Kamui&ポーザー白石&ピーナッツくんが“ABEMAのHIPHOP解説番組”でMCを務める理由ーー『ラフスタ』からの歩みや衝撃のオファーまで

 新番組『Kamui’s HYPE THE HOPE』が、5月29日よりABEMAで放送スタートとなる。

 ラップ/ヒップホップの最新MVを実況リアクション形式で解説・深掘りしていく、“超MV特化型”番組として、月次放送を予定。MCにはKamui(ラッパー)、ポーザー白石(配信者)、ピーナッツくん(ラッパー/VTuber)の3名が抜擢されており、架空のサーカス団員に扮する彼らが、話題のMVをピックアップし、楽屋裏で好き勝手にリアクションするといった内容だ。

 リアルサウンド テックでは今回、番組の初回収録現場を直撃。サイバーエージェントのボス=藤田 晋から直々にオファーが届いたという衝撃の前日譚から、今年春に開催された『POP YOURS 2026』での胸アツな舞台裏エピソード、さらには日本武道館での単独公演を目指すという今後の目標まで、思うところを余すことなく語ってもらった。(whole lotta styles)

「幕張終わりで配信部屋に戻ってくるの、普通はあり得ないですから」(ポーザー白石)

Kamui

ーーまずは、本番組が始動した経緯から教えてください。

Kamui:2025年10月頃でしたかね。サイバーエージェントのボスである藤田 晋さんから、突然Instagramでフォローされたんです。そこから少し空いて、今度はDMが飛んできて。どうやら、僕とポーザー白石が主催するTwitch配信『ラフスタ』を観てくださったようで、「うちでも同じノリの番組を作ってほしい!」と、直々にオファーを受けました。

ーーまさか、会社のトップからお声がかかるとは。

Kamui:僕もさすがに「いつフォロバすべき? すぐしたらキモいよね?」とかぐるぐる考えちゃいましたね。

ポーザー白石:それ、女の子との駆け引きでよく聞くやつじゃないですか(笑)。

Kamui:ドキドキしながらね(笑)。でも「これ、マジなやつだわ」って思って、すぐにお返事をお送りしました。

ーー本インタビューを通して、番組の礎といえる『ラフスタ』の存在を知る読者もいるかと思います。改めて、同配信の成り立ちから聞かせてもらえますでしょうか。

ポーザー白石:数年前、千葉のクラブの楽屋でKamuiさんに出会ったことが始まりでした。僕は当時からTikTokでヒップホップに関する情報発信をしていたんですけど、Kamuiさんの方から「知ってるよ」ってその場で声をかけてくださって。その場で僕から出演オファーをしたんです。すると「ポーザー白石とだったら単発出演じゃなくて、もっと長続きするコンテンツができる気がする」と仰ってくださって。

ーーなるほど。

ポーザー白石:そうしたら2025年6月、ライターの渡辺志保さんが配信されているPodcast『渡辺志保のヒップホップ茶話会』にKamuiさんがゲスト出演していて。収録テーマは「このラッパー戦国時代、どう生き残っていく?」みたいな感じだったかな。「炎上よりもクールな方法ってない?」と模索するような内容でした。ちょうど僕もその現場に居合わせて、終わりがけにごはんに連れて行っていただいたんですよ。そこで先ほどのテーマに回答を提示するように、Kamuiさんから「俺たち、配信をやった方がいい」って言葉が出てきて。

ーー結果、いまに繋がっていると。

Kamui:そうですね。その年の7月頃に初配信をして、スタジオを構えたのは8月頃。2カ月後の2025年10月に、藤田さんからオファーがあった、という流れでした。

ーーさまざまな配信媒体があるなかで、Twitchを選んだ理由は?

Kamui:USのストリーマー・PlaqueBoyMaxをロールモデルにしているから。Twitchはもともと、ゲームを中心にナードカルチャーの発信地だったんですけど、彼はそこでヒップホップの企画を次々に配信して、Central Ceeがゲストに呼んだこともあれば、同接(=同時接続者数)が20万人を突破したこともあり。そんな彼の姿を見て、自分たちにもTwitchがあれば、日本に新しい風を運べると思ったんです。

ーーたしかにラッパーがゲーム配信をするなど、海外ではヒップホップ×Twitchの親和性の高さが証明されている一方、日本ではまだ未開拓な部分ですよね。

Kamui:そうそう。あと、ラッパーって基本的に格好つけるのが仕事だけど、間違いなくゲームとかも好き(笑)。USのラッパーですら『YU-GI-OH!』とかリリックに入れてるくらいだから、みんな言わないだけでアニメとかも絶対に観てるはず。それもあり、僕らも好きなものを素直に発信できる場所として、ストリートとは別のフィールドを作ってみたいなと。

ポーザー白石

ポーザー白石:一応、YouTubeにもライブ機能はあるので、配信先の候補には入っていたんです。ただ、それだと“YouTuber”の枠組みに括られそうだなと。対して、少なくとも日本のヒップホップコミュニティで、Twitchは真っ白なキャンバス状態。自分たちのカラーを出せると一歩踏み出した結果、これを選んで本当によかったです。

ピーナッツくん:へぇ~、おふたりともそんなことを考えていたんですね。僕が話を聞いた頃は、初回配信ももう間もなくというタイミングだったので全然知らなかったです。当時はKamuiくんに「いや、すごいですね。いけると思います!」とか言いながら、心のなかでは「え~、白石と~? 大丈夫かな~?」なんて思っていたり……(笑)。

ピーナッツくん

ーーそんな“ラフスタペア”に加わる形で、ピーナッツくんが今回招集された理由は?

Kamui:実は、藤田さんからのオファーには仮の企画書が付いていて、そこには僕と一緒に、また別のラッパーの名前があったんですよ。ただ、せっかくなら自分が本当に心を許せる人たちで脇を固めたいし、その方がさらに本音を出せる場所になるはず。「だとすると、プライベートでも仲がよいこのふたりとか?」って考えて、僕の方から指名させてもらいました。

ピーナッツくん:そういえば僕、KamuiくんのYouTubeアカウント「Kamui World」でめっちゃ昔にコラボ配信したことありましたよね。深夜にホラーゲームをプレイした気がする。2021年頃だったかな。ってなると、白石くんとKamuiくんが出会ったのよりも前か。

ポーザー白石:でも、僕の方が一緒に配信してる期間は長いから。

ピーナッツくん:でも、僕の方が一緒に配信した時期は早いから。

ーーなにやら、Kamuiさんを奪い合うマウント合戦が(笑)。

Kamui:でもさ~、あの頃にこんな光景、想像できた? やばいよね。

ピーナッツくん:できなかったです。あの頃のKamuiくんの顔、忘れられないですもん。明け方なのに「配信たのしー!」って、満面の笑みだった。

Kamui:自分のチャンネルだと、普段の同接なんて20~30人くらいだったのに、その日だけはピーナッツくんのファンが400人くらい視聴してくれたからね。コメント欄も滝のように流れて、もう脳汁が出まくっちゃって。それで頭おかしくなったんだと思う。あれ、めっちゃ楽しすぎたもん(笑)。

ポーザー白石:その光景が頭にこびりついて、いまも「配信だ!」って騒ぎまくってるんですね(笑)。

ピーナッツくん:この間の『POP YOURS 2026』で客演をお願いしたときも、出番が終わって速攻で「配信、行ってくるわ!」って帰ってましたよね。あまりの勢いに、僕とぽんぽこも「うわぁ~、いけぇ~!」ってめっちゃ盛り上がっちゃったくらい。(編注:甲賀流忍者ぽんぽこ。ピーナッツくんの妹にあたる)

POP YOURS直後にラフスタに帰還するKamui / 振り返りトーク【ラフスタ切り抜き】

Kamui:そうそう。「スゴい、行ってらっしゃい!」ってあたたかく送り出してくれて。でも、ふたりもその日のうちにPodcast『ぽこピーのゆめうつつ』を録ってたし、ピーナッツくんはVTuberとしても活動しているから、僕とも年々、活動が似てきたというか。より一層、絆が深まっている気がする。気持ちをわかってくれる、本当に稀有な存在です。

#53 POPYOURSに出場してきました!!!

ピーナッツくん:ラッパーと配信者。ふたつの界隈を跨いでいるからこそ、すごく気持ちがわかるんですよね。

ポーザー白石:ほかのラッパーには伝わりづらいだろうけど、幕張終わり(=POP YOURS)でその日のうちに部屋に戻ってきて配信するの、普通はあり得ないですからね(笑)。

「だとしたら俺、いますぐサウジに行かないと」(Kamui)

Kamui - ウサギとカメ (Official Music Video) prod. 3-i

ーー今回のオファーと同時に新曲「ウサギとカメ」のリリックを書き上げたとか。

Kamui:藤田さんとのやりとりについては、そこでも触れている形になります。楽曲自体も気に入ってくださったそうですし、これはつまり“相思相愛”でいいのかな。実はこの取材前に宣材写真のスチール撮影があったんですけど、まさかのご本人がドッキリで現れるという。本当はお伝えしたいことがたくさんあったはずなのに、頭が真っ白になってなにも言えなかった。

ピーナッツくん:藤田さん、もうお帰りになっちゃって。明日からサウジアラビアに行かれるらしいです。

Kamui:本当はもっとご一緒したかったし、可能なら少しでも引き留めておきたかった。でも、話を聞いてさすがに「あっ、サウジですか……」みたいな。

ポーザー白石:スケール感が違いすぎるよね。

ーー仮にもし引き留めが成功していたら、どんなことを伝えたかった?

Kamui:……「ありがとう」とか?

ポーザー白石:それくらい言えたでしょ(笑)。

ピーナッツくん:そもそも藤田さんが収録現場にいらっしゃることが滅多にないらしいですよ。

Kamui:だとしたら俺、いますぐサウジに行かないと。

ポーザー白石:その場合、藤田さんに間違いなく二度見されますよ。「かっ、Kamui!?」って。

Kamui:してぇー! 「次、俺がカマす番っす!」ってやりてぇー!

ーーちなみに、ABEMAで配信されていた『BADHOP 1000万1週間生活』では、メンバーのBenjazzyさんが局への感謝を示すべく、番組終了後に“アベマくん”のタトゥーを肩に入れていました。これは、ABEMA流の忠誠の誓い方でいうと……。

ポーザー白石:さすがに怖すぎるよ(笑)。

Kamui:なるほど(笑)。だとしたら僕、“R.I.P. 2Pac”と同じノリで、藤田さんの顔面を肩に彫りたいです。

ポーザー白石:また別の意味で「かっ、Kamui!?」って二度見されますよ。

Kamui:これからサウジに行くからそこで彫ったとして、あのへんのタトゥーってなんかインク薄そうだよね(笑)。

「ピラフ星人もぜひ」(ピーナッツくん)

ーー本番組において、みなさんは“架空のサーカス団員”に扮していますが、そもそもなぜサーカスを題材に?

Kamui:まずは、せっかくABEMAでやらせてもらえるので、『ラフスタ』とは世界観をがらっと変えたいなと。もうひとつは、いずれゲストに呼び込むだろうラッパーやクリエイター、あるいは番組自体の“ごちゃごちゃ感”がサーカスに近いと考えて、このコンセプトに決まりました。

ーーとなると、この設定はすんなり決まった?

Kamui:最初は3人ともパペットになる案とかあったよね。ただ、そうなると表情のリアクションを表現するのが難しくて。このアイデアをなんとか活かしたいと考えて出てきたのが、着ぐるみサーカス団でした。あと、スタジオの設定はショーを終えたあとの楽屋になっています。「そもそも音楽の話って、部室やサークルで友だちとするときがいちばん楽しいよね?」という意味で、今回のセットを組んでいただきました。

ポーザー白石:ほかにもアメリカのバーバーショップとか色々な案があったんですけど、サーカスがいちばんしっくりきましたよね。

ピーナッツくん:僕もかわいいピエロのアバターを作ってもらいました。

ーー本番組では楽曲単体ではなく、MV(=ミュージックビデオ)に焦点を当てる内容と聞いています。こちらもなにか理由があるのでしょうか。

ポーザー白石:僕個人としてはラッパーの後ろにいるクリエイターを、ちゃんと名前を出して紹介したいと思っていて。この1年間で、MV撮影への同行や編集現場を拝見したりして、自分がいかに「ラップが上手くて、曲が格好いいかどうか」だけに意識を向けていたか気づかされたんです。でも、ラッパーのMVってめっちゃこだわってるし、しっかりとそこにも寄り添いたい。あと、ファッションとも接点があるカルチャーなので、視覚情報のあるMVの方がヒップホップの魅力がさらに伝わるとも思っています。

Kamui:ここ最近は、編集の観点でかなり凝ったMVが多いんですよ。ただ単にストリートで撮影するわけでもなく、それこそJ-POPの映像とも色々な違いが見つかると思います。

ピーナッツくん:あと『ラフスタ』を観ていて思うのが、「同時視聴って楽しいな」ってこと。あのカルチャーも、今回の番組を通して伝わればうれしいです!

Kamui:実は最初、「この番組、生放送とかどうですか?」って提案したんですよね。「危険です」と、ちゃんと断られました(笑)。実際問題、こういった番組だとMVの使用に事前の許可取りが必要で、それに時間がかかるから難しいというのもあるのですが。でも、1回くらいは生配信もやってみたいよね? ABEMAのコメント欄にいる、めっちゃ冷笑してくる奴等をねじ伏せたい(笑)。

ピーナッツくん:Kamuiくんは、冷笑コメントを拾っていく方の配信者ですからね。

ーー心中お察しします。ここまでお話を聞いていて、番組で取り上げたMVをきっかけとして、紹介したラッパーの新たなファンが増えるという流れに、いわゆる“MTV”のカルチャーに近いものを感じました。

ポーザー白石:たしか番組コンセプトが固まってきたとき、Kamuiさんがそのあたりのお話をしてましたよね?

Kamui:中学生の頃、洋楽専門の音楽ランキング番組『billboard TOP40』にハマっていた時期があって。僕は名古屋出身なんですけど、10チャンネルの三重テレビで、たしか毎週木曜の深夜に放送されていたのを欠かさず録画していました。EminemのMVに出会ったり、Usher「Yeah!」が全米シングルチャートで12週連続1位を記録するのを目の当たりにしたり。色々な伝説がありましたね。

ーーKamuiさん自身がまさに、音楽紹介番組のヘッズだったと。

Kamui:自分の原体験がMV紹介だと気づいたとき、すごく感慨深くなりました。それこそ、あの番組には手紙も送っていて。楽曲リクエストをすると、エンディングで名前が紹介されるんです。めっちゃドキドキするものの、読み上げスピード自体が速いうえに、名前が難しいとDJの女性が「あれーっ?」ってつまずいちゃって。念のため、手紙を送るときはふりがなを振るようにしていました。「なんちゃら……さん? ありがとー!」みたいな感じで、俺は呼ばれたくねえなって。

ピーナッツくん:今度は自分が紹介側になるのがアツいですね。

ーー番組を続けていくうえで、なにか目標や実現したいことはありますか?

ポーザー白石:MVを紹介するラッパーと、制作を担当したディレクターを交えてリアクション撮影をしたいです。「このトランジション、わかりますか?」とか「ここはこの角度で撮ったからこう見えるんです」みたいに、技術的な細かい話をたくさん聞いてみたい。

ピーナッツくん:僕はこの番組をもっと大きくして、Kamuiくんをキングに……“キング・カムイ”になっている姿が見たいです。

Kamui:レブロン・ジェームズの“キング・レブロン”みたいな(笑)。そうだな、オフラインイベントを開催したいですね。結局のところ、僕とピーナッツくんはプレイヤー側なので、パフォーマンスを通して視聴者と交流をできるのが強みだし、実際にそれを実現させてみせたい。

ーー具体的に、立ちたいステージはありますか?

Kamui:どこだろう……日本武道館とか?

ポーザー白石:わかるっす。

ピーナッツくん:わかるんだ(笑)。

ポーザー白石:僕、『オードリーのオールナイトニッポン』をずっと聞いていて。2019年に武道館イベントが開催されたじゃないですか。例に漏れず、僕もちゃんと会場で熱狂していたんですけど、同時に覚えているのが「ラジオ番組が……ぶっ、武道館?」っていう不思議な感覚で。

ーー番組のいつもの緩さを、日本武道館という特別な空間で味わえるのがたまらなかったですよね。

ピーナッツくん:ピラフ星人もぜひ。

Kamui:えっ、ゲストに? 逆推薦!? いや、武道館にもう一度戻ってもらうのはいいけど……メジャーデビューして、TVアニメのタイアップとかもしちゃってる人だよ? もしかしたら、断られるかもしれない。

ピーナッツくん:「武道館? いや~出ませんよ」みたいに。(ピラフ星人の声マネ&眉をひそめながら)

全員:(爆笑)

Kamui:ピラフ星人、なんかオチに使わせてもらってごめんな……(笑)。

■楽曲情報

タイトル:「ウサギとカメ」
作詞:Kamui
作曲:Kamui
Mix & Mastering:Kamui
Linkcore: https://linkco.re/Hu1gud63

■番組概要

『Kamui’s HYPE THE HOPE』
初回放送日時:2026年5月29日(金)夜11時~
番組ページ:https://abema.tv/video/title/243-215
出演:Kamui、ピーナッツくん、ポーザー白石

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