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欧州ダンス勢が米チャート席巻 EDMが世界の音楽シーンに与えた影響とは?

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セカンド・サマー・オブ・ラブ
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 アメリカ(US)とヨーロッパ(特にUK)の音楽志向・嗜好については、常に比較され続けてきた。両者は、音楽的土壌や背景とジャンルの発祥や歴史など様々な要素が複雑に絡み合い、相互に影響を与えながらも、独自の音楽的哲学を保持してきたと言える。しかし、現在EDMの世界的波及により、徐々にその垣根はなくなりつつある。

 例えば、アメリカの音楽チャートの権威であるビルボード「HOT 100」でも、アヴィーチー(スウェーデン)やカルヴィン・ハリス(スコットランド)、ゼッド(ドイツ)といったクリエイターから、女性シンガーのエリー・ゴールディング(スクリレックスの元彼女としても知られている)らが席巻している。ヨーロッパのダンスアクト勢がビルボード・チャートにランクインすることはこれまでにもたびたびあったが、現在のようにチャート上位に複数が居座るということが常態化しているのは、非常にめずらしい現象だ。このようなチャートや現場の異変から今後のダンス・ミュージック・シーンを読み解いていきたい。

 誤解を恐れずにいえば、アメリカは「0から1」の新しい音楽ジャンルをクリエイトしてきた。ハウス・ミュージックはシカゴで産声を上げ、テクノはデトロイトで誕生した。ヒップホップでも同様のことがいえるだろう。またあくまで文脈で語れば、UKやヨーロッパは、逆にそれらの音楽を独自の解釈で咀嚼し、発展させてきた。シカゴ・ハウスは後にヨーロッパに持ち込まれ、1980年代後半に“セカンド・サマー・オブ・ラブ”という空前のレイヴ・カルチャーを巻き起こした。享楽的なサウンドとドラッグの多幸感が結びつき、イギリス各地で野外レイヴが開催され、それはヨーロッパ全土へ拡大する。良識的な市民から見れば、若者がやかましい音楽でドラッグをキメながら踊り狂っているのだから、放っておくわけもなく、国からの圧力・摘発が続き、徐々にムーヴメントは下火となり、クラブへと回帰していったのだ。

 その後、独自の発展を遂げ、把握しきれないほど細分化していったダンス・ミュージックは、デヴィッド・ゲッタに代表されるレイビーでキャッチーなエレクトロ・ハウスやダブステップから派生したブロウステップ、トランスなどの高揚感溢れるダンス・ミュージックの作り手たちが、アメリカのヒップホップ~R&Bなどのアーバン勢らと接触することによって、現在のEDMムーヴメントが隆盛を極めていった。

     
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