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柴那典が稀代のシンガーの「今」を分析

Coccoの歌声はなぜ“気迫”に満ちているのか 新作『プランC』と舞台活動から探る

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 Coccoが、通算8枚目のアルバム『プランC』をリリースした。

 バレエ用語で「繋ぎ・間」を意味する言葉をタイトルに冠したミニアルバム『パ・ド・ブレ』を今年3月にリリースしたものの、フルアルバムとしては本作が約4年ぶりのリリースとなる。その間、Coccoは、エッセイ集や個展の開催、映画や舞台への出演と、その活動の幅を音楽だけでなくカルチャー全体に広げていた。その一方、ライブ活動はほとんど行わず、フェスへの出演やメディア露出などもかなり少なくなっていた。

 それでも、ニューアルバムを聴けば、Coccoの歌が持つ生来の“気迫”のようなものがありありと伝わってくる。聴き応えこそポップな仕上がりだが、声に宿る無類の力強さと繊細さは変わっていない。そして新作は、ここ数年の活動がきちんと結実した一枚にもなっている。

 そのキーポイントになっているのが、演技への挑戦だ。

 今年1月には主演をつとめた舞台『ジルゼの事情』が公開され、9月には好評につき規模を拡大して再演も行われた。Coccoにとっては初の舞台出演となったが、沖縄芝居の第一人者として知られる真喜志康忠を祖父に持つ彼女にとって、舞台俳優としての道はずっとイメージしていたものでもあったはずだ。

 そしてもう一つが、『ジルゼの事情』でも大きなモチーフとなっていた、バレエへの愛情だ。舞台の脚本と演出を担当したのは劇団鹿殺しの丸尾丸一郎だったが、古典バレエ『ジゼル』を原案にした舞台を行うというアイディア自体はCocco自身が持ちかけたものだったという。Coccoがバレリーナに憧れて育ってきたというのは、よく知られた話。歌手ではなくバレエのオーディションを受ける中でふと応募した音楽オーディションをきっかけにデビューして今に至るというキャリアの持ち主でもある。『ジルゼの事情』で彼女が演じた主役・汁是優子も、やはりバレリーナに憧れて少女時代を過ごした背景を持つキャラクター。クライマックスでは白いドレスをまとって劇中歌「ドロリーナ・ジルゼ」を朗々と歌い、そして舞台中央でバレエを舞っていた。今年2月、ここ数年では彼女の数少ないライブの機会となった「ビクターロック祭り」のステージでもこの「ドロリーナ・ジルゼ」は披露され、そこでもCoccoは軽やかなステップやスピンを見せていた。

Cocco - ドロリーナ・ジルゼ【Music Video (Short Ver.)】

     
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