ニコ生ユーザーが見出したflumpoolの魅力は? 「証」の歌詞に圧倒的支持  

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 5月21日に初のベストアルバム『The Best 2008-2014 「MONUMENT」』をリリースするflumpoolが、ニコニコ生放送で特別番組「flumpoolベストアルバム発売記念~ユーザーアンケートで作るflumpool全曲ランキング~」を4月13日に配信した。番組では、最新曲「明日への賛歌」「ビリーバーズ・ハイ」を始めオリジナル楽曲66曲を一挙放送した他、ユーザーアンケート機能を使ってflumpoolの楽曲イメージランキングを決めるというニコニコ生放送ならではの企画も実施。「歌詞が好き」「メロディラインが好き」「サウンド(演奏)が好き」「曲の雰囲気が好き」という4つのランキングからは、ニコ生ユーザー目線でのflumpoolの魅力が浮かび上がった。

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 中でも注目したいのが、「歌詞が好き」ランキングだ。トップ5の「証」、「僕の存在」、「フレイム」、「どんな未来にも愛はある」、「大切なものは君以外に見当たらなくて」は、いずれも70%を超える高い得票率を獲得し、1位の「証」に至っては85.2%という驚異的なパーセンテージになっている。NHKの全国学校音楽コンクール・中学校の部の課題曲として書き下ろされた、抑揚の効いた力強いメロディーが印象的なバラード曲「証」は、flumpoolの代表曲の一つだが、メロディラインやサウンド、曲の雰囲気以上に歌詞が人気の理由にあることがランキングから分かる。“仲間”をテーマに作詞されたこの曲は、震災を受けて作られた前シングル「どんな未来にも愛はある」同様に前向きな思いと覚悟が描かれたナンバーで、よりダイレクトなメッセージを届けるバンドへと変貌を遂げようとする彼らの挑戦が、ファンに好意的に受け止められた結果とも言えるかもしれない。

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 また、その他のランキングは、シングル曲以外の楽曲が上位を占める、言わば「裏ベスト」的な選曲になっているのに対し、「歌詞が好き」ランキングの楽曲はベストアルバムの収録曲ばかりなのも興味深い。メロディラインやサウンド、曲の雰囲気ではユーザーの好みによって人気曲にバラつきがあるが、こと「歌詞が好き」に関してはファンの総意が表れているということだろう。そんな「歌詞が好き」ランキングが、卒業式の定番曲になっている「証」や、報われない恋を歌った「僕の存在」、孤独な旅路を照らす応援歌「フレイム」といった、けして順風満帆、万事ハッピーという状況ではないけれど、それでも信じるものを歌った曲であるということも特徴的だ。「笑って泣いて歌って 花になれ」(「花になれ」)と歌ってデビューした彼らだが、笑って咲く花になりきれていない自分に対するもどかしさを希望と共に歌うflumpoolの楽曲に、リスナーが自分を重ねているからこそ、こうした曲の歌詞に支持が集まっているのだろう。

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 一方、ベストアルバム『The Best 2008-2014 「MONUMENT」』に収録された新曲「明日への賛歌」は、自分を縛り付けてでも前進していくと歌った覚悟の歌だ。ありのままの自分を歌詞の中で曝け出して行こうとするflumpoolの挑戦が、ファンにどう受け止められていくか、注目したいところだ。なお、『The Best 2008-2014 「MONUMENT」』のリリースを記念したニコニコ生放送での特別番組は、5月に第2弾の配信が予定されている。
(文=大山貴弘)

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