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メジャーデビューシングル「DEADMAN」徹底分析

BiSH、図抜けた快進撃の理由ーー柴那典が“楽器を持たないパンクバンド”の音楽性を紐解く

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 「楽器を持たないパンクバンド」BiSHが、5月4日にシングル「DEADMAN」でメジャーデビューを果たす。

 正直、彼女たちを巡る状況は予想以上のものだ。昨年5月にインディーズからリリースされた1stアルバム『Brand-new idol SHiT』はオリコン20位。1stシングル『OTNK』はオリコン10位。ツアーはすべて即日完売。今年初頭に行われたリキッドルームのワンマンライブでメジャーデビューを発表した後も動員を倍々ゲームで増やしてきている。多様化と細分化が進む今のアイドルシーンの中でも図抜けた快進撃だ。

 なぜBiSHはここまで着実なステップアップを果たしているのだろうか?

 もちろん当初から注目は高かった。渡辺淳之介(マネージャー)と松隈ケンタ(サウンドプロデューサー)の二人が、数々の破天荒な伝説を残して解散したアイドルグループBiSを「もう一度始める」とスタートしたプロジェクトである。ただ、フタを開けてみたら、明らかに違うのはメンバーの歌唱力だった。ハスキーで力のこもった歌声を持つアイナ・ジ・エンドを筆頭に、歌にエモーションを乗せて伝えることのできる面々が揃っていた。だからこそ、楽曲の持つ情熱がストレートに広がっていったのだろう。スキャンダラスな話題性が先行していたBiSに対し、音楽そのものの魅力が伝播力を持って広まっていったのだ。

 そして『DEADMAN』は、そんなBiSHの状況をさらに推し進めるだろう“本気”の一枚だ。表題曲は99秒で駆け抜けるパンクナンバー。それも、70年代UKのオリジナル・パンクを彷彿とさせる曲調である。

BiSH / DEADMAN[OFFICIAL VIDEO]

 2ビートの前のめりなリズムに乗せて、「ピストルなんかいらない 感情だけで揺らしたい」と歪んだシャウトが繰り出される。サビも1回であっという間に終わってしまう。

 マスタリングにセックス・ピストルズ『勝手にしやがれ』のリマスタリングや、ザ・クラッシュ『ロンドン・コーリング』を手掛けたエンジニア、ティム・ヤングを起用したことからも、サウンドのイメージに70年代UKパンクがあることは明らかだ。が、個人的に感じたのは、ピストルズの無頼さやクラッシュの実直さよりも、ダムドのスピード感。パブ・ロックの性急さに通じるところもある。

 カップリングの「earth」もかなり衝撃的だ。作曲は小室哲哉。しかし彼の代名詞でもあるシンセサウンドは一切使われていない。やはり疾走感あるパンク・ロック。アレンジは松隈ケンタ率いるSCRAMBLESが手掛け、松隈自身のギターサウンドが全面的にフィーチャーされている。その上で〈朝が来ても 昼が来ても 私 夜が来ても 夜中来ても震える〉と、焦燥の塊のようなメロディをひたすら繰り返す。かなりの切迫感に満ちた楽曲になっている。

 シングルの初回限定盤には前述のリキッドルームでのライブ映像を収録したDVDも同梱される。それを観ても改めて感じるのは、BiSHの楽曲の魅力の根源には、やはり「切迫感」と「エモさ」があるということだ。

 90年代のオルタナティヴ・ロックを基盤に、メロコアやメタルなど様々なフレーバーを加えた幅広い曲調を歌いこなしてきた彼女たち。そして、多くの曲でポイントになってきたのは、胸をかきむしるようなメロディラインだった。

 その象徴となったのが代表曲「BiSH –星が瞬く夜に-」。オーバードライブ・ギターを重ねた分厚いサウンドに、シンガロングできるフックの強い歌が乗る。強い推進力を持ったナンバーだ。

BiSH/BiSH-星が瞬く夜に- [OFFICIAL VIDEO]

      

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