GAGLEの新MV「iPhone6空を飛ぶ」はこうして制作した MC HUNGERがドローン空撮方法を解説

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ドローンをセットするHUNGER。

 仙台在住のHIP HOPグループ・GAGLEが、iPhone6をドローンに取り付けて空に飛ばし、撮影したMVが注目を集めている。空撮されたiPhone6の画面の中で、MCのHUNGERがラップを披露する映像が印象的な同映像作品は、どんな経緯で生み出されたのか。HUNGER本人がコメントを寄せてくれた。

GAGLE - iPhone 6 空を飛ぶ

ーー今回、iPhone6をテーマに曲を作った理由はなんですか。

 一番最初のきっかけはiPhone4発売のときです。ラップは1曲に対して歌詞の文字数が多く、その特徴を活かす可能性を探っていたときでした。iPhoneをネタに曲書いたら単純に面白そうだし、曲を聴きながら機能を知ることは楽しいことんじゃないかなと思って。それ以来、アップル社がiPhoneの新作を発表するごとに、知り合いやファンの人がざわめき始めてくれて、リクエストがいたるところからあがってくるんです。自分らとしても、満更ではないので一興かます、という感じです。

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撮影は地元、仙台市にて行われた。

ーードローンでの空撮というアイデアはどういった経緯で思いついたのですか。

 「聞えるよ」のPV以来、ドローン+GoProの空撮ごっこはインスタグラムでアップしたりして楽しんでいました。最初はiPhone 6の画像の中に空撮映像とリップシンクを混ぜたような、わりと高級感を感じさせるスタンダードなPVでいいかなと思っていたんですが、いざやるとなると全然物足りなくなってきちゃって。バイク撮影の機材をアマゾンでゲットしたり、数字の6を書いてる公営住宅や道路標識で撮ろうとか、いろんな試行錯誤を経て、チープさと面白さを考えた結果、最終的にゲットしたばかりのiPhone 6ごと空に飛ばしちゃおう、と。安定感のあるブランドの釣り糸をホームセンターで購入し、信頼のおけるDIY職人に並行調節などしてもらって仙台市内、近所から仙台港まで飛ばしました。操縦は自分です。世界中でも例のないことだから、最初飛ばすときは「iPhoneが落ちたら……」「ドローン 墜落したら……」という不安もありましたが、そこは自分の腕とDIY職人を信頼しました。

 ちなみにiPhone内のリップシンク映像を2倍の速さに再生して空撮しています。それで空撮を終えた編集のときに、1/2の速さに変えているんです。そうすることで、iPhone 6の中のスピードは元通りで、背景のスピードは1/2にが変わる。iPhoneの中の映像はリアルなスピード、現実の世界は遅い。つまり進化の速さを表現したかった……といえばかっこいいですけど、実際問題、空撮技術は上がったとはいえ、ドローンの映像は編集で1/2の速さにしなければ、ブレが大きくてあまり映像作品として楽しめないんですよね。

 朝〜昼に撮った映像は全滅でした。ドローンを飛ばしてカメラを真下に向けてiPhoneを撮影してるため、太陽の光を受けやすかったんです。でもiPhone 6だから撮れたというか、太陽光に対してもディスプレイはしっかり魅せてくれるようになって、夕方には予想以上に映像も背景も、くっきり写ってくれました。

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ドローンにはしっかりiPhone6がぶら下げられている。

ーーiPhone6はどんなところが魅力ですか。

 なんだかんだ言って、充電の持ちやネットのスピード、操作に対してのストレスが軽減されていくことが一番うれしいですね。あと薄さと軽さとデザイン性。感触が柔らかく、サイズは大きくなったとはいえ、質感は前よりちょっと女性的な感じがします。

ーー最後に、楽曲の聴きどころを教えてください。

 歌詞はもちろんのこと、さりげなく、DJ MITSU THE BEATS的ではない、GAGLEでも今までになかったサウンド作りが始まっています。映像に引っ張られがちですが、GAGLEのテッキーな新機軸を垣間見られるかと思います。

(構成=編集部)

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