>  > アンダーバーが語る、オリジナル志向の理由

『くぁwせdrftgyふじこlplp;@:「どうも__(アンダーバー)です。」(仮)』インタビュー

__(アンダーバー)が語る、ネットの変化と新作のコンセプト「ニコニコの時の流れだけやけに速い」

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 既存のボーカロイド楽曲を大胆にアレンジして歌う「フリーダム」と、オリジナルソングをしっかりと歌い上げる「フツーダム」という2つのスタイルでの歌唱を特徴とする『ニコニコ動画』出身の歌い手__(アンダーバー)。彼が7月9日に3rdアルバム『くぁwせdrftgyふじこlplp;@:「どうも__(アンダーバー)です。」(仮)』(通称:ふじこ)をリリースする。__(アンダーバー)の「歌ってみた」動画は、累計3000万回以上の再生数を誇り、Twitterのフォロワーも31万人以上、幅広い層から支持を集めている人気の歌い手だ。今回リアルサウンドでは新作に関するインタビューを実施。オリジナル曲志向を強めた理由や、彼自身の音楽的ルーツ、さらには近年の『ニコニコ動画』の歴史や変化についても語ってもらった。

「純粋な笑いをみんなと一緒に楽しみたい」

――『くぁwせdrftgyふじこlplp;@:「どうも__(アンダーバー)です。」(仮)』(通称:ふじこ)は、オリジナルとボカロカバーが収録された初の2枚組CDです。それぞれ性格の異なった力作ですが、今回2枚組にした経緯は?

__(アンダーバー):1stアルバムの『フツーバム~フツーダムに歌ってみた~』と、ボカロカバーアルバムの『フリーバム~フリーダムに歌ってみた~』をリリースしてきた僕にとって、今作は分岐点になると考えているんです。というのも、僕は自分の世界観を表現したくて、オリジナルをやっていきたいと思っていて。でも今までボカロ中心で活動してきた分、なかなかオリジナルは受け入れられづらいところがあったんですね。だからこれまでのボカロカバーでの活動も踏まえつつ、自分の思いも表現するために、思い切って2枚組にしました。

――そのオリジナルでは曲ごとに世界観を作り上げ、いろんな作曲家の方とコラボレーションしていますね。

__(アンダーバー):はい。__(アンダーバー)には、「アンダーバー星に住むアンダーバー王が、国の繁栄のために地球を侵略しにきている」という設定がありまして(笑)。このオリジナルはその始まりという位置づけかなと思います。アンダーバー王が、宇宙船で地球に落ちてきたところからスタートして、アンダーバー王が地球の人間のなかにひっそり潜みながら侵略していく。作曲家さんたちとのコラボレーションはその侵略が形になっていることを表しているんですね。でも侵略って言うと少し恐いので、洗脳っていう感じですね。__(アンダーバー)は人間のなかにひっそり潜みながら、人々の心を楽しませて洗脳していくことを大切にしています。

――「人々を楽しませたい」というコンセプトが生まれたきっかけは?

__(アンダーバー):将来も見えないし、自分の信じてきたものは本当にこれでいいんだろうか、とかすごく疑ってしまう時期が僕にはあって。それと同じように辛い思いをしている人たちも見てきて、そんな人たちにどうにかできないかなって思ったんです。誰にも相談できなくて、辛いことがあっても、僕の曲で少しでも気晴らしになれば嬉しいんです。

――__(アンダーバー)の音楽は、ユーモラスというか、くすっと笑えるような表現をしていくのがひとつの特徴ですよね。

__(アンダーバー):純粋に何にも深いことを考えずに毎日楽しかった時期って小学生くらいだろうなと思うんです。小学生くらいの時って、下らないシモネタ……それこそウンコだとかで大爆笑してたじゃないですか。今となっては何が面白いのかさっぱり分からないんですけど、あの時の気持ちが一番大事なんだなというのが僕の中ではあって。だから、『フリーバム』では昔の下らない、純粋な笑いをみんなと一緒に楽しんでいけたらと思って、ボカロ曲をアレンジしたりしていました。

――『フリーバム』で表現していた“純粋な笑い”を、今作ではオリジナル楽曲にも出していくと?

__(アンダーバー):そうですね。例えば、「まじしゃんず☆さまー」とかも、彼女ができないうんぬん(笑)っていうのを大胆にのっけてみたりとか、すごく下らないんですが、どんどんそんな感じでやっていきたいですね。

――その「まじしゃんず☆さまー」はヒャダインさんの作曲ですが、今作で関わっている他の作曲家も含めて、どのように曲を作っていったのですか?

__(アンダーバー):一曲ごとの、はじまりから終わりまでのメインストーリーを全部まとめて作って、その曲を作者さんごとに分けてお願いした、という感じです。「まじしゃんず☆さまー」に関しては、思い通りのものが来た!っていう感じでしたね。ヒャダインさんはやはりずっと作曲をされてきた方なので、イメージ通りのものを作成していただいてすごく感謝しています。詞もすごくのっけやすかったです。

――コンセプトをしっかり固めて作った初のオリジナルアルバムを制作して、見えてきたものはありましたか。

__(アンダーバー):今までいつかオリジナルをやっていきたいと思っていた分、自分のなかでは意外とスムーズにできたかなと。一回目にしては良いものができたなと思えたので、今後作っていくアルバムもかなり良いものにできそうかなっていう手応えも感じています。

――溜まっていた表現衝動を出したという?

__(アンダーバー):そうですね。それで聴いていただいて楽しんでくれるのが一番なんですけど、そのなかに隠されたコンセプトというか、「フリーバム」もそうなんですけど、根底は暗~い気持ちから作っていることがほとんどなので(笑)。そういうところも感じてもらえたらと思います。


――非常に多様な音楽的なルーツが見え隠れする作品でもあります。

__(アンダーバー):物語性や歌もあり、演技もありっていうところで、大きな影響を受けたのはSound Horizonさんですね。それからフリーダムのバックボーンになっているといったら、これは初めて言うかもしれないですけど、「ボボボーボ・ボーボボ」っていうマンガ。本当にくだらないというか、つじつまの合わないもの、そんな展開、勢い、ゴリ押し感から影響を受けています。Sound Horizonさんのような真面目な世界観もありつつ、「ボボボーボ・ボーボボ」のようなアホみたいな世界観で、面白いのにどこか物悲しい、心に刺さるところがある、ということを感じてほしいですね。そんな二面性が「フツーダム」と「フリーダム」なのかなって思います。

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