Ryu☆×kors kがbanvoxと考える、“音楽ゲーム”からしか生まれないダンスミュージック

Ryu☆×kors k×banvoxが考える音楽ゲーム論

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「歌っているようにカットアップしたら、自分にしか出せない音になる」(banvox)

ーーbanvoxさんの制作環境って、デビュー時から変わりました?

banvox:いや、変わってないです。PCが変わったくらいで。

ーーそれはあえて変えていないんですか?

banvox:そうですね。あまり環境に興味がないというか。自分で信じた音しか使わない。

ーーなるほど。でも、その作り方を続けるからこそ、banvoxさんの出す音には記名性が出てくるんでしょうね。

banvox:だと思います。

Ryu☆:ずっと「FL Studio」なんですか?

banvox:そうですね。

Ryu☆:今の若手ダンストラッカーは「Ableton Live」か「FL Studio」かの二択というくらいの割合ですよね。「FL Studio」は自分が最初に使っていたMC-303のグルーヴボックスと考え方が同じで、16個のステップシーケンサーを使って音を整理するやり方とか、頭が程よく整理されていいんだよね。ちなみに、現場から刺激を受けることってあります?

banvox:自分の現場以外、あんまりクラブに行かないんですよね……(笑)。でも、そこで刺激を受けたら帰ってすぐに作ったりします。最近だとポーター&マデオンの『シェルター』ツアーに感銘を受けました。

kors k:俺らだと「寝かし」が入っちゃうよね(笑)。僕は最近だと、Zomboyのライブが衝撃でしたね。彼の出番の後にbanvoxさんも出演していましたが、全く音が負けていなくて驚きました。あそこのポジションを張れるのはbanvoxさんしかいないですよね。

banvox:わあ、嬉しいです。ありがとうございます。

ーーお三方の共通する部分として、ボーカルや声ネタの処理が似ているというのもあると思うんです。メロが立った曲であっても、ボーカルを主体にせずカットアップやピッチを変えたりと、加工した声を多用する傾向にあるというか。

banvox:なんというか……歌ばかりだと飽きちゃうんですよね(笑)。それに、サンプルボイスを使うだけだと他の人と被ることがあるわけなので。歌っているようにカットアップしたら、自分にしか出せない音になるというか。同じようにカットしないと作れない音になる。そのままサンプルを使うのが好きじゃないんですよね。

kors k:声ネタを弄るときは基本その姿勢ですよね。

Ryu☆:わかる! 自分の知らない曲と被ったりすると恥ずかしいし悲しくなる(笑)。

ーーお三方とも制作環境も整ってきて、お願いしようと思えば色々なボーカリストがいるはずなのに、未だに声ネタを使い続けるのはなぜでしょう。

Ryu☆:僕らに関しては、音楽ゲームとマッチしているからという理由です。

kors k:そうそう。ライブで我々が声ネタを大量に入れた曲をプレイするんだけど、みんなその声ネタを覚えていたり。

Ryu☆:サンプリングネタの大合唱です(笑)。

banvox:そんな現象が起こるんですか……。あ、でも僕も同じようなことがライブでありますね。

Ryu☆:「Summer」の声ネタを全部歌う人の気持ちはわかる気がする。海外も同じ反応だから面白いよね。

ーー音楽ゲームだとそれを空耳にして面白がる傾向もありますしね。「三倍アイスクリーム」とか。(筆者注:トランスの王道声ネタ<Somebody's scream!!!>がそう聴こえることからこの名称が付いた。音楽ゲームでの代表曲はRyu☆「Second Heaven」)

Ryu☆:今年の12月で『beatmania』が20周年を迎えるんですけど、その熟成が現れている部分でもありますよね。

ーー『beatmania』20周年といえば、3月18日に新木場COASTで開催された『EDP×beatnation summit 2017 -beatnation 10th Anniversary-』についても教えてください。昨年は豊洲でしたが、なぜ今回は新木場を?

Ryu☆:<beatnation>という『beatmania』界のスター集団がいるんですけど、彼らとタッグを組んでお祭りにしようかと。それに、10年間で曲をいろいろ作ってきたので、ベスト盤的なライブにしたいなと。あと、全国で各地のファンが音楽ゲームのイベントを開催していたりもするんですが、その総本山としてしっかりとトップランナーであることを誇示したいという気概もあります。そして、もう一つは次の世代にモチベーションとして提示すること。頑張ってあの舞台に立ちたいと思ってもらえる、クラブミュージックにおける『Ultra Music Festival』のような存在になりたいですね。そこから次のスターが生まれてくれたら嬉しいし、<beatnation RHYZE>も、音楽ゲーム好きのお客さんだった人たちが作り手側を目指して、実際に舞台へ立った人たちの集まりなので。

ーーそして、ツアーも開催されるそうですね(チケットなど詳細はこちらから)。

Ryu☆:名古屋、大阪、福岡と3カ所を回りたいと思います。

kors k:<EDP>の大箱イベントとは少し毛色を変えて、昨年circus tokyoで行なったイベントのように、ライブハウス・クラブを中心にツアーを回っていきたいなと。そこでファンから「ついに来てくれた!」と思ってもらえたら嬉しいです。

Ryu☆:いつも会場が東京ばかりですからね。だから今回は自分たちが訪ねていきたいなと。

ーー最後にbanvoxさんからもひとこと。

banvox : 新作のコンセプトアルバム『Take No Defeat』が配信されているので是非チェックしてください。色々お話伺えて楽しかったです。

(取材・文=中村拓海/写真=竹内洋平)

■ライブ情報
『EDP Lab ーTOUR 2017ー』

6月4日(日)club joule(大阪) 15:00開場/15:30開演
6月11日(日)X-HALL-ZEN(名古屋) 15:00開場/15:30開演
7月1日(土)九州ビジュアルアーツ「エスペランサ・ホール」(福岡) 17:00開場/17:30開演

出演者:Ryu☆、korsk、かめりあ、P*Light and more…
チケット価格:スタンディング(整理番号付)4,000円(税込)※ドリンク代別途
※出演者は変更になる場合あり
(出演者変更に伴うチケットの払い戻しは一切行いませんのでご了承ください)
※3歳以上有料

<EDP特別先行(抽選)>
受付期間:4月15日(土)10:00〜4月23日(日)23:59まで
チケット価格:スタンディング(整理番号付)4,000円(税込)
受付はこちら
受付枚数:ひとり各公演4枚まで

■リリース情報
・青龍
『AO-∞』
価格:¥2,500+税
発売:2017年3月1日(水)
ジャケットイラストレーター:雅
<収録予定曲>
01. AO-1 (AO-∞MIX) / 電龍 [beatmania IIDX 23 copula]
02. VOX RUSH / 青龍×sampling masters MEGA & sampling masters AYA
03. Eclipse Zero (AO-∞MIX) / tūmahaB [REFLEC BEAT groovin'!! Upper]
04. 3!dolon Forc3 / 青龍×Eagle
05. 檄 (AO-∞MIX) / Ryu☆ feat.青龍 [jubeat Qubell]
06. 256*256 / 青龍×t+pazolite
07. Ultra Funktion (Ryu☆ VS 青龍 Remix) / lapix
08. Castle on the Moon (AO-∞MIX) / 青龍 [REFLEC BEAT limelight]
09. Genesis at Oasis (AO-∞MIX) / 白龍 [REFLEC BEAT groovin'!!]
10. STARLiGHT (AO-∞MIX) / 星龍 [beatmania IIDX 23 copula]
11. AO-0 / 青龍
12. 8a55 / 青龍
13. Deus ex Machina / 青龍×BlackY
14. Dimension Sword / 白龍
15. ra'am (AO-∞MIX) / 雷龍 [beatmania IIDX 21 SPADA]
16. 3y3s (かめりあ's "0p3n Ur 3y3s" remix) / 青龍 remixed by かめりあ as "BLUE TURTLE" [beatmania IIDX 16 EMPRESS]
17. Girl on Data / 青龍×E.G.G.
18. MOONLiGHT (AO-∞MIX) / 月龍
19. Rave*it! Rave*it! (AO-∞MIX) / 機龍 [beatmania IIDX 22 PENDUAL]
20. AO-∞ / 青龍

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banvox『Everlasting』
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banvox『Take No Defeat』

・banvox
『Everlasting』
2017年4月28日 配信開始
iTunesにて予約中

<収録内容>
01. Everlasting

『Take No Defeat』
配信中

01. Take No Defeat feat. Santell
02. Save Me
03. Fly Beyond
04. Future
05. Argonautica
06. Sharpness
07. Concept
08. Puttin In Work
09. You Love

iTunesリンク
Spotifyリンク

■関連リンク
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