中居正広が最後に語った本音ーーラジオ番組で見せたリーダーとしての“強さ”

 2016年12月31日をもって、グループの解散を発表していたSMAP。大晦日の23時から、ラジオ番組『中居正広のSome girl' SMAP』(ニッポン放送)が通常通りオンエアされた。

 「幸か不幸か31日ですか……ちょっとお話しましょうか」

  解散報道について一貫して沈黙を続けてきた中居は、SMAPとしての残り僅かな時間を「僕がお話することで、また迷惑をかけたりすることもあるのかな、なんて思いながら」と、慎重に話し始めた。

「誰も、悪くないんです」メンバーに労いの言葉を

 「今年過ごした日々というのは、教わったことのない1年だったんですよ」と中居。普段、私たちも先生や親、上司、先輩などから、学んだことを応用して、日々の問題をクリアしている。しかし、国民的アイドルグループとなったSMAPの解散という、誰も直面したことのない大きな課題に対して、何が正解かを示すことができる人などいなかったのだろう。

 「自分が正しいなんて本当に思ってないです」と吐露する中居。そんなデリケートな時期が毎日続いた結果、麻痺していく感覚があったという。各メディアで報じられていた誹謗や中傷、批判に対して「僕ちょっと大丈夫な気がします。円滑にいくんでしたら(自分が悪くて)全然いいなと思うんです」と述べた。

 その上で「誰も悪くないんですよね……メンバーは今年1年、ホントによくがんばりました。よく踏ん張ったと思います。しっかり最後までSMAPを務めたと僕は思います。労いとかお褒めの言葉をあげてほしいなって」とメンバーを慮った。さらに「年が明けたら、そっとしてあげたいな」とも。こうして12月31日に解散について中居が口を開いたのも、メンバーが少しでも休めるように自らメディアの矢面に立ったようにも感じた。

「ありがとう」ファンの想いは届いていた

 続いて中居が語ったのは、グループ存続を願ったファンの行動について。37万人以上集まった署名運動、300万枚を突破した「世界に一つだけの花」の購買運動、新聞の広告欄ジャックや25周年を祝うイベントの開催、そして番組に送られてきたハガキも全て「ちゃんと読んでますから」と言葉を添えた。

 いつもの中居なら「うぜー」「重いんだけど」と茶化していたが、それも言えないくらい、ファンの気持ちが「純粋に満ちていて、純粋に受け取りました」と。スルーしたまま解散も迎えられたはず。届いていると言うからには「期待に応えられなくて申し訳ない」と相手の不満に向き合う勇気が必要になる。中居は、その強さを持った真のリーダーなのだと痛感する瞬間だった。

 そんな難しい話題について言葉を選んで語りながらも、大晦日にNHK紅白歌合戦の司会を務める嵐の相葉雅紀を「大丈夫かな」と思いやる場面も。one for all, all for one(一人はみんなのために、みんなは一人のために)。チームプレーが必要な場面でよく用いられる言葉だが、まさに中居の言動は一つひとつが、メンバーはもちろん、ファンも、後輩も、そして関係者全員への思いやりに満ちている。そんな中居が牽引するSMAPだったからこそ、28年もの間愛され続けてきたのだろう。

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