スポーツと音楽の深すぎる関係 GReeeeNはなぜアスリートを惹き付ける?

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 たくさんのドラマを生み、先日閉幕したリオデジャネイロ五輪。様々な懸念材料を抱えたまま始まった今回の五輪だが、終わってみれば日本選手団は過去最高のメダル数を獲得し、熱戦に次ぐ熱戦で期間中は酷い睡眠不足と戦っていた方も多いのではないだろうか。私も睡眠不足と涙で常に目を腫らし続ける17日間となってしまった。

 さて、各局の中継番組にもその局の特色が反映されたテーマソングが起用されたり、来たる2020年東京五輪への引き継ぎとして閉会式で行われたセレモニーでは「トーキョーショー」の「クリエーティブ スーパーバイザー/音楽監督」を椎名林檎、ARと50人のダンサーによるパフォーマンス演出の音楽担当を中田ヤスタカが務めるなど、スポーツと音楽がシンクロする瞬間を今回の五輪期間中もいくつも見ることができた。たくさんの選手たちにとって、音楽はとても大切なもの。過酷な練習を乗り切るために、試合前に集中するために、大好きな曲を聞いている選手の姿をドキュメンタリーなどで見ることも少なくない。

 DREAMS COME TRUE、ゆず、Mr.Childrenなど、応援歌やテーマソングとしてスポーツとゆかりの深いアーティストは多く存在するが、その中でも昨今スポーツとリンクする音楽として強く想起されるのはGReeeeN。アスリートの舞台裏を鋭く切り取るNHK「アスリートの魂」のテーマソングに東日本大震災を受けて制作された「Green boys」が起用されたり、全国高等学校サッカー選手権大会の応援歌として「僕らの物語」が選出されたりと、スポーツの物語を彩る上でGReeeeNの楽曲はお馴染みとなっている。GReeeeNにスポーツのイメージが強くなったのは、彼らの出世作である「キセキ」がきっかけだろう。人気ドラマ『ROOKIES』の主題歌として700万DLを記録したこの曲は、のちに甲子園の入場行進曲としても使用され、ABC『熱闘甲子園』のテーマソングにもなった。ちなみに読売巨人軍現主将の坂本勇人選手やオリックス・バッファローズの中島裕之選手もこの曲を登場曲として使用している。

 そして、フィギュアスケートのソチ五輪金メダリスト、羽生結弦選手が熱唱する「はたちの献血」のCMソングとしても話題を集めた「ビリーヴ」もまた、多くのアスリートにとってゆかりのある楽曲。また、〈別に特別な力があるわけじゃない / 諦めないって決めただけ それを信じてんだ〉という歌うこの曲を、昨年惜しまれつつ引退した女子サッカー界のレジェンド、澤穂希さんも試合前に聞いていたという。GReeeeNは2015年、トップアスリートとコラボしたMVを3本制作しているが、「ビリーヴ」ではリオ五輪で惜しくもメダルには手が届かなかったものの、決勝まで力強い泳ぎを見せた競泳日本代表の入江陵介選手が出演。この楽曲に乗せてひたむきに練習に打ち込む姿や率直な心境を語る姿を見せる、素晴らしい作品になっている。ちなみに「Pride」では前述の坂本勇人選手が、「Green boys」ではボクシングのロンドン五輪金メダリスト村田諒太選手が登場しているが、こちらも胸が熱くなる作品だ。

GReeeeN x 入江陵介「ビリーヴ」
GReeeeN x 坂本勇人「pride」
GReeeeN x村田諒太「Green boys」

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