THE ポッシボーが中野サンプラザ単独公演　セットリストから8年間の活動を辿る

2011年

　盟友のキャナァーリ倶楽部が、この年の5月に実質上の活動休止状態となってしまう。この頃のポッシボーは、ライブアイドル的なミニライブ主体の活動を行っていた。10月には「ポッシボーあと半年か!?」という号外チラシをライブ会場で配布し話題を呼ぶ。11月には、ライブ会場限定シングルシリーズの1枚目「幸せ花火ゴッゴッGOーッ！〜ぶちのめせ！大ピンチ！〜」を発表。現在の状況へ繋がっていく、ポッシボーの「V字回復」への助走を始めた時期と言っていいだろう。この年の春に結成されたアップアップガールズ（仮）との初のジョイントライブが開催されたのもやはり11月だった。

＜2011.08.24　O.S.T.『みんなのリズム天国全曲集』収録＞
08. 僕らの世代！（オリジナル：ナイスガールトレイニー）／ナイスガールトレイニー
作詞・作曲：つんく　Rap詞：U.M.E.D.Y.　編曲：大久保薫

2012年

　ライブ会場限定シングルを前年に引き続きリリース、さらに8月にはビクターエンタテインメントと新たに契約し、シングル「なんじゃこりゃ?!」を発売。これらの楽曲すべてを手がける本上遼による熱さと遊び心が同居したポジティブ・サウンドと、地道な活動を重ねそのポテンシャルを成長させてきたポッシボーが出会うことにより、相乗効果が爆発し始めたのがこの年だろう。

＜2012.01.15　ライブ会場限定シングル（2013.02.20　ベストアルバム『あらためまして、THE ポッシボーです！〜入門編ベスト〜』収録）＞
15. 希望と青春のヒカリ
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

＜2012.08.29　メジャー6thシングル＞
14. なんじゃこりゃ?!
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

＜同c/w＞
17. 永遠ファイヤーボール！
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

2013年

　ビクターエンタテインメントによる新レーベル「VERSIONMUSIC」が発足、その第1弾アーティストとしてポッシボーがシングル「全力バンザーイ！My Glory！」をリリース。今回の中野ライブでも観客総出による「バンザーイ！ジャンプ」は圧巻の一言だった。続いてのシングル「乙女！Be Ambitious！」のc/w曲「さくら」の楽曲提供を受けた縁で手島いさむとの交流が始まり、お互いのライブへのゲスト出演などが見受けられる。

＜2013.04.10　メジャー7thシングル＞
22. 全力バンザーイ！My Glory！
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

＜同c/w＞
16. さぁ来い！ハピネス！
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

＜2013.09.11　メジャー8thシングル＞
03. 乙女！Be Ambitious！
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

＜同c/w＞
18. さくら（with 澤田昭子・手島いさむ）
作詞・作曲：TESSY　編曲：多田三洋

2014年

　今年2014年初頭には、シングル表題曲を候補6曲の中からファン投票で決めるという企画を実施。表題曲は「勇気スーパーボール！」に決まり、他の候補曲はカップリング収録されることとなった。また、9月にはオリジナル・フルアルバムとしては3作目となる『1116』をリリース。今回のライブツアーのセットリストは、このアルバムに収録された新曲5曲および「勇気スーパーボール！」関連の6曲がすべて含まれており、2014年現在のポッシボーを体現する内容だったということがわかる。
　今回の中野で初披露された新曲「ふらちMistake」は、あっきゃんソロによるアダルティーなナンバー。男性バックダンサー二人を従えた扇情的なパフォーマンスで会場を沸かせた。

＜2014.03.26　メジャー9thシングル＞
21. 勇気スーパーボール！
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

＜同c/w＞
13. Do Me! Do!
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

05. 人生はパーリィー！だぁー！（with 大谷雅恵・手島いさむ）
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通、手島いさむ

07. 幸せの天秤
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

12. Nasty!
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

02. 全力で愛して…ねッ！
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

＜2014.09.03　3rdアルバム『1116』収録＞
19. りぼん（with 澤田昭子・手島いさむ）
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

06. Lovely!Lovely!
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

01. なんかすんごい事もできそーだぞーう！
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

04. 恋がダンシン！（with 大谷雅恵）
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

24. 愛しさを束ねて
作詞・作曲：本上遼　編曲：本上遼、原田勝通

＜2014.11.16初披露新曲＞
10. ふらちMistake

　以上、THE ポッシボーのこれまでの歩みを、ライブの見どころと重ね合わせて振り返ってきた。あるいは活動8年間の集大成的な内容になってもおかしくないタイミングでの公演だったが、実際にはあくまでツアーの千秋楽であり、現在進行形のポッシボーを魅せるという前向きな姿勢を感じさせるライブだった。終盤のMCではロビンから「ポッシボー、まだまだ進化していくんで、皆さんこれからのポッシボーも楽しみにしていてください。来年は絶対、武道館行くよー！」という言葉も飛び出した。彼女たちの勢いはまだまだ止まらなさそうだ。

■ピロスエ
編集およびライター業。企画・編集・選盤した書籍『アイドル楽曲ディスクガイド』（アスペクト）発売中。ファンイベント「ハロプロ楽曲大賞」「アイドル楽曲大賞」も主宰。Twitter

（写真＝菅沼剛弘）