RIZEのKenKenらも注目する打首獄門同好会 “生活密着型ラウドロック”のルーツと魅力とは?

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 打首獄門同好会が、10周年記念ベストアルバム『10獄~TENGOKU~』を8月20日にリリースする。
 HR/HMのヘビーなサウンドに、うまい棒やラーメン二郎、『水曜どうでしょう』など多くの人が共感できる歌詞を乗せ、“生活密着型ラウドロック”をキーワードに活動するスリーピースバンド・打首獄門同好会。その彼らが結成から10年の活動を続け、現在、RIZEのKenKenをはじめに多くのバンドからも注目を集めているという。大澤敦史(Gu)に彼らのルーツを聞くとともに、歌詞、サウンド面から魅力を探った。

「好きなものを好きなように歌えばいいやっていうところから、今の形ができあがった」

――そもそも、結成にはどのようないきさつがあったのですか?

大澤:もともと最初に組んだ3人は、全員同じ音楽学校の出身者だったんですね。で、全員楽器専門だったので、誰もボーカルをとったことがなかったんですけど、とりあえずバンド組もうぜって始まって……で、一回ベースが抜けて、新しいベースが入って、今の3人体制になったという感じですね。

――その頃から、今のような音楽性だったのですか?

大澤:まあ、そうですね。結成していちばん最初に作った曲が、朝飯の歌(「Breakfast」)だったので。それからずっと食べ物の歌は作っているから、あんまりブレてないですね。

――何でまた朝飯の歌を。

大澤:3人とも楽器の専門だったから、ボーカルの志望者が誰もいなかったわけですよ。で、ボーカル探すのがもう大変で……だったら自分で歌ったほうが早いやっていう安直な考えから、俺がボーカルを始めたので、要はボーカリストとしてのルーツがまったくなかったんです。

――なるほど。

大澤:だから、歌詞って言われても、作ったことないしなあっていう。でまあ、「遊び半分で、いいんじゃね?」みたいな軽いノリで作ったのが、その朝飯の歌で。一応、真面目な歌詞も作ってみたんですけど、遊び半分の歌と真面目な歌の両方をライブでやってみたところ、どうも客の受けは、遊びの歌のほうが良くてですね。それでだんだんそっちにシフトしていって、気がついたらそれ一色になっていたという。

――それ一色に(笑)。

大澤:結局、メンバー3人とも洋楽を聴いて育ってきたから、日本語歌詞の方向性みたいなものに対して、そんなに強いこだわりもなかったんですよね。ベタにラブソングを歌うとか、みんなを元気づける曲を歌うとか、そういう志もなくて。もうどっちかっていうと、自分の好きなアレンジで音を出すとかっていうほうに、強いこだわりを持っていたというか。

――その洋楽っていうのは、やっぱりハードロックとかラウド系の?

大澤:ですね。うちのドラムはマリリン・マンソンが大好きだし、ベースはKORNとか大好きで。で、俺もシステム・オブ・ア・ダウンとかすごい好きだったので、結局重かったり、アレンジがエグかったりとか、そういうのがやれたらいいなっていう。

――でも、世界観的なところは、そっちに寄っていかなかったんですね。

大澤:まあ、日本語でそれをやろうとしても、どういうふうにやるんだろうっていうのがあって。ビジュアル系的なものも、俺たちはちょっと違うしなあっていう。だからもう何でもいいみたいなノリから始めてみたら、俺たちも面白いし、客も面白がっているみたいだから、じゃあそれでいいわみたいな。で、だんだんそっちにエスカレートしていって、じゃあ好きなものを好きなように歌えばいいやっていうところから、そのときどきのマイブームがあったら、それを拾って歌にしていけばいいっていう、今の形ができあがっていって。

――マイブーム?

大澤:そう。俺のなかで空前のラーメン二郎ブームが巻き起こったとか、メンバー内で『水曜どうでしょう』ブームがあったりとか……そういうものを、もう歌にしちゃえばいいじゃんっていう。その悪ノリが、だんだん自分たちでも面白くなってきたんですよね。

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