>  >  > SCANDAL『HELLO WORLD』ライブレポ

冬将軍がキャリアとスタンスを分析

SCANDALはなぜガールズバンドの頂点に? 音楽を楽しむ姿勢に徹した「ワールドツアー2015」レポ

関連タグ
SCANDAL
J-POP
ROCK
ライブ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
150424_scandal_1.jpg

 国内31公演、海外10公演、全9カ国に渡る、SCANDAL WORLD TOUR 2015『HELLO WORLD』。今年1月より幕開けたこのツアーも国内の終盤戦、ちょうど30本目にあたる東京国際フォーラム2daysの最終日(4月12日)は、詰めかけた5000人のファンの歓声とともに、大団円を迎えた。

150424_haruna.jpg

HARUNA(Vocal & Guitar)

 「さっきのアンコール、すごく嬉しかったです!」と、HARUNA(Vo.&Gt.)が嬉しそうに応える。この日のアンコールを求める声は、本編でも会場の一体感が最高潮に達した「Your song」のサビでのレスポンス〈Wow Wow〜〉という大合唱だった。本ツアー中、HARUNAが発信していたTwitter上での発言が頭をよぎる。「そういえば、今日みんながアンコールしてくれるとき、手拍子だけでしてくれてたのがすごい好みだった。声出さないやつ。偉そうにごめんよ。」思わず出た素直な言葉だったのだろうが、対するファンなりの返答として、自然発生による大合唱が生まれたのだろう。SCANDALとファンの信頼関係を垣間見た一幕でもあった。それは終演後、BGM「夜明けの流星群」が流れる会場内で、ライブの余韻に浸るよう、各々の思いで盛り上がるファンの姿にも表れていた。

 今や日本を代表するガールズバンドとなった、SCANDAL。“楽器に触れたことのない子たちがバンドを組んだ”という、通常のロックバンドとは異なる結成経緯は、時に偏見を招くこともあっただろう。だが、その特異な経歴ながらも、ここまでたどり着いたのは、ただ“ポップな女の子たちが激しいロックをやる”というアイコン的存在だけでは収めることのできない、ロックバンドとしての実直な姿勢があったからに他ならない。行き詰まった気持ちを打破してくれるような、そんな彼女たちの魅力に改めて気づかせてくれた夜だった。

 “HELLO WORLD”の赤いネオンサインが目を引くステージセット。上部にはシャンデリアが飾られ、下手にソファーラウンジ、上手にはバーカウンターが設置されている。英国パブをモチーフとした巨大移動型ライブパブだ。マスターが蓄音機に針を落とし、ジャズのBGMに合わせてメンバーが登場する。「love in action」の印象的なイントロのリズムで、口火を切った。中田ヤスタカプロデュースの「OVER DIRVE」、そしてデビュー曲「DOLL」と続き、タオル回しで会場が一体となり、序盤からボルテージは最高潮に。

150424_rina.jpg

RINA(Drums & Vocal)

 本ツアータイトルでもあるアルバム『HELLO WORLD』は、セルフプロデュース色を強めた作品であると同時に、今までとは一味違ったサウンドだった。バンドの持つ可能性を、自然と音にのせて開放していくような拡がりを見せている。それはライブにおいても感じることが出来た。特にグッと重心を低く構えたリズム隊は特筆したい。鮮やかな青のジャズベースと硬派な黒いプレシジョン・ベースを巧みに使い分け、甘い歌声からは想像もつかないうねりをあげるグルーヴをはじき出し、柔よく剛を制すTOMOMI。倍音を強調したハイピッチなスネアドラムが多い現在のJ-Rockシーンにおいて、心地よく図太いビートを響かせるRINAのようなドラマーも珍しい。髪を振り乱しながら、あでやかに舞うドラミングは、バンドのアンサンブルを司ることはもちろん、オーディエンスの熱気さえも操っているかのようである。これだけ“魅せる”ことの出来るドラマーはそうそう居ないだろう。躍動溢れるリズム隊が要となり、2本のギターが絡み、歌が乗って、スリリングなアンサンブルを生み出す。少しテンポを上げた「瞬間センチメンタル」、そして「お願いナビゲーション」で、捲し立てるように高揚感を煽っていく。

     
  • 1
  •  

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版