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黒田隆憲が吉井和哉楽曲の特徴を分析

イエモン復活で再注目、吉井和哉楽曲の特徴とは? バンド~ソロの作風を分析

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吉井和哉
THE YELLOW MONKEY
JPOP
シンガー
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楽曲分析
黒田隆憲
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 2016年は前半から波乱の様相を呈しているが、最初に大きなインパクトを与えたニュースといえば「THE YELLOW MONKEY再始動」だろう。2004年に解散して以来、各メンバーは個々の音楽活動に専念していたが、今年5月11日、12日の東京・国立代々木競技場 第一体育館を皮切りに、全国10箇所20公演にわたるアリーナツアー『THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2016』を開催することが発表されたのだ。そこで今回は、バンドのメインソングライターである吉井和哉の楽曲分析をおこなってみたい。

 THE YELLOW MONKEYの再始動が報じられたその数日後、奇しくもデヴィッド・ボウイが急逝したが、吉井がもっとも影響を受けたアーティストといえば、ボウイをおいて他にいない(「デビッド・ボウイになるために、僕は『THE YELLOW MONKEY』を結成した」とまで公言している)。THE YELLOW MONKEYのアルバムで、もっともグラムロックに影響を受けているのは、やはりファーストアルバム『THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE』だろう。中でも男性の同性愛をテーマにした「This Is For You」は、デヴィッド・ボウイとミック・ロンソンへのリスペクトが突出した楽曲だ。ちなみに、THE YELLOW MONKEYのラストシングルとなった『プライマル。』のプロデュースは、ボウイの朋友トニー・ヴィスコンティが手がけている。

 トライアド(三和音)中心の、シンプルなコードを用いた吉井のソングライティングは、ボウイをはじめビートルズやオアシスなど、ブリティッシュロックからの影響が強い。日本人アーティストの中では、プライベートでも交流のある奥田民生や、草野マサムネらの楽曲とも共通の匂いを感じるが、これは吉井のルーツが彼らと同じところにあるからだろう。

 何より吉井らしさ~THE YELLOW MONKEYらしさとなっているのは、誤解を恐れずに言えば「昭和歌謡」や「演歌」にも通じるような、マイナーコード中心のウェットな要素である。実際、藤圭子の「夢は夜ひらく」をソロ時代のライヴでカヴァーしたり、梶芽衣子主演映画『女囚さそり』にハマッたりしているところからも、そうした要素が楽曲の中に、意識的に取り入れているのは間違いない。

 では、いくつか代表曲を例に挙げて検証してみよう。THE YELLOW MONKEYの9枚目のシングル「JAM」は、彼らの代表曲として多くの人々に認知されている楽曲だ。吉井によれば、デヴィッド・ボウイがモット・ザ・フープルに提供し、彼らの代表曲となった「All the Young Dudes(すべての若き野郎ども)」からの影響を強く受けており、C - EmonB - Am - ConG - F - G - C -Gと、ベースが下降するクリシェが繰り返し用いられている。ただし、サビではF - DonF# - Gと変化する部分があって(セカンダリードミナントコード)、聴き手をハッとさせるなど独自の工夫も。余談だが、オアシスはこの曲のキメ部分を、自分たちの曲「Stand By Me」でオマージュしている。

     
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