2ndアルバム『TOKYO』インタビュー
ベッド・インが語る、ボディコン・ロックの進化とメッセージ「全国民のみなさんにバブルの良さを」
東京はいくらでもキラキラ輝ける人生を謳歌できる場所(益子寺かおり)
ーー今回はスマイルカンパニー所属の渡辺未来さんの楽曲が多いですね(6曲の作編曲を担当)。
かおり:実はこれは偶然というか、本当に運命で!「こういうコンセプトでこういう曲が欲しい」っていう要望をウチらから出させてもらって、楽曲を募集してコンペをさせていただいたんですけど、全部作家さんのお名前を伏せた状態で、曲だけ聴いて選曲させていただいたんです。それが全部たまたま渡辺さんの曲だったもんだから、ぶっとびぃ~! からのサンタフェ~! フィーリングカップル成立しちゃった♡
ちゃんまい:このアルバム、作家さんでもうひとり「渡辺さん」がいるんですけど、渡辺和紀さん(2曲の作編曲を担当)は渡辺未来さんの実のお兄さんで、タマタマ、本当にタマタマご兄弟を選んでいたという……親子丼ならぬ、兄弟丼ってやつぅ〜♡?
かおり:だから体の相性もグンバツなのかなぁ、って♡
ーーふたりだと取り合わなくていいですね。しかも、スマイルカンパニーといったら山下達郎さんの所属事務所ですから、実質的に山下達郎さんのアルバムといっても過言ではないですね。
ちゃんまい:たしかに、もはや山下達郎さんにお力添えいただいたと言っても過言ではない!(笑)。
かおり:山下達郎さんのアーバンな精神を随所に感じるアルバムになったもんね……♡ 高気圧ガールなウチら、もしかして達郎さんチルドレンになれたのかしら……♡
ーー2曲目の「シティガールは忙しい」は、〈好きよ、東京 〉と歌っていて、事実上アルバムのコンセプトを歌っている楽曲だと思いました。
かおり:100%……SO!なんです♡この曲を一番最初に作って、アルバムの全体的な方向性やコンセプトも決めたので。
ーー明るくて爽やかなベッド・インというのも新鮮でした。今までは影や色気のある楽曲が多かったので。
ちゃんまい:今回は私たちがもし、バブル時代に生きていたらこんな生活をしてただろうな、とか、こういう生活をしてみたいなっていう妄想をモッコシモコモコ掻き立ててカキコキしてみました。それこそ、憧れのトレンディドラマのヒロインのような生き方を。
かおり:私たちはバブル時代はまだオコチャマで、リアルに当時を生きてはいないので、だからこそ逆にバブル時代の生活がキラキラ輝いてみえるんです……♡ 東京はバブル文化が一番栄えた街でもあるのでこのタイトルをつけたんですが、私たちにとって実際に一番WON'T BE LONGに住んできた街でもあって。そんな私たちにとっての東京の街ってどんな場所だろうって改めてチンキングした時に「仕事にもおしゃれにも忙しい、好きなもので溢れている。その人次第では、いくらでもキラキラ輝ける人生を謳歌できる場所だよね」っていうのが共通のイメージとしてあったんです。「その気持ちは当時も今もきっと変わらないよね」ってことを伝えたくて。ちゃんまい:女の人の精神的な部分って、バブル時代も今の時代も基本的には変わらないものだと思っていて。普遍的で等身大なメッセージを私たちなりに歌詞に込められたらいいなと思って書いてみました。
かおり:結果、バブル時代と今をつなぐ架け橋のような曲になったんじゃないかなって思っています♡ 歌詞は実は北海道に遠征したとき、テルホでふたりでゲラゲラ笑いながら朝方まで書きました(笑)。「朝はベンジャミンに水あげたいよね」「気まぐれに、パリに行きたいとか言いたい!」「行きつけのバーに集まって、焼き増ししたスキー旅行の写真みんなで見たい!」って(笑)。
ーー3曲目の「CO・CO・RO グラデーション」はWinkオマージュだったじゃないですか。思いきったなと感じたんですよ。
かおり・ちゃんまい:(突然ふたり同時に)やまだかつてないWinkさんはいましたけど!
ーー待ちかまえていたようにきましたね……。
ちゃんまい:「CO・CO・RO グラデーション」は、私たちのタカビーで強くてたくましいイメージだけじゃなくて、弱い部分を見せられたっていうのが新しかったかな、と思いますね。24時間戦ってると、疲れちゃう時もあるのよ……って……。
かおり:ちょうど制作した時期が秋ということもあって、“む~んな気持ちはおセンチ”なラブソングにしたいなって思ったんです。今までタカビーな歌詞ばかりを書いていたのでだいぶ難産だったのですが、思い切って大人の女の弱い部分、心変わりを歌ってみようと、切ない実体験を歌詞にしてみました。いつも作品を作る時に、どうやったらわかりやすくバブル文化が伝わるかを真剣に考えて作っているのですが、前作のアルバム『RICH』ではディスコサウンドにロックを融合させた、私たちなりのボディコン・ロックの王道は形にできた気がしていて。「もっと違う形でバブル文化を表現できないかな」ってチンキングしたときに、WinkさんやDead or Aliveみたいな洋楽サウンドとかも「バブル時代の象徴のひとつだよね」って話に行きついて。この曲でまたひとつボディコン・ロックを進化させられた気がしますね。
ーー4曲目の「GO TO HELL...!」はラテン歌謡ですね。
ちゃんまい:日本人の琴線に触れるラテン歌謡をやりたかったんですよ。ほら、日本人ってラテン調の曲がスキスキスーじゃないですか!ラテンのコード進行は演歌と変わらないって話もあって、日本語と相性がいいのも頷けるんですが、もはや、日本の歌謡曲のジャンルのひとつにしてもいい気がします(笑)。例えば、分かりやすくいうとTUBEさんになるのかな? バブル時代だと、中原めいこさんとか、南佳孝さんのイメージも。
かおり:あとは、サザンオールスターズさんやユーミンさん、米米CLUBさん、KATSUMIさんもそういう楽曲をリリースされてましたよね。あとはバブル時代に流行ったといえば、ランバダね♡ アルバムだからこそできる変化球のある曲調も、今回は挿入してみた感じです!
ちゃんまい:今回ギターソロもかなりユンケルンバでガンバルンバしまして。自分の引き出しにラテン調に乗せるギターソロが全くなかったので……けど、竿とチョメチョメしてるうちにE感じのものに仕上げられたと思います。熱っぽくて絡まるようなギターソロに。
かおり:そんな情熱的なギターソロからバトンタッチして、私が「あ~~ん」って歌うところが気持ちよくてタマランチ会長♡ みんなにオケカラでモノマネして欲しいわ♡
ーーそこからの5曲目「女豹 -PANTHER- 」もベッド・インならではですね。
かおり:ベッド・インらしく肉食でタカビーなナオンの歌詞を書かせていただきました! 実はデモ音源の段階ではどちらかというと歌謡寄りの曲だったんですが、当時のディスコで流れてそうなブイブイなダンスナンバーにしたいと思って、自分たちからDJ Massさんに編曲をお願いさせていただいたんです♡
ーーDJ MassさんとArisa Fujisawaさんのアレンジは、いい感じにオーケストラ・ヒットが鳴ってますね。
ちゃんまい:なのに新しい要素が挿入されていて、ビートが古くないんですよね。先ほども話に出ましたが、オケヒ(オーケストラ・ヒット)も、メロディも、これだけわかりやすく「昭和」なのに、ちゃんと現代に昇華してくださったところがDJ Massさんの素晴らしいところというか。ウチらと音の相性も、カラダの相性もグンバツが故のって感じですね♡
かおり:DJ Massさんはミックスにも立ち会ってくださったんですけど、オケヒのバランスにはフィニッシュ間近までかなりこだわってらっしゃいましたね。「やりすぎかなぁ」って言うから、私たちは「ヤリ過ぎなくらいが気持ちいいから、イッちゃってくださ~い♡」って(胸を揺らしながら)。
ーーその調子で言われたら鳴らすしかないですね……。
ちゃんまい:DJ Massさんは鬼龍院翔さんとのデュエット曲(鬼龍院翔の『オニカバー90's』収録の「渋谷で5時」)のアレンジを手がけてくださった方なんです。あの夜が忘れられず、ウチらからモーションをぶっかけさせていただき♡
ーーそこから体の相性が良かったんですね。
かおり・ちゃんまい:はーい♡
ーーあの、なんで今声のタイミングが合ったんですか……?
かおり:子宮でつながり合ってるんで……♡
ちゃんまい:恐いものを見る目で見ないでくださいヨ!(笑)。「どっかでそういう声が出るボタン押してるんじゃないか」ってよく言われるんですけど、おナマなんで♡(笑)。