SKE48 松井珠理奈が総選挙で強さを発揮した理由ーー“熱き魂”で4連覇への歩み進めるか

 波乱尽くしの『AKB48 49thシングル 選抜総選挙』から1週間が過ぎた。振り返ると、ラスト総選挙を掲げていた指原莉乃(HKT48/STU48)が史上初の3連覇を成し遂げ、1回目の総選挙から“神7”を守り続けた渡辺麻友(AKB48)はグルーブからの卒業を発表し、盟友である指原と涙ながらに抱き合っていた。

SKE48『意外にマンゴー』(TYPE-A)(初回生産限定盤)

 来年からは、この2人がいない総選挙が始まる。指原が壇上で話していた通り、第3位の松井珠理奈(SKE48)、第4位の宮脇咲良(HKT48/AKB48)が次の総選挙の代を受け継ぐ形となる。グルーブ別のランクイン人数に目を向けると、姉妹グループの中で最も議席数を獲得したのは19人でSKE48だった。選抜順位以内には、第15位の高柳明音、第14位の古畑奈和、第8位の惣田紗莉渚、第6位の須田亜香里、そして第3位の松井と5人がランクインしており、AKB48を入れてもSKE48が一番多いことになる。かねてより、“総選挙に強い”と言われているSKE48が本領を発揮した結果と言える。

 中でも、グループのトップを切る松井は強い。昨年の投票数からも、1000票余り数字を増やし、その人気は衰えることを知らない。彼女のスピーチにもあった通り、2009年の初めての総選挙に参加した際、松井は11歳、小学6年生であった。その後松井はAKB48の10thシングル『大声ダイヤモンド』で前田敦子とのWセンターという大抜擢にはじまり、以降はSKE48の不動のセンターとしてグループを牽引する存在に。AKB48では大島優子とのWセンター、単独センターも経験した。

 そんな彼女のターニングポイントとなったのが、プロレスとの出会いだ。ドラマ『豆腐プロレス』(テレビ朝日系)でのパフォーマンスが彼女を変えたきっかけであるが、秋元康が「アイドルは、プロレスである」とコメント(参考記事)しているように、AKB48グループとプロレスには通ずるマインドがある。もともと、熱い魂の持ち主であった松井は人一倍プロレスに惹かれた。生で試合を観戦し感動した彼女は、棚橋弘至に必殺技を伝授されるまでに。Twitterのプロフィールには「趣味・プロレス」とあり、随所からプロレス愛を感じさせる。そして、8月29日には、“プロレスの聖地”といわれる伝説の会場東京・後楽園ホールにて『豆腐プロレス』のリアルイベント『豆腐プロレス The REAL 2017 WIP CLIMAX』が開催されることも発表された。松井が輝くことができる舞台がまた一つ加わり、ファンとしても一層応援しがいがあることだろう。

 「お二人とも、来年も一緒に戦いましょう!」と、総選挙のスピーチで指原と渡辺に向けてマイクパフォーマンスをしていた松井。毎年1位を目標に掲げてきた彼女にとって、指原と渡辺がいる今年、1位というチャンピオンベルトを巻くことが彼女にとっての真の目標だったのだ。秋元は昔から予定調和を嫌うが、松井にも1位を取って世間を驚かせたいという思いがきっとあったのではないだろうか。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる