セカオワ、三代目JSBがカラオケチャートも席巻 ドラゲナイ現象&カラオケEDM旋風を読む

20140122-sekaowath_.jpg
SEKAI NO OWARI『Tree』(トイズファクトリー)

参考:2015年1月26日~2015年2月1日のCDアルバム週間ランキング(2015年2月9日付)(ORICON STYLE)

 今年の頭に書いた【2015年、セカオワ現象はどこまで広がるか? 2年半ぶりのアルバム『Tree』の射程距離】で手前味噌ながら完璧な予測をした通り、2010年代以降の若手バンドにとって大快挙となる50万枚突破に向けて順調にセールスを積み上げている(現在のところ40万枚突破)SEKAI NO OWARIが今週3位。もっとも、バンドにとっては大快挙であるその50万枚という数字に初週でいとも簡単に到達してしまったのが、今週1位の三代目J Soul Brothersの5枚目のオリジナルアルバム『PLANET SEVEN』ということになります。実はSEKAI NO OWARIと三代目J Soul Brothersは2010年デビューの“同期”。同じ“大快挙”でもバンド系とJ POP系の瞬発力の違いを見せつけられた感もあります。

 今回注目したいのは同じオリコンチャートでも、アルバムチャートではなくカラオケチャート。というのも、2月9日付けの最新チャートで約10ヶ月ぶり(!)に大きな動きがあったのです。先週まで39週連続1位(!)を記録していた松たか子の「レット・イット・ゴー~ありのままで~(日本語歌)」を抜いて1位となったのは、なんとあの「ドラゲナイ」ことSEKAI NO OWARI「Dragon Night」。このオリコンのカラオケチャート、各カラオケ配信業者のチャートを集計して算出するため2週間ほど時差があるらしいですが、つまり2015年1月半ばにこの国では正式に「アナ雪現象」が終わって、「ドラゲナイ現象」が始まったというわけです。

 これ、別に大げさに言ってるわけじゃないですよ。カラオケチャートというのはある意味でシングルチャートやアルバムチャートよりも正確に時代と大衆の需要を反映しているもの。ちなみに、昔はわりと頻繁に1位が入れ替わっていましたが、近年ではAKB48「ヘビーローテーション」が43週連続1位(!)、ゴールデンボンバー「女々しくて」が48週連続1位(!)、AKB48「恋するフォーチュンクッキー」が34週連続1位(!)と、いい加減「!」をつけるのも飽きてきましたが、同じ曲がほぼ1年近く1位を独占するのが常態となっているのです。このことが示しているのはたった一つの由々しき事実。「一般の人がCDを買ったり、新しい音楽トレンドを追ったりすることがなくなった」(=なので新曲を歌うという習慣がなくなった)ということに尽きるわけですが、なんとSEKAI NO OWARIはその土俵にまで上がってきたというわけです。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「チャート一刀両断!」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる