「Real Sound - リアルサウンド - 」創刊のご挨拶
本日7月22日、新しい音楽ニュースサイト「リアルサウンド 」をオープンしました。本サイトでは、"ホンネで音楽を楽しむリスナー"に向けて、人気アーティストの近況、リリース・ライブ情報から、独自の視点で深堀りするシーン・業界分析記事、さらには第一線の音楽ライターによる"本気"の作品レビューまで、みなさまの音楽生活をさらに楽しくするコンテンツをお届けします。
このサイトを始めたきっかけは、音楽をめぐるコミュニケーションのあり方や、ビジネスの環境が激変する中で、「新しい音楽メディアが必要なのでは?」と考えたからです。
歴史を少しさかのぼって説明しましょう。はるか昔より、一定の規模以上の音楽メディアは、収益の多くをレコード会社からの広告収入に頼ってきました。もちろん、その枠組みのなかで良質の音楽雑誌などがいくつも生まれ、多くの意義ある活動が営まれてきたことは事実です。それを否定するつもりはありませんが、いまや音楽界の市場環境が悪化する中で広告収入は徐々に低下し、音楽メディアの存立基盤は大きく揺らいでいます。
これまでのように広告収入には頼れない。ネット上では提灯記事はすぐに見破られてしまう。その一方、リスナーの間では、SNSなどを通したコミュニケーションが盛り上がっている――。そんな時代に、どのような音楽メディアが可能なのでしょうか。私たちが考えたのは、徹底して音楽ユーザー=リスナーのタメになる情報を発信し、かつ、ホンネで音楽の良し悪しを語り合える「批評の場」を生み出すことにしか突破口はない、ということです。
具体的には、「リアルサウンド」では作品レビューに点数制を導入し、各レビュアーが採点根拠を明示した上でズバリ採点します。掲載されるニュースやコラムについても、時にはミュージシャンにとって耳の痛い記事が出てくる可能性もあります。記事の掲載基準はひとつ。それがリスナーにとって有益かどうかです。
こうして生まれた「リアルサウンド」が、はたしてビジネスとして成立するかどうか。これは未知数としか言いようがありません。失敗して、負債が生じる可能性だってあります。けれど、私たちはチャレンジしてみる価値はあると考え、思いきって始めることにしました。"崖っぷちの音楽好き"が運営する「リアルサウンド」の今後にご期待ください。
リアルサウンド編集長/神谷弘一