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猪又孝の『ラブソング妄想分析』 第5回:Charima.com&印象派

Charisma.comと印象派、東西現役OLユニットの新作に潜む“がさつ女子”と“メイク事情”

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猪又孝
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 ラブソングの主人公を勝手に妄想しちゃうこの連載。今回は、現役OLユニット東西対決というテーマでいきましょう。

 東の現役OLユニットは、ハウス/テクノ寄りのアッパーなエレクトリックビートに歯切れの良いラップを乗せるCharisma.com。今年7月のメジャーデビューミニアルバム『OLest』ではロック寄りの曲調も採り入れ、これからさらなる広がりが期待される1MC+1DJユニットだ。彼女たちは、世の中の不条理にOL目線で舌鋒鋭くツッコミを入れる歌詞が持ち味。言い回しもストレートで、時折、同性である女性に毒気混じりの言葉で刃を向けることもある。

 西は、2010年の結成以来、大阪でぼんやりOL生活を送り、マイペースで活動を続けてきた印象派というグループ。8月26日にリリースする(配信は8月5日スタート)1年2ヶ月振りのミニアルバム『AQ』が今から話題を集めている。こちらはちょっとオルタナ寄りのポップなダンスロックで、ラップじゃなくツインヴォーカル。歌詞はOL生活で感じたことがベースになっているそうだが、その表現は印象派というより抽象派で、出来事を写実していくというより、揺れ動く感情をポエティックに綴り、どこかメランコリックな情感が漂うのが特徴だ。 

 Charisma.comで取り上げるのは、『OLest』に収録された唯一のラブソング「マメマメBOYがさつGIRL」。こちらはマメな男子とがさつな女子という凸凹カップルを描いた曲だが、女性のオス化がネットメディアで指摘されている昨今、歌詞に出てくるがさつな事例に「あれ?私のこと?」なんてハッとする女性も多いのではないだろうか。

 この曲で描かれている女子は、《洗濯(の)山から靴下掘り当て》履くのが常習。《雑誌は部屋の隅でバームクーヘン》状態に積まれ、その部屋に《ゴミ箱はないわ》と開き直る。がさつ女子はドアを足で締めちゃう、なんてよく言われるが、この子はお風呂も《生足で判定 お湯加減》。インスタントラーメンを鍋のまま食べるのもがさつ「あるある」だが、この子は箸を使うのも面倒なようで《豆腐はスプーンですくって食す》という強者だ。自分がオフの日にたまに作る彼氏への弁当も中身は《冷凍食品チンしてポン!》。その弁当箱は《食べたら洗ってね》と笑顔で送り出し、自分は二度寝。起きて、溜まった掃除や洗濯をするのかと思いきや、友達からの《突然の電話にほっぱらかして》出掛けちゃう、自分に《甘々がさつガール》なのだ。

 ちなみに、ひとり暮らしをしている20代〜30代前半の働く女性に聞いたアンケート調査(マイナビウーマン)によると、洗濯の頻度は「週2~3日」が最多で47%。「週1日」という人も約20%いる。掃除は「週1回」が約40%で最多。2週間、もしくは2週間以上に1回という人も合計で約14%いる。会社で朝から晩まで働いて、ときには男性社員並みに残業するんだもの、やはり掃除や洗濯は休日にまとめてというパターンが多いのだろう。洗濯物も溜まるし、洗ってない食器も溜まる。床のホコリも、出し忘れたゴミも、溜まる、溜まる。オマケに会社でストレスも溜まる。とにかくいろいろ溜まってるんですね、OLさんは。

     
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