Fear, and Loathing in Las Vegas、初武道館で見せたバンドの集大成と今後の可能性

ラスベガス初武道館ワンマンレポ

 8ビット調サウンドが印象的な「Interlude」へと流れると、スクリーンにはYMCK制作による8ビットゲームが映し出される。そんなレトロなサウンドと映像に会場が一瞬和むものの、バンドは途中からメタリックな演奏に移行。観客の体が再度温まったところで、クラブサウンド色濃厚な「Gratitude」に突入する。ステージ上方のミラーボールが回転しながらきらびやかな空間を演出すると、武道館がロックバンドのライブ会場から巨大なレイヴパーティへと一変。会場中に飛び交うカラフルなレーザー光線や観客の自由な盛り上がりを目にするたびに、自分が今クラブに来ているような錯覚に陥ったことも、ここに記しておく。

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Sxun(G)

 ライブ中盤のMCでSxunはこの1年、メンバーやスタッフの家族に不幸が続き、非常にタフな状況であったことを観客に告げる。そして、そんな自分たちを支えてくれる人たちがいたからこそ、ここまで音楽を続けることができたと感謝の気持ちを伝え、「これからもLas Vegasは信念を持って、やりたいことを続けていくので、よかったらこれからもついてきてください!」と決意表明。そんな思いを綴った「Journey to Aim High」ではスクリーンにはSoが歌う英語詞の対訳が表示され、この楽曲のエモーショナルさをより増幅させた。

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 エモさが際立った「Journey to Aim High」を終えると、バンドは再びアッパーな楽曲を連発。ヒットシングル「Just Awake」を筆頭に、踊れる曲、楽しく暴れられる曲を立て続けに演奏していった。また曲の合間にはメンバー監修によるアパレルブランド『FALILV by FaLiLV』の設立や、この日の武道館公演の様子が映像化され、8曲分のMVを加えたDVD / Blu-ray『The Animals in Screen II』として4月27日に発売すること、4月末から全国4都市を回るワンマンツアーを実施すること、8月に大阪某所で主催イベントを開催することを告げ、観客を喜ばせた。そしてSxunの「今日を1つの目標として走ってきたように、これからもっと大きなステージを目指したいし、同時にライブハウスのような空間も大事にしていきたい。どんなに目の前が真っ暗でも、今、目の前にある光をみんなで掴みにいこうぜ!」の言葉に続いて、ライブはクライマックスに突入。「Party Boys」のイントロが鳴ると同時に大歓声が沸き上がり、会場は歓喜の渦に包まれる。もはやスタジアムバンドと呼ぶにふさわしい頼もしさを見せる6人は、笑みを浮かべながら今この瞬間を満喫しているように見えた。そしてSoの「ツアーファイナル最後の1曲。俺らとみんなで1つになろうぜ!」を合図に、ラストナンバー「Starburst」へと突入すると、ステージから客席に向けて金テープが発射された。さらに会場中の明かりがつき、金銀の紙吹雪が中を舞う最高のシチュエーションで、Las Vegasは初の武道館ワンマンライブを締めくくった。

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 とても関東で初のワンマンライブ、しかも初の武道館公演とは思えないほどに堂々としたパフォーマンスを見せてくれたLas Vegas。彼らがこんなにもアリーナ会場にふさわしい、いや、もっと大きな会場でライブを観たいと思わせてくれるようなバンドにまで成長していたことに驚いたと同時に、こんな圧巻のライブを見せてくれるバンドが今、どれだけいるのだろうかと考えると、数えるほどしかいないことに改めて気付かされる。きっと彼らはこの先さらに進化して、まだ誰も見たことのない景色を私たちに提供してくれることだろう。この日の武道館ライブはバンドにとっての集大成であると同時に、明日への第一歩にふさわしい最高のステージだったことを、声を大にして伝えたい。

(文=西廣智一/撮影=小野雄司)

Fear, and Loathing in Las Vegas
『“Feeling of Unity” Release Tour FINAL ONE MAN SHOW at 日本武道館』
セットリスト

M0. SE
M1. Cast Your Shell
M2. Meaning of Existence
M3. Escape from the Loop
M4. Rave-up Tonight
M5. Swing it!!
M6. Let Me Hear
M7. Burn the Disco Floor with Your "2-step"!!
M8. Ignite Your Frail Mind
M9. Thunderclap
M10. Interlude
M11. Gratitude
M12. Journey to Aim High
M13. Just Awake
M14. Sparkling Sky Laser
M15. The Demon Called Careless
M16. Short but Seems Long, Time of Our Life
M17. Chase the Light!
M18. Evolution
M19. Party Boys
M20. Virtue and Vice
M21. Starburst

■ツアー情報
『ONE MAN SHOWS TOUR 2016』
4月26日(火)Zepp Fukuoka
4月29日(金)Zepp Sapporo
5月6日(金)Zepp Nagoya
5月7日(土)Zepp Tokyo

最速オフィシャル先行受付URL
受付期間:1月8日(金)12:00~1月17日(日)23:59
一般発売:2月27日(土)

■リリース情報
武道館公演 Blu-ray & DVD化決定
『The Animals in Screen Ⅱ-Feeling of Unity Release Tour Final ONE MAN SHOW at NIPPON BUDOKAN-』
発売日:4月27日(水)
価格:DVD ¥4,300+tax
Blu-ray ¥4,800+tax

※2016年1月7日の日本武道館ワンマン公演のライブ映像に加え、全8曲のビデオクリップ収録
※第二弾メンバースペシャルロングインタビュー本収録

<収録ビデオクリップ>
Rave-up Tonight / Virtue and Vice / Thunderclap / Swing It!! / Let Me Hear / Starburst / Cast Your Shell / Party Boys

Fear, and Loathing in Las Vegasオフィシャルサイト

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