オーディオ評論家がShokz『OpenDots 2』『OpenDots Air』を徹底レビュー 現地取材と視聴で分かった「イヤーカフ型」新世代の完成形イヤホン

 「イヤーカフ型なのに音が漏れにくい」「しっかりした低音があるのでカナル型との違和感がない」など、多くの人から好評を得たShokzの人気アイテム『OpenDots ONE』が早くも次世代モデルへとリニューアル。しかも、2モデルが同時発売された。それがイヤーカフ型完全ワイヤレスイヤホン『OpenDots 2』と『OpenDots Air』だ。

 大別すると、『OpenDots 2』は『OpenDots ONE』のブラッシュアップモデル。音質はもちろん、様々な面での進化が推し進められている。対して『OpenDots Air』は、より幅広いユーザーをターゲットとすべく、軽量化などユーザビリティの向上に注力したもの。この2つは似て非なるものとなっている。そこで、まずは『OpenDots 2』から詳細をチェックしていこうと思う。

深セン取材で見えた、Shokzの徹底したモノづくり

 製品名からお分かりいただけるだろうが、『OpenDots 2』は『OpenDots ONE』の正常進化版であり第2世代とも呼べる製品だ。そのため、イヤホン本体の外観は『OpenDots ONE』をほぼそのまま継承し、左右の区別なく装着できる(装着後に自動判別される)便利さやホールド性の高いしっかりした装着感、イヤーカフ型なのに音漏れしにくい&使いやすさなどはそのまま継承している。とはいえ、細かなディテール部分に様々な進化が加えられているようで、塗装などを含めて外観デザインは幾分上質となった。

ケース開閉耐久テスト

 実は、『OpenDots 2』『OpenDots Air』の日本発売に先立ち、中国・深センにあるShokzオフィスやラボ、生産工場を取材する機会に恵まれた。そこでは両製品が様々なテストを受けたり、実際に生産されている過程を見学することが出来たのだが、その際、細部までこだわったモノづくりを行っている様子が窺えた。

イヤホン稼働耐久テスト

 なかでも耐久テスト工程では、傷付けや表面の摩耗、動作耐久など、かなり厳しい幾つものチェックが行われており、単に新品時の見映えだけでなく、長年問題なく使い続けられること、その際に劣化した外観にならないことなどにも注力していることが伝わってきた。『OpenDots 2』が美しく上質な外観を長く保ち続けてくれるのは、ユーザー的にも嬉しいかぎりだ。

正統進化のフラッグシップモデル『OpenDots 2』

 実際、『OpenDots ONE』から続く『OpenDots 2』のイヤホン本体デザインは、なかなかに優秀だ。初めての装着時こそ多少の戸惑いはあるかもしれないが、コツさえつかんでしまえばスムーズにさっと装着できるようになるし、何よりも絶妙なホールド感によって、よっぽどのハプニングがないかぎり耳からこぼれ落ちてしまうようなことはない。

 これは、同社が骨伝導イヤホンなどでノウハウを培った、ニッケルチタン製のステー部分「JointArc」や、柔らかさにこだわった立体成型シリコンの合わせ技といっていい。様々な耳の形やサイズに対応し自然にフィット、快適かつ安定した装着感を維持してくれる。長時間し続けても耳まわりが痛くなったりしないのは、嬉しいかぎりだ。

 さらに、マイク性能に関しても着実な進化が推し進められている。片側2つのビームフォーミングマイクに加え、骨伝導マイクも搭載。AIを活用したノイズリダクションと組み合わせることで、さらにクリアな音声で通話できるようになった。また、操作フィールも進化。『OpenDots 2』では「JointArc」をタップするか、バッテリーをつまむことで操作を行えるようになっているのだが、新たに感圧センサーを搭載することで、意識しないタッチによる誤動作を回避。かなり正確に操作が行えるようになった。

 そして、いちばんの進化ポイントといえるのがそのサウンドだ。『OpenDots 2』では、コンパクトなスペースで最大限のパフォーマンスを発揮する球面音響設計「Shokz Bassphere2.0」を採用しつつ、独自設計の11.8mm口径ダイナミック型ドライバーを対向配置したユニットを新開発。口径サイズや基本構造こそ変わらないものの、再設計された振動板構造など様々な刷新が行われた結果、歪みを70%低減しつつ、低域の量感と質感がさらに向上している。また、『OpenDots ONE』と同じくDolby Audioも採用されているが、こちらもさらなる調整で迫力や音の広がりなど、更なるクオリティアップが押し進められているという。

イヤーカフ型の常識を覆す『OpenDots 2』の音質進化

 さて、実際のサウンドを試聴してみると、その進化のほどに驚かされた。新搭載ドライバーの恩恵だろう、一段とダイレクトな表現となり、ボーカルは良く通る声に、演奏も迫力が高まっている。なによりも、ディテールがよく見えるようになった。歌声は表情がよく伝わり、アコースティックギターは胴鳴りの響きまで感じられ、ヴァイオリンはボーイングの強弱までしっかり届くようになった。低域もしっかり伝わり、高域の特性もよくピアノの音は伸びやかだったりと、帯域バランス、解像度ともにイヤーカフ型とは思えないバランスのよさも持ち合わせている。

 結果、音のリアルさが随分と高まってくれ、音楽にのめり込んで楽しめるようになった。先代『OpenDots ONE』も充分な低域の量感を持つなどなど(イヤーカフ型とは思えない)ウェルバランスなサウンドだったが、『OpenDots 2』はそれ以上。カナル型イヤホンそのものとはいわないまでも、ほぼそれに近い、音楽を“普通に”楽しめるサウンドを持ち合わせるようになった。イヤーカフ型といえば、周囲の音を得つつ音楽をBGMとして楽しむ、というのが一般的なイメージだが、こと『OpenDots 2』に関しては全く別の役割を得ている。装着のストレスなく普通に音楽を楽しめるイヤホンであり、本来の活用(BGM利用)の場合はかなり音量を小さくできる(さらにアプリからプライベートというプリセットモードを活用すれば静かな場所でも音漏れを気にせず済む!)のも長時間使用時には重宝する。「OpenDots」シリーズならではの音漏れのしにくさや、完全ワイヤレスイヤホンとしての手軽さも合わせて“ストレスフリー”なイヤホンに仕上がっている。普段使いにも最適な製品といえる。

軽さと手軽さを追求した『OpenDots Air』という選択肢

 もうひとつ、『OpenDots 2』と同時発売された『OpenDots Air』は、女性でも気軽に楽しめる手軽さをアピールした製品だ。デイブレイクパープルという落ち着きのある上品なカラーを用意したほか、片側6.3gという、さらに軽快さを高めたイヤホン本体にデザインされている。それでいて、柔軟性に優れたニッケルチタンプレートを採用する「JointArc」や、多様な耳の形にフィットしてくれる独自開発のシリコン素材はそのまま。ソフトな触感でありながら、安定した装着感を実現してくれている。左右の区別なく、装着した際に自動認識してくれる便利さも同様。ユーザの耳まわりだけに音をフォーカスし音漏れを最小限に抑えてくれる「DirectPitch」技術も変わらず採用されていて、周囲の人を気にすることなくお気に入りの音楽を楽しむことができる。

 さらに、アプリで4つのプリセットを用意。ボーカルや低音を強調したり、プライベートモードを有効にすれば、静かな場所でも音漏れの心配なく音楽を楽しむことが可能となっている。このほかに、IP55の防水性能やマルチポイント接続など、『OpenDots 2』同様に利便性に関しても細やかな配慮がなされている。

 そのサウンドも、なかなかのもの。かなりコンパクトなイヤホン本体となったのにもかかわらず、先代『OpenDots ONE』と同じ対向配置ドライバー「Shokz Bassphere」を搭載しており、イヤーカフ型としては望外といえる低域の量感を確保。おかげで、メリハリのよい迫力あるサウンドが楽しめる。さらなる低音が欲しいユーザーは、プリセットイコライザーを活用することで迫力が増してくれる。もちろん、純粋な音質に関しては『OpenDots 2』に及ぶべくもないが、新製品ゆえにメリハリのよさや帯域バランスの絶妙さなど随所に進化がみられ、躍動的な表現を持つ迫力サウンドを楽しむことができる。こちらで充分、と思える人も少なからずいることだろう。何よりも装着感がより軽快になってくれたこと(重さの違いよりも形の違いが大きい)、IP55の防水性能を持つことで普段使いがより手軽になってくれた。

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