清木場俊介、10周年ライブで見せた“唄い屋”の底力 ソロキャリアを振り返るMCも

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 清木場俊介のライブツアー「ROCK&SOUL 2014 "MY SOUNDS"」のツアーファイナルが、12月14日に東京国際フォーラムホールAにて開催された。

 同ツアーは、今年ソロデビュー10周年を迎える清木場がバンド編成で披露するロック色が強いライブで、ホールにはファンクラブの会員である「清木場組」のTシャツを着た観客の姿が目立つ。会場の明かりが消えるとファンからは清木場コールが自然とわき起こり、ステージ奥のスクリーンには2005年のソロ活動開始時からの映像が流れ、ライブへの期待が高まる。ギター×2、ベース、ドラム、キーボード、そしてサックスという編成のバンドが登場し、ドラマチックなイントロを開始すると、黒のジャケットに皮のパンツ、そしてえんじ色のTシャツというシックな装いに身を包んだ清木場がいよいよステージに登場。1曲目「Pieces」でその伸びやかな歌声をホールに響かせた。

 その後、ミドルテンポのロックナンバー「REAL」や、ギターソロが悩ましい「悲しきRock'n Roll」、語りかけるように歌う「Again」など、“唄い屋”清木場の実力を存分に発揮したナンバーが続く。熱いファルセットに熟れたマイクさばき、そして清木場らしいメッセージ性の強い歌詞が、ホールに一体感をもたらす。

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 「けっこう暗めの曲なんですけど、寝ないように」とMCで冗談を挟んだ後は、しっとりとしたバラードコーナーへ。「愛してたはずなのに」「幸せな日々を君と」「Honey」「Dear」と、大人の恋愛を綴った曲を次々と披露し、女性ファンを喜ばせた。

 そして、懐かしの一曲としてソロデビュー後、初となったシングル曲「人間じゃろうが!」を披露。当時の心境がこもったメッセージソングを、熱く歌い上げた。活動10年、いまやすっかりソロのロックシンガーとして、多くのファンに恵まれるようになった清木場だが、その道は決して平坦ではなかった。EXILEのシンガーとしてスターダムに駆け上がり、ミリオンセラーや紅白出場を決めるなか、2006年に清木場はあえて脱退することを選択。今振り返ると、王道的なロックミュージックを志向する清木場にとって、EXILEとは異なる道を進むことは必然だったのかもしれない。清木場はMCで「本当の自分ではないイメージが大きくなって、すごく怖くなった」と、その時を振り返った。また、オールディーズの雰囲気が漂うスタンダードなロックンロールでの再出発に、ファンは戸惑いを隠せず、当時はタイトルも含め「よくわからない」と評されることも多かったと語った。しかし清木場はソロデビュー後、ライブ会場での活動を軸に展開し、着々と支持を獲得。ファンとともに現在の温かな空間を作り上げていったのだ。今年、初めてハイタッチ会に挑戦したエピソードを、冗談まじりに話す清木場はとても楽しそうだ。ファンと密なコミュニケーションが取れていることが、佇まいからも伝わってくる。

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