『NTE: Neverness to Everness』が大ヒット “アジア的オープンワールド”が拓く新時代を考える

Perfect World Gamesによる新作オープンワールドRPG『NTE: Neverness to Everness』が、4月29日に正式リリースを迎えた。
初日売上が約23億円を突破するほどのヒットを記録しているという同作だが、なぜここまで大きな成功を収めたのだろうか。本稿ではその“アジア的オープンワールド”の可能性に注目しつつ、今後のゲーム業界への影響を考えてみたい。
初日売上約23億円を突破 『NTE: Neverness to Everness』とは
同作はPerfect World Games傘下のHotta Studioが開発を手掛けた超現実都市オープンワールドRPG。ヘテロシティという都市にやってきた主人公が、不可思議な現象を巻き起こす「異象(アノマリー)」に対処していくというストーリーだ。
ゲームとしての特徴は、なんといってもオープンワールドならではの自由度の高さ。広々としたフィールドには近代的な都市の風景が広がっており、そのなかを気の向くままに探索することができる。
“アニメルック版GTA”の評価と、“街ブラ”を楽しませるオリジナリティ
また街中を走行しているNPCの車を奪うことが可能で、指名手配されて監獄に入れられるというシステムも存在するため、一部では“アニメルック版のGTA(グランド・セフト・オート)”とも評されていた。
その一方、プレイヤーに“街ブラ”を楽しませることを徹底している点は同作のオリジナリティと言えるだろう。
街中には公共交通機関が張り巡らされており、電車やバスに乗って移動することが可能。そしてさまざまな店舗に入って商品を買ったり、ミニゲームに興じたりすることもできる。単に美しい風景が広がっているだけでなく、世界を隅々まで歩き回って散策することの楽しさを味わえるのだ。
ほとんどはストーリーを進める上で関係がない、ある意味“無駄”な要素なのだが、あえてこの部分を充実させることで「そこに行くと何かが起きるかもしれない」というワクワク感を作り上げている。
『シェンムー』と『GTAIII』、2つのオープンワールドの系譜
ここでオープンワールドの系譜を振り返っておくと、日本では1999年にセガがリリースした『シェンムー』が先駆け的な作品だと言われている。神奈川県の横須賀が舞台となっているのだが、その街並みは当時の常識ではありえないほど細部までリアルに作り込まれていた。
それに対して欧米のオープンワールドでは、2001年に発売された『グランド・セフト・オートIII』(GTAIII)が記念碑的な作品だった。同作も没入感のある世界をプレイヤーに体験させる方向性は『シェンムー』と同じだが、細部の作り込みよりもフィールドの広大さを重視する点で大きな違いがある。
そしてその後のオープンワールドというジャンルは、『GTAIII』の示した可能性を発展させる方向へと進んでいった。具体的に作品名を出すなら、『The Elder Scrolls V: Skyrim』や『Starfield』、『レッド・デッド・リデンプション2』などが挙げられるだろう。また今年3月にリリースされた『紅の砂漠』も、マップの広大さが話題を呼んでいた。
『シェンムー』の遺伝子を受け継ぐ、アジア発の新時代オープンワールド
そんななかで今回発売された『NTE: Neverness to Everness』は、「GTAに近い」と言われているものの、実際には欧米のオープンワールドとは違った方向性を目指しているように見える。『シェンムー』を思わせるような細部の作り込みを実装しているからだ。
同じ中国のゲーム会社が手掛けたオープンワールドに、miHoYoの『原神』も存在するが、同作は途方もない広さの大自然を探索するのが主な楽しみ方であり、“街ブラ”路線とは異なっているように思われる。
翻っていえば、『NTE: Neverness to Everness』は『シェンムー』の方向性を受け継ぎ、進化させた新時代のオープンワールドと言えるのではないだろうか。
まだリリースされていないが、NetEase Gamesが傘下のスタジオと開発している『無限大ANANTA』も同作に近い方向性のゲームだと予想されている。アジア発で、新たなオープンワールドの時代が幕を開けようとしているのかもしれない。
























