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レジーのJ-POP鳥瞰図 第2回

チャットモンチーからShiggy Jr.に受け継がれたものとは? ガールズロックの系譜をたどる

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『共鳴』に見るチャットモンチーの進化

 5月22日のミュージックステーションにて、AKB48やE-girlsに混ざってパフォーマンスを披露したチャットモンチー。恒岡章(Hi-STANDARD、CUBISMO GRAFICO FIVE)と下村亮介(the chef cooks me)という昨年から時間を共にするサポートメンバーを従えてダイナミックなロックナンバー「こころとあたま」を演奏する橋本絵莉子と福岡晃子の姿は、もはや「えっちゃん」「あっこちゃん」と気安く呼ぶのをはばかられるような神々しさに溢れていた。

 「こころとあたま」も収録されているチャットモンチーの最新アルバム『共鳴』には、ヒップホップ調の「ぜんぶカン」や、「バスロマンス」あたりでも垣間見せてきた歌謡曲的なセンスをより前景化させた「最後の果実」、シャッフルのリズムに可愛らしいコーラスワークと鍵盤が印象的な「いたちごっこ」など、ロックバンドという枠には収まり切らないバラエティ豊かな景色が広がっている。「徳島出身のキュートな女の子」というプロフィールで世の中に登場した彼女たちは、この作品で「性別も年代も関係ない音楽家」としての地位を明確に獲得したと言えるのではないだろうか。

 本作をリリースするまでの数年間は、チャットモンチーにとって激動の季節だった。メンバーの脱退、2人だけでの再出発、橋本の入籍・妊娠による活動ストップ・・・チャットモンチーはどうなってしまうのか、多くの人が不安に思ったはず。ただ、『共鳴』を聴く限りでは、一時的な活動の停止がちょうど良いリセットになったのかもしれない。様々なサポートメンバーとの化学反応が楽しめる今作からは、「2人だけがチャットモンチーだ」というプライドの裏側にある意固地さではなく「2人がいれば誰と何をしてもチャットモンチーだ」という軽やかな開き直りが感じられる。『共鳴』を作り終えた現在の心境について、福岡はこう語っている。

 「今は、周りの人にも「こんなことやれば?」とかいろいろ言ってほしいなって思います。そしたら「おっ、それいいね」って思える感覚が、昔は絶対になかったけど今ならある。「3ピース以外でやりません!」って感じのときもありましたからね。今は楽しそうって思ったらなんでも食いつくし、なんでもやってみたい。」(CINRA 2015/5/30 チャットモンチー、バンド消滅の危機もあった10年を振り返る)http://www.cinra.net/interview/201505-chatmonchy

 おそらく、今作を経てチャットモンチーは「狭義のロック」に縛られない様々な形のポップミュージックのあり方を提示し続けるアーティストになるのだろう(くるりやクラムボンのあり方に近いのかもしれない)。この進化は非常に頼もしくわくわくするものだが、少し見方を変えると彼女たちがこれまで担ってきた「ガールズロック」の中心地にぽっかり空洞が生まれることを意味している。

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