V6、嵐、滝翼、関ジャニ∞…ジャニーズの“舞台班”と“テレビ映画班”、それぞれの魅力と役割

 先日、Kis-My-Ft2の玉森裕太と藤ヶ谷太輔が舞台『ジャニーズ・オールスターズ・アイランド』に出演することが発表された。玉森は舞台『DREAM BOYS』に出演しているが、藤ヶ谷にとっては2010年の『少年たち 格子無き牢獄』以来のジャニーズ舞台作品への出演となる。Kis-My-Ft2の中でも、テレビドラマ・映画に積極的に出演するメンバーと舞台に出演するメンバーがいるように、ジャニーズグループ全体で見ても“舞台班”と“ドラマ・映画班”に分けることができる。今回はこの2つに注目し、それぞれ磨かれるスキルと活躍方法について考えてみたい。

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(C)タナカケンイチ

 まずは舞台班を見てみよう。舞台はジャニー喜多川氏が自身の原点であると発言しているように、ジャニーズを作る大きなファクターの1つとなっている。舞台で身につくスキルと言えば、体全体を使った表現力とはっきりとした発声だろう。メンバーにより差はあるが、グループで言えばV6、タッキー&翼、A.B.C-Zなどが挙げられる。

 V6は坂本昌行のミュージカル活動が目立っており、その歌唱力と表現力は歌番組やCDなどで充分に発揮されている。V6の音楽面を支える根幹となっているのだ。タッキー&翼は、『滝沢歌舞伎』『PLAY ZONE』といったジャニーズの伝統舞台を守り続けている。長期間の舞台を長年こなし続けていることで、滝沢秀明も今井翼も身体が鍛えられており、ライブパフォーマンスでも身体の基礎がしっかり出来ている様子を感じることができる。また、ジャニーズを代表する舞台班であるA.B.C-Zは、体全体を使った表現が抜きん出ている。彼らの魅力であるアクロバットも、ここ数年は「表現」の域に達してきていると感じるのだ。さらに、さまざまな経験を積んでいることで、長期間舞台をこなしても声が枯れることもなく、常に聞き取りやすい発声ができていることも特筆したい。

 先述した3組に共通するのは、「肉体派」であることだ。舞台を数多く経験することで体幹も作られ、彼らの魅力を引き出すことにつながっている。そして、この3組から感じられる「玄人感」「職人感」も舞台経験の多さが要因になっているのかもしれない。彼らが活躍することが、ジャニーズのクオリティの高さを世間に知らしめていくことに繋がっているのだ。

 次に、ドラマ・映画班に注目していこう。今やクール毎のドラマでジャニーズメンバーを見ない時期はなく、映画での活躍もめざましい。ドラマ・映画に出演することで身につくスキルは、何と言っても繊細な演技力だろう。舞台と違ってアップのシーンが多いため、目の動きなどの細かな表情を活かした演技が必要となるためだ。グループで言うと、嵐、関ジャニ∞、Hey! Say! JUMPがドラマ・映画班に当てはまるだろうか。

 嵐は全メンバーが主役を務め、演技での受賞経験がある紛れもないドラマ・映画班だ。彼らが歌、バラエティ、情報番組と広い活躍の場を持っているのも、演技で磨かれたTPOに合わせた対応ができるからではないだろうか。関ジャニ∞はバラエティのイメージが強いが、錦戸亮・大倉忠義・安田章大は積極的にドラマや映画に出演している。どんな役でもこなせるメンバーがいることでグループとしての幅が広がり、ドラマからバラエティまで幅広い活躍ができるのだろう。Hey! Say! JUMPもほとんどのメンバーがドラマや映画に出演している。彼らのライブで見られる“絶対的アイドル感”の演出は、ドラマ・映画での演技の経験に因るものかもしれない。

 この3組には、分かりやすい“アイドル感がある”という共通点がある。ポップでキラキラしたアイドル像を演出できているのは、ドラマ・映画で培った細やかな表現力があってこそだろう。より多くの人々が目にするドラマ・映画に出演することで、“これぞジャニーズ”というイメージを世間に伝える広告塔としての役割も果たしているのではないだろうか。

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