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鈴木貴歩「エンターテックがカルチャーを創る」第3回

中国の音楽市場は日本を3年で追い抜く? 『ALL THAT MATTEERS』カンファレンスレポ

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 “アジア”という地域は常にアップデートされ続けているーー9月9~13日の期間、シンガポールで開催されたカンファレンス&フェスティバル『ALL THAT MATTEERS』(以下ATM)に登壇、参加してきての感想だ。カンファレンスはザ・リッツ・カールトン・ミレニア・シンガポールにて実施された。

 元々は『MUSIC MATTERS』という音楽カンファレンス&フェスティバルとしてスタートしたイベントだったが、その後デジタル(マーケティング)、ゲーム、スポーツとその分野を拡げていき『ALL THAT MATTERS』とリブランディングした、アジアを見渡しても有数のイベントである。キーノートスピーカーのラインナップからもアジアに留まらない豪華さが分かる。ラグビー・ワールドカップのCOO、動画作成アプリ・Musical.lyのCEO、Formula 1の会長兼CEO、YouTubeの音楽パートナーシップ部門のヘッドで元ワーナー・ミュージック社長らが登壇した。

 多くのスピーチ、パネルディスカッションを見たが中でもオープニングのパネルディスカッションはメンバーも豪華かつインパクトのある話だった。『The Gateway to Asia』と題し、ユニリーバ・アジアのVPを務めるデビッド・ポーター氏、中国のITコングロマリット企業・テンセントの音楽部門の責任者アンディ・ン氏(吳偉林)、ミレニアル世代のメディア・VICE MEDIAのグローバル・ゼネラル・マネージャーホシ・サイモン氏、そしてゲーム中継プラットフォーム・TwitchのCOOを務めるケビン・リン氏が登壇した。本稿では特に注目だったテンセント・アンディ氏のトーク内容をレポートする。

テンセント・吳偉林氏

 テンセントと言えば5月にユニバーサル ミュージック グループとパートナーシップ契約を締結して、音源のライセンスと中国国内に名門アビーロードスタジオの建設を行うことを発表(参考:ユニバーサルミュージックとTencent Musicが見据える、中国の音楽ビジネスの未来。中国版アビー・ロード・スタジオの建設で人材育成も(ALL DIGITAL MUSIC))。その他のレーベルとのライセンス契約も続々と締結して中国国内No.1の音楽サービスの位置を確固たるものとしている。「テンセントが運営するサービスのMAU(月間利用者)は7億人」と昨年筆者が見たときよりも大きく伸びている数字を披露したアンディ氏が、次に語っていたのが「テンセントは3年前からレーベルと協調し合法な音楽配信を行っていた中で、中国政府も政策でこれを後押ししてくれた。この両方の動きにより中国国内の若者が音楽の価値を理解し、音楽にお金を払うようになってきた」。これは筆者が日本でももっとアクティブにできることではないかと考えている。

 そしてモデレーターからの「今は日本が世界2位のマーケットだが、中国が追い抜くには何年かかるか?」との問いに、難しい質問だがと前置きした上で「3年」と答えた。彼の答えが音源のみの市場(2016年のマーケットは日本2746US百万ドル、中国202US百万ドル:ソース IFPI(The Record vol.691)なのかライブ、投げ銭などを入れた数なのかは不明だが、それくらいの勢いを感じるのが今のテンセントである。単なる計算だがMAU7億人の内半分が月100円も支払えば日本の音源市場と同じサイズになる。

      

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