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『宝石の国』『ボールルームへようこそ』『血界戦線』…2017年秋アニメ注目OPテーマを分析

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岡村靖幸
SUEMITSU & THE SUEMITH
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 2017年10月からは、いわゆる“秋アニメ”がスタートする。“理由(ワケ)あってアニメ化”な『アイドルマスター SideM』や、待望の『おそ松さん』第2期、14年ぶりの新シリーズとなる『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』など、2017年度の作品全体で見ても、かなりエッジーなタイトルが並んでいる印象だ。

 そして、新しいアニメがはじまれば、新しいオープニングテーマ・エンディングテーマも生まれる。今期はどんなサウンドが、どんな音と映像のリンクが心を揺さぶってくれるのか。2017年秋アニメ主題歌のなかから、これはと思ったものを紹介していこう。(前回記事

Swing heart direction / 小松未可子 (作詞・作曲:Q-MHz 編曲:Q-MHz、末光篤)

小松未可子「Swing heart direction」ティザースポット

 『ボールルームへようこそ』(MBS、TOKYO MXほか)2クール目のエンディングは、1クール目に引き続きQ-MHzがプロデュースを手がけ、小松未可子が歌唱。1クール目エンディングテーマ「Maybe the next waltz」は、リバースレコードプロジェクトで知られる伊藤翼とのコラボによるものだったが、今回はSUEMITSU & THE SUEMITHこと末光篤を相手に起用している。

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 冒頭の動画は15秒スポットだが、Amazonプライムでは1クール目から現行の2クール目まで配信しており、TVサイズのエンディングテーマはそこで聴くことができる。楽曲は美しいポップロックのはじまりを予感させるピアノイントロと、小松のたおやかな声が特徴的で、初めて聴いたときにも「SUEMITSU & THE SUEMITHっぽい?」と思わせるほど彼のらしさが出ている楽曲だ。SUEMITSU×アニメといえば、『のだめカンタービレ』(2007年)のオープニング曲「Allegro Cantabile」がアニメファンからの評価も高いが、あのときの衝撃を再び感じさせるものがある。

 そんな楽曲の注目ポイントは、Bメロ入りのG♭から始まる一連の進行。ここで<B♭-dur>から<D♭-dur>に転調する直前のAメロ終わり、<C-D-E♭-F>の昇っていくベース音からの巧みな繋がり、ピアノのアルペジオが和音感のない透けた雰囲気を演出している。サビでは<B♭-dur>に回帰するが、途中に訪れる<Em7-5>のハズしもまた心地良い。

アンチテーゼ・エスケイプ / 上坂すみれ (作詞・作曲:ORESAMA 編曲:小島英也)

 原宿を舞台にしたアニメ『URAHARA』(TOKYO MXほか)のオープニングテーマ。このポップカルチャー然とした作画には、“すみぺ”こと上坂すみれがよく似合う。彼女とカラフルなシティポップサウンドで定評のあるORESAMAの小島英也がタッグを組んだ同曲。これだけキャスティングと作風とが噛み合っているものは、タイアップでは珍しいと思う。

上坂すみれ1st EP「彼女の幻想」試聴動画

 上坂は曲のノリによって声質がかなり異なるのが持ち味ともいえるが、今回の“すみぺ”ボイスはかなりキャピキャピ感が強め。それが四つ打ちのORESAMAポップと完璧に噛み合っているように思える。また、メロとBメロでは微妙に声色が変わっているようで、2ビートになるBメロはややトーンが下がっているように感じた。この変幻自在なボイスキャラクターも楽しめるポイントだ。

上坂すみれ『彼女の幻想』

 だが、なんといってもサビでの大胆なテンポチェンジこそ、他の楽曲と一線を画す聴きどころだろう。EDMチューンな四つ打ちから、ドラムンベース的なスピード感へチェンジ。この大胆なアレンジは、今後のアニソントレンドに「テンポチェンジもの」というジャンルが加わる可能性をひとつ見出したように思う。速度アップでも曲の叙情性は失われるどころか、<D-C#-F#m>という定番のセツナ進行を持ってくることで、疾走感のあるエモーショナルさを際立たせている。

 とはいえ、ただテンポを上げるだけでキャッチー属性がひとつ増えるというものでもない。その変化を柔軟に包含できる上坂の声質や、曲としてのギャップを感じさせないアレンジなども欠かせない要素だ。ゆえに模倣というものがしやすいかどうかはさておき、世のアニソンDJたちがこの曲をどういうBPMで管理するかは気になるところではある。

      

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