『Weekly Virtual News』(2026年5月19日号)
ホロライブの「ホロアース」が終了、ANYCOLORは新規オーディションを開始 新規展開の続くバーチャル業界

VTuber、XR技術、メタバース――様々な“バーチャル”に関するトピックは、日々多く生まれている。企業による巨大な施策から、個人によるマイクロだが熱気あふれる取り組みまで、その規模は様々だ。
連載「Weekly Virtual News」では、一週間のうちに起きた“バーチャル業界”に関連する様々な話題をピックアップ。ニュースとして紹介するだけでなく、筆者の独断と興味関心からフックアップしたいトピックも取り上げる。
カバーのメタバースがサービス終了 正式リリースからわずか1年あまり
ホロライブプロダクションを運営するカバー株式会社が、自社開発のメタバースプラットフォーム『ホロアース』のサービス終了を発表した。6月28日21時の終了日に向けて、各種機能が段階的に停止されていく。
【重要なお知らせ】
このたび #ホロアース は、誠に勝手ながら
2026年6月28日(日)21:00をもちまして、サービスを終了させていただくこととなりましたご利用いただいたすべての皆様に、
心より感謝申し上げます詳細は下記お知らせをご確認くださいhttps://t.co/e2X1dWGeSK pic.twitter.com/kkCkg2POrv
— ホロアース (@Holoearth_JP) May 14, 2026
ホロアースは2021年にプロジェクトが発表され、2025年4月に正式リリースされたメタバースプラットフォームだ。アバター作成や他ユーザーとの交流に始まり、サバイバルクラフトゲーム、衣類・アクセサリーのマーケットプレイス、そしてホロライブタレント出演のイベントなど、VTuberに密接したメタバースとして運営が進められていた。しかし、正式リリースからわずか1年あまりでの終了となった。
またカバーは、ホロアースのサービス終了発表と同時に、2026年3月期決算を公開。ホロアース関連のソフトウェア資産等について帳簿価額の全額を減損処理し、31億9900万円を特別損失として計上している。
カバーはこの決定について、プロジェクトで得られた技術的成果を既存事業へ集約し、タレント活動の支援や表現技術の深化に経営資源を再配分する“構造改革”だと説明。その一方、経営責任を明確にするため、代表取締役社長の谷郷元昭氏と取締役CTOが月額基本報酬の20%・2カ月分相当額を自主返納することも決定した。
ホロアースを振り返ると、経済圏の実装やゲームモードの搭載、なによりホロライブプロダクションとの直結度合いが大きな魅力だった。一方で、方向性をひとつに定めきれなかったことで開発リソースが膨れ、ユーザーが定着するような「わかりやすい魅力」を訴求しにくいプラットフォームになっていた印象もある。いろいろと惜しい場だったが、技術資産がホロライブプロダクションへと還元されていくならば、決して捨て石ではなかったと言えるだろう。
ANYCOLORが新規オーディションを開始 “にじさんじ外デビュー”の可能性も?
ANYCOLORのバーチャルタレント育成プロジェクト「VTA(バーチャル・タレント・アカデミー)」が、「実力派ボーカルオーディション」「にじさんじ VTAアイドルオーディション」「にじさんじ VTA一芸突破オーディション」の3種を同時開催中だ。
VTAはにじさんじのノウハウを活かし、新たなバーチャルタレントを育成するためのプログラムであり、これまでも多くのタレントがVTA経由でにじさんじデビューを果たした。今回のオーディションもその取り組みのひとつなのだが、注目すべきは応募フォームに記載された「実力派ボーカルオーディション」の応募条件「本オーディションは『にじさんじプロジェクト』以外でのデビューとなる可能性があります」という一文だ。
【その歌声で、震わせろ】
実力派ボーカルオーディション募集開始!
詳細はプレスリリース、応募フォームをご覧ください。■期間
~6/5(金)12:00まで■プレスリリースhttps://t.co/QoTtmw0XDB
■応募フォームhttps://t.co/vLd25CqfcZ
ご応募お待ちしております! pic.twitter.com/QIzgN4saHZ
— VTA公式【にじさんじ】 (@VTA_ANYCOLOR) May 15, 2026
現時点では未確定の話ではあるものの、ANYCOLORがにじさんじ以外のブランド展開を考えている可能性があり、興味深い。直近では、カバーも新たなタレント育成プロジェクト「mekPark」を始動しており、主要ブランド以外の展開を業界のフロントランナーが模索し始めているのかもしれない。
BOOTHの3Dモデルカテゴリに「髪型」と「靴」のサブカテゴリが追加
知名度上昇が続く『VRChat』向けアイテムが多く流通する「BOOTH」では、「3Dモデル」カテゴリに、新たに「3D髪型」と「3D靴」のサブカテゴリが追加された。
🆕「3Dモデル」カテゴリに「3D髪型」「3D靴」のサブカテゴリを追加しました💇👟
商品登録や検索時に適切なカテゴリを選べるようになります。
該当商品を出品中のショップオーナー様は、カテゴリの見直しをご検討ください。詳細はお知らせをご確認ください。https://t.co/x8Xfco9rOn pic.twitter.com/QNizfQeTtz
— BOOTH (@booth_pm) May 13, 2026
背景を知らない人には「なんのこっちゃ」と思われそうなアップデートだが、『VRChat』を中心としたアバターのカスタマイズ(通称:アバター改変)が盛んな文化圏では、衣服だけでなく髪型の変更需要はかなり高く、髪型の3Dモデルを専門に手がけるクリエイターが一定数存在するほど。また、靴についても現実のスニーカー文化よろしく、近年は3Dスニーカーに特化したブランドが生まれつつある。当然、どちらも流通アイテムは相応に多い。
しかし、これまでのBOOTHでは、こうした「髪型」「靴」といった需要の高いアイテムを簡単に閲覧できる仕組みがなかった。アイテムの販売時には、「3Dモデル」カテゴリ内のサブカテゴリ「3D装飾品」を登録するしかなく、キーワード検索をかけてもその他の3Dアイテムとともに出てくる状態だった。3Dモデルカテゴリの取扱高が100億円を超えるほどに、「BOOTH」を利用するユーザーは多い。特に近年増えたであろう「アバター改変」愛好家の要望にこたえたアップデートと言えそうだ。
海上保安庁が『Minecraft』向けの海底地形ワールドデータを公開
海上保安庁がユニークなデータを公開した。日本周辺の海底地形を再現した、『Minecraft』用のワールドデータだ。
【日本周辺の海底を「マインクラフト」の世界で再現】
日本周辺の海底地形データから作成した「Minecraft(マインクラフト)」のワールドデータを、海上保安庁海洋情報部のHPで公開しました。【DLページ】https://t.co/2RZobdo6I4#Minecraft#マインクラフト#マイクラ#海洋情報部#海上保安庁 pic.twitter.com/JkSHzY4hnL
— 海上保安庁 (@JCG_koho) May 14, 2026
これまで海上保安庁が、航海の安全や海洋権益の確保、防災といった目的のために日本周辺の海底の地形を調査して得られたデータがもとになっており、通常は交通手段のない離島の周辺や、生身では到達できない深海底をゲーム内で疑似探検できる。
行政機関による『Minecraft』活用では、国土交通省が埼玉県春日部市の首都圏外郭放水路を再現した事例もある。本件も含め、公共データを親しみやすいフォーマットで届ける試みは、より発展的なデータ活用はもちろん、各官公庁の取り組みを一般層にも伝える効果も期待できる。






















