの方のすごさを改めて思い知ったからかもしれません。小さいライブハウスの、即興的なセッションは特に刺激的でした。作家としてもアニソンにたくさん関わっていると、クオンタイズで的確なリズムに整えてしまいがちなんですけど、私の好みとしてはもっと緩くていいし、削ぎ落としていいというのを強く感じたんです。

ーー歌詞にもう少しフォーカスを当てると、漢字にルビをふるという作詞もrinoさんっぽさを感じさせる部分ですよね。最近だとスフィアに提供した「キミ想う旋律」(アルバム『ISM』収録)のような。

rino:<もったいないくらいの感動(けしき)に もっと応えたいって そう想うから>という歌詞は、先日中野サンプラザと幕張メッセで観たスフィアのライブ(『LAWSON presents Sphere live tour 2017 “We are SPHERE!!!!”』と『LAWSON presents Sphere live tour 2017 “We are SPHERE!!!!!”』)の影響が大きくて。「キミ想う旋律」をファンの方が大合唱してくれているのを見て、「何千人もの人が、自分の歌詞とメロディを歌ってくれている風景を形にしたい」と思って書いたフレーズですね。

ーーそうなんですね。rinoさんの提供曲でも、最近特に好きな楽曲です。あと、個人的には初期に提供した中原麻衣さんの「宿題」も思い出に残っていて。

rino:「宿題」ですか! 実は1曲目の「エクレア」って、「宿題」の続編なんですよ。歌詞の内容というよりは、中原麻衣ちゃんに久しぶりに会って「この子の存在があったから音楽作家になれたんだろうな」と思ったことや、素晴らしい女性になったなと感じたことをきっかけに、原点に戻って「宿題」みたいな曲を作りたいなと。

ーー原点に立ち戻った「エクレア」から、今のCooRieを表現する「セツナポップに焦がされて」へ繋がるという内容だったんですね。原点という意味では、「フラクタル」の作曲者にオリジナルメンバーの長田直之さんの名前があったことも驚きました。

rino:長田くんは一回音楽から離れていた時期があったんですけど、2013年に彼から「もう一回音楽をやる。CooRieを10年続けてきてくれてありがとう」と連絡があって。そこから2人での活動も少しずつ増やしていったなかで、今回のアルバムを作るにあたって「作曲・長田直之というのをやるべきだ」と思って、この曲をお願いしました。基本的にアレンジャー気質なので、作曲はあまり得意ではないらしいのですが(笑)、上がってきた曲はどこがサビかわからないような面白い構成で。今まで一番難しいかもと思ったのに、すんなり歌えたのも楽しかったです。このキメだらけの曲のギターを、昔からお世話になっている東タカゴーさんがさらっと弾いて下さったのも嬉しかったです。長田くんとこうして15周年のタイミングで改めて一緒にやっているのも、よくよく考えたら不思議ですね。CooRieを始めて、シングルを3枚出して、1stアルバムを出すころにはもう一人になっていて。言うなれば放り出された形から(笑)作曲をやるようになったので、もう一回戻ってくるとは思わなかったです(笑)。

      

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