グラビアとアイドルの境界線を飛び越える 「地下アイドル」の新しい表現のカタチ

 AKB48による日本初の全編水着仕様のMV「BABY BABY BABY」は、いままで暗黙の了解としてアイドル表現とグラビア表現を隔ててきた「見えない壁」を突破した映像作品だった。その後、彼女たちは最大のヒット作である「ヘビーローテーション」を筆頭に、水着姿や下着姿を大胆に披露するMVで、アイドルとグラビアの境界を曖昧なものにしてきた。その革新的なスタイルが彼女達の躍進を支えているように、10年代におけるアイドル表現は、アイドル的な不可侵さとグラビア的な生々しさをどう両立させるかが、一つのテーマとなっている。(参考:「地下アイドル」化するグラビアアイドルたち AKB48の水着パフォーマンスも影響か?

 欧米では「PIN UP GIRL」というカテゴリーに集約される、ガール(おんなのこ)自身の輝きをスチールに収めた表現が"グラビア"として、1970年代から紙媒体を席巻。いっぽう日本は、COOL JAPAN以前に「グラビアジャパン」として、紙媒体が他国に類を見ないほど先鋭的な「ガール表現」を牽引し、彼女達の魅力を伝えてきた。

 グラビア界は間口が広いがゆえにあらゆる魅力&才能を秘めた少女達が飛び込んでくる。そして「BABY BABY BABY」以降は、グラビア活動と並行して地下アイドル活動を行う少女達が増えることにより、彼女達の本当の魅力を伝える、グラビアとアイドルの壁を果敢に飛び越える素晴らしいアイドルグループが激増してきた。

 今回はそんないくつかのグループをご紹介したい。

圧倒的な「朝ドラ」ヒロイン感! 新原里彩率いるFineColor

 昨年爆発的なブームを巻き起こした「あまちゃん」の例を挙げるまでもなく、人気を誇る朝ドラのヒロイン像に必須なのは、少女的な「過剰性」といえよう。2012年にデビューしたFineColorの最大の魅力は、中心メンバーである新原里彩のリミットを超えた“朝ドラヒロイン系やりすぎ感”にあるように思う。すでに何作も発売されている彼女のグラビアイメージビデオ作品は、その瑞々しさをいかんなく発揮した素晴らしい作品ばかり。このおしらせMOVIEをご覧いただければ、その魅力はおわかりいただけるだろう。

「新原里彩」4月のビデオレター&三つのお知らせ。

 一番の特徴は笑顔200%、憂い顔200%、そして恥ずかしげな表情300%と、豊かすぎるその表情。全てのグラビア表現における彼女の無意識の過剰性=アイドル性には、とにかく圧倒される。

 そんな彼女のアイドル性が爆発するのがFinecolorでのステージ。楽曲はいまどきのツボを押さえた王道アイドルソングだが、まるでGMTにおけるアキのような新原里彩嬢の圧倒的な存在感によって、その地下的な空間が一気に華やいだパラダイスへと変換される奇跡の瞬間を体験することができる。定期的にライブをおこなっている彼女達のステージを是非体験していただきたい。

FineColor OFFICIALブログ

天然×天然=「ソフトレズ」? 高岡未來と香坂まやによる危ない女の子シスターズ

危ない女の子シスターズ / ココロノスキマ

 メンバーの高岡未來は2007年から、香坂まやは2010年からグラビアイメージビデオ活動も並行して行っている。10代後半といえば女の子が一番多感で変化していく時期なのにもかかわらず、そのイメビ作品における彼女達は一貫してマイペースで、デビュー時からほとんど変わっていない。いまだに素人っぽさが画面からにじみ出る秀逸な作品群は、不動の人気を誇っている。なぜ彼女達はその初々しさをキープできるのか? その秘密はブログからも垣間見れる二人の天然さ、ボケっぷりにあるのかもしれない。

 天然×天然、ボケ×ボケ、漫才コンビのようなお笑いにおいては禁断の組み合わせ。ツッコミ不在という関係性が、異形の表現を生み出す。まさに「ド天然」な二人の美少女が作り出す「禁断の花園」感が、危ない女の子シスターズの魅力である。

 彼女達のステージや最近の楽曲には、その特異なキャラクターを意識したように、一種独特な「匂い」のようなものが発揮されるようになってきた。女の子二人組であるがゆえに、古くはWINKのような、最近ではソチオリンピックの開会式に出演し
話題をふりまいたt.A.T.u.のような、「ソフトレズ」感が横溢しているのだ。元気や全力を売り物にする多人数ユニットが席巻する今だからこそ、そのプチ密室的な音とステージングに注目してほしい。

危ない女の子シスターズ twitter

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