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音楽シーンを撹乱する異能バンド、バックドロップシンデレラ登場 10年のバンドキャリアを紐解く

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 パンク、メタル、ハードコア、スカ、レゲエ、アイリッシュ……、 ごちゃまぜの音楽で聴く者を掻き乱し、破天荒なライブパフォーマンスで見る者の度肝を抜く。独自の道をひたすら突き進み、破壊力抜群のインパクトをまき散らしながら暴れているバックドロップシンデレラ。11月18日にリリースされた最新アルバム『OPA!!』はこれまで以上の攻撃性と得体の知れない引き出しの多さを見せつけた濃厚な作品であると同時に、異様なまでのキャッチーさを帯びた中毒性の高い愉快痛快な快作である。

 畳み掛けていくリズムからメロディアスなサビへと一気に開放される「激情とウンザウンザを踊る」をはじめ、耳について離れない印象的なリフとシニカルな歌詞が疾走する「COOLです」、なぜか漂うロシア臭「ベルリントロンボーン」、異国情緒ブルージーさを醸すアダルトな「アラスカアバンチュール」など、怒濤のキラーチューンの応酬。予測不能な楽曲構成「やってみよう」、十八番ともいえるアイリッシュな「陽だまり乙女のように馴染む」ではメロディーセンスがキラリと光る。ラストのレゲエナンバー「うたい文句」まで、聴きどころと突っ込みどころ満載の一切隙のない12曲だ。

バックドロップシンデレラ7th ALBUM 「OPA!」【Trailer】

 垣間見える緻密に練られたアレンジとメロディーの良さ。一見奇をてらっているようで、高い演奏力と抜群のセンスを持ち合わせる不思議なバンドなのである。

テレビ東京『音流~ONRYU~』2015年12月エンディングテーマ「激情とウンザウンザを踊る」

 バックドロップシンデレラとは一体何なのか?「ワーワー、キャーキャーしてるにぎやかなバンドです」とアサヒキャナコ(Ba/Cho)は言い、「どこよりも一番盛り上がるバンドになりたい」と豊島“ペリー来航”渉(Gt/Vo)は語る。2人の話を交えながら、このつかみどころのないバンドを紐解いていこう。

“メルヘンチックハードコア”から“ウンザウンザ”へ

 結成は2006年。ペリーとキャナコのバンドと、でんでけあゆみ(Vo)と鬼ヶ島一徳(Dr)のバンド。この2つのバンドがほぼ同時期に解散し、残りの4人で結成された。

「お互い、バンドがポシャったわけですから(笑)。それでも音楽を続けるヤツ、解ってるヤツらだけで組んだら間違いないだろうと。向こうのバンドは、ボーカルとドラムがムチャクチャ目立つ、ステージ上の縦ラインがもの凄く強烈なバンドだったんです。そういうヤツらとやりたいというのはありました」(ペリー)

 以前のバンドではギター&ボーカルだったペリー。だが、あゆみの持つボーカリストとしての天性に惹かれたところが大きいという。

「あゆみは音楽的なものがまったくないところで勝負しているボーカリスト(笑)。それでも、なんかカッコイイというのがあったんです。本当は僕が自分で作って歌うほうが早いんですが、『コイツとやれば面白そう、オリジナリティが生まれそうだ』という思いがありました。あとは、やってみてから考えようと(笑)」(ペリー)

 バックドロップシンデレラの音楽にはオリエンタルな雰囲気やアイリッシュといった民族音楽・民謡要素が随所に鏤められ、オリジナリティを作り上げている。しかし、結成当初は“メルヘンチックハードコア”を名乗り、今とはまったく違う音楽性だった。

「あゆみが作ってきた曲に『コードは?』と訊くと『ない!』と即答されて(笑)」(キャナコ)

「はじめはそれも新鮮で面白かったんですけど、次第にこれでは通用しないなと思うようになって。最初にリリースしていたレーベルが無くなり、自分たちでレーベルを立ち上げることになったんです。ちょうどその頃、僕がアイリッシュやジプシー音楽にハマっていて。英語でも日本語でもない言語なので、アクセントやイントネーションが聴いたことのないもので新鮮だったんです。だから、こういうワールドミュージックの要素を持ち込んだら面白いんじゃないかと提案しました。たとえば、桑田佳祐さんは英語のニュアンスを日本語のメロディーに乗せていく形で、日本のロックはそういうものが多いですよね。ではなくて、ボスニア語とかロシア語とか、そうしたニュアンスを日本語ロックでやってみたらどうだろうと」(ペリー)

 その過程を経て作られたのが、2011年のアルバム『シンデレラはウンザウンザを踊る』である。タイトルにもなっている“ウンザウンザ”とは、バックドロップシンデレラの音楽を語る上で欠かせない言葉だ。

「エミール・クストリッツァ&ノー・スモーキング・オーケストラというボスニアのアーティストに『ウンザ・ウンザ・タイム』という楽曲があるんですけど、それに触発されて生まれたのが『少年はウンザウンザを踊る』で、これがウンザウンザの始まりです。最初は仮タイトルだったんですが、言葉のインパクトと語感が気に入って使っていたら、いつのまにかお客さんにも拡がっていって、今ではライブでもみんな『ウンザウンザ踊れーっ!!』みたいな状態になってます(笑)」(ペリー)

「少年はウンザウンザを踊る」(2011年)

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