lyrical schoolが語る、グループの特殊性と強み「もっとたくさんの方を巻き込みたい!」

lyrical school、グループの特殊性と強みを語る

 ヒップホップアイドルユニット・lyrical schoolがメジャーデビュー後、2作目のシングル『サマーファンデーション』を7月6日にリリースした。LITTLE作詞、AxSxE作曲によるギターも印象的な表題曲は、夏曲のマスターピースを積み重ねてきたlyrical schoolのレパートリーに新たな一面を加えるものになっている。4月のメジャーデビューシングル『RUN and RUN』では、スマートフォンをジャックするかのような縦型MVがジャンルを超えて大きな反響を呼んだ彼女たちが、次に見据えるのはどんな景色なのか。メンバーのami、minan、meiに現在のビジョンを語ってもらった。(香月孝史)

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minan

「あらゆる層の方に刺さる曲になった」(minan)

ーーlyrical schoolはこれまで「そりゃ夏だ!」「FRESH!!!」など、夏の記憶とともに名曲を積み重ねてきました。メジャーデビュー後、初の夏ソングになった「サマーファンデーション」はどんな曲になっていますか?

ami:エモい!っていう印象があります。楽曲としてはかっこよくもありつつ、可愛い印象です。その中に、淡くて甘い感じの歌詞が入ってきて、この絶妙なバランスがすごくいいなと思います。「ヤバい曲だな、これ」って思いました。

mei:今までのlyrical schoolの夏ソングとはガラッと雰囲気が違って、また新しいサマーソングだなと思いましたね。lyrical school自体、切なくなるような女の子の気持ちを歌った曲も久しぶりでした。青春時代を思い出して懐かしんで聴いてくれる人もいれば、高校生や中学生であれば、「この気持ちすごくわかる」って共感する方が多いんじゃないかなと思います。

minan:lyrical schoolの曲はラップといえども、たくさんの方に聴いてもらえるようなものではあると思うんですけど、今回の「サマーファンデーション」は特に、アイドル好きな方やバンドが好きな方、あらゆる層の方に刺さる曲になったんじゃないかなと思います。

ーー1番のバースでいうと、himeさんからminanさんにつなぐピッチの速いラップは、一聴して難しそうだなと思いました。

minan:私のパートでいうと〈特別な予定があったわけじゃないし〉からの早口のバースですよね。まず仮歌を聴いたら、LITTLEさん節が全開だったんです。〈2人っきりか〉っていう詞の語尾が上がる感じとか、いまだになかなかできないんですけど(笑)。その語尾を下げて歌うと別物になっちゃうんですよ。それで自分なりになんとか、LITTLEさん感を出せるように。でも、とにかくこのバースは楽しいですね。一人称の女の子のはやる気持ち、疾走感が伝わったらいいなと思いながら歌っています。

ーー今回はLITTLEさんの作詞、前作の「RUN and RUN」の作詞は岩渕竜也さんでした。リリックを書く人によって、仮歌でのフロウを含めて癖の違いって感じるものですか?

ami・minan:(声を揃えて)あるよね(笑)!!

minan:だからもう、仮歌をいただいた段階で、「この人の曲として完成してるじゃん!かっこいい!」って思っちゃうんですよね。毎回、そこに自分たちのフロウを入れていくのが難しくもあり、それが楽しさでもあり。

ーー「サマーファンデーション」にしても、今のリリスクはもう聴いてすぐ誰のフロウかわかりますよね。

mei:そうですね。慣れない頃は仮歌に寄せて、めっちゃ練習してたんです。でもなんか今は、全員のレコーディングが終わるともう、リリスクの曲なんですよね。LITTLEさんも、「meiちゃんらしく歌っていいよ」と言ってくださるので。最近はみんな、自分のものにするまでが早くなってるのかなと思います。

ーーamiさんは今回のレコーディングはいかがでしたか?

ami:私、今回の「サマーファンデーション」は、ここまで苦戦したのは初めてなんじゃないかというくらい、自分のラップがわからなくなってしまったんです。プリプロの段階で、思った通りに歌ってるつもりなんですけど、プロデューサーから「いつものamiちゃんのラップでいいんだよ」と言われて、「いつものラップってどうだっけ?」と。みんなはプリプロを一日で終えるんですけど、私は二日間もらって。たぶん、LITTLEさんのラップに寄せようと思いすぎて、わかんなくなっちゃったんですよね。だから、原点じゃないですけど、「自分のラップ」に戻れた一曲でした。

ーーでもlyrical schoolって普段、そういう苦労をそのまま見せる感じがないですよね。コンディションもライブ会場の条件も、その時によってまちまちなはずなのに。

ami:その時、その場所でしかlyrical schoolを見られない人って、たくさんいると思うんですよ。だから私たちのコンディションとか関係なしに、100%のlyrical schoolを6人が見せたいって思ってるから、いつもの楽しいlyrical schoolが出せてるんじゃないかなと思います。

minan:リリスクはハッピーとパーティー感が売りなので、いろいろあったとしてもそれは見せなくていいんです。

ーー昨年夏リリースの『ワンダーグラウンド』もそうですが、lyrical schoolの夏曲って、いつもパーティー感的な楽しさはありつつ、何かが終わってしまう気配や、いつまでもこのままではいられない予感も常に含まれてて、切なさを感じながらライブを見ることが多いんですよね。

mei:その時その時のライブは「今」しかないので、そのことを思って歌ってます。「ワンダーグラウンド」にしても、ずっと待ってたワンマンライブで歌った時には自分たちもグッとくるし。それから、過去のいろんなライブを思い出したりします。過去に大きなステージでライブをやった時、ここに立てるのはこの日しかないんだって思っていたことだったり。「サマーファンデーション」では、最後のパートでayakaが〈ずっと忘れないと思うんだ〉って歌うんですけど、その時に、今までのこととかを思い出しますね。

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