豊洲にフィジカルAI開発拠点開設 2027年末に200台のヒューマノイドロボットを稼働へ

豊洲にフィジカルAI開発拠点開設

 国産ヒューマノイドAIロボットを開発するアトムが、東京・豊洲にフィジカルAIの学習データを生産する開発拠点「アトム フィジカルAIファウンドリ」を開設したことを発表した。

 本拠点では、自社開発のヒューマノイドAIロボットを用いて、多様な作業データの収集・生成から、AIモデルの学習・評価、実機による検証、機体の改良までを一体的に行う。約1,700㎡の開発空間に、今後200台規模のヒューマノイドAIロボットを稼働させ、累計30万時間分の学習データを生産する体制を構築する。実機から得られたデータをAIの学習と機体の改良に継続的に還元することで、AIとハードウェアを同時に進化させる垂直統合型の開発サイクルを加速し、2027年の自社開発ヒューマノイドAIロボットの市場投入を目指すという。

 アトムは、五本指・双腕・二足歩行のヒューマノイドAIロボットと、それを動かすフィジカルAI基盤モデルを、いずれも自社で開発している。世界で蓄積が進むロボットデータは二本爪のグリッパーによるものが主流となっており、指先が対象物にどう触れ、どの程度の力で保持しているかという情報を含まない。一方、製造や物流の現場で人手が最も足りていないのは、小さな部品をつまんで組み付けるような、力加減を伴う繊細な作業である。「アトム フィジカルAIファウンドリ」は、こうした製造現場でも実用可能なデータを収集する拠点として位置付けられている。

 本拠点は、計算資源を集約するだけでなく、実機を人が遠隔操作して現実の作業を実演し、そこで生じる視覚・触覚・力覚のデータそのものを生産する施設である。面積は約1,700㎡で、2027年前半には約1,000㎡を拡張し、約2,700㎡へと広げる計画。2027年末には常時200台のヒューマノイドAIロボットを稼働させる体制構築を目指す。

 また「ファウンドリ」の名称には、自社専用の施設にはしないという意味が込められており、データ生産拠点の一部を外部に開放・公開することで、日本のAIロボット産業全体の推進に貢献するとしている。あわせて、フィジカルAIを協力してつくる「データ収集連携パートナー」の募集も開始した。アトムは、本拠点で蓄積した基本動作のデータと現場投入のデータを組み合わせることで、世界トップレベルのヒューマノイドAIロボットの実現につなげる構想を掲げている。

■青木俊介(株式会社アトム 代表取締役社長)コメント
ヒューマノイドロボットの実用化には、AIとハードウェアのどちらか一方を磨くだけでは十分ではありません。実機から得られたデータをAIの学習と機体の改良へ還元し、改善したAIと機体を再び現実世界で検証する。この循環を大規模かつ高速に回す、垂直統合型の開発体制が不可欠です。

今回開設した「アトム フィジカルAIファウンドリ」は、ヒューマノイドAIロボットを賢くするためのデータを継続的に生産する、アトムの開発における中核拠点です。自社開発のヒューマノイドロボットを継続的に稼働させ、現実世界における多様な作業データを蓄積することで、世界で競争できる国産ヒューマノイドAIロボットの実現を加速してまいります。

ヒューマノイドロボットは、人手不足という社会課題を解決するだけでなく、日本のこれからの50年を支える新たな基幹産業になり得ます。日本が培ってきた生産技術・製造技術をAIと融合し、日本から世界で勝てるヒューマノイドロボット産業を立ち上げる。その実現に向けて、アトムは覚悟を持って挑戦を続けてまいります。

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