富士通の因果AIが学生286人の嗜好からラガービールのレシピを生成 ハノイ工科大学が試験醸造

因果AIでビールのレシピ生成

 株式会社ヘッドウォータースとベトナム子会社のDATA IMPACT JOINT STOCK COMPANY(Data Impact)は9月9日、富士通株式会社およびハノイ工科大学(HUST)が進める「AIビール・プロジェクト」に参画し、食品・飲料テクノロジー分野の国際学会「SPISE 2026」において共同発表を行ったことを明らかにした。

 本プロジェクトは、富士通とHUSTが締結した協力覚書(MOU)のもとで進められているもので、AIによるラガービールのレシピ開発を通じて、因果AIの活用可能性を検証する取り組みとなる。発表テーマは「AIによるラガービールのレシピ開発 ― AI・研究開発・消費者インサイトを統合した学際的アプローチ」。

 これまでの取り組みでは、まずHUSTの学生286名を対象に、味の好みや飲用シーンなどに関するアンケートを実施。その結果を富士通の因果AIが解析し、2種類の試験醸造レシピを生成した。生成されたレシピをもとに、HUST食品工学科がラボスケールで試験醸造を行い、パネリスト68名による官能評価(味や香りなどを人が評価する手法)を7月までに実施したという。学生の嗜好データをAIが最適化し、醸造家が検証するという一連のプロセスが、今回の学会発表で体系立ててまとめられた。

学生の嗜好調査からAIでビールのレシピを生成する流れ
AIによるビールのレシピ開発の流れ

 Data Impactは、富士通の因果AIとHUSTの学術知見を実際の醸造現場に結びつける運営役として、製造パートナー企業との折衝や、アンケートから試験醸造、学会発表までのプロジェクト全体の調整を担っている。

 今後は8月から9月にかけて本格醸造を予定しており、10月15日に予定されているHUST創立70周年記念式典での披露に向けた準備が進められている。あわせてヘッドウォータースとData Impactは、フィジカルAIによる醸造プロセスの自動化についても検討していく方針だとしている。

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