スマホを持っていても「調べない人」の特徴とは 検索離れが進む現代人の心理を専門家が解説

誤情報に振り回されないために
――改めて、検索する習慣がないことにはどのようなリスクが潜んでいますか?
山口:たとえば、詐欺に引っかかりやすくなることです。広告的な投稿をそのまま信じ、検索して詐欺かどうかを検証することをしないので。また、ショート動画を見ていていろいろな意見や情報に触れているつもりが、実はアルゴリズムによって「自分の見たいもの」ばかりが表示されていく。これを「フィルターバブル現象」と呼びますが、その結果として視野狭窄に陥ってしまい、極端な意見を持ってしまう人もいるでしょう。
そして、そういった動画コンテンツはお金を稼ぐことができるわけですよね。アテンションエコノミーという言葉がありまして、「人々の注目を集めることでお金を稼ぐことができる」わけです。ただ、その結果として人々を煽るようなコンテンツ、具体的には過激な行動に走ったり、フェイクコンテンツを作って視聴数を稼いだりすることに繋がってしまう例もあります。
――誤情報に振り回されないための検索のコツを教えてください。
山口:大前提として「自分は騙される可能性がある」ということを知っておくべきです。私の研究では、フェイク情報を見聞きした人の中で、「その情報が誤っている」と適切に判断できる人はわずか14.5%でした。また、「自分は大丈夫と自信のある人ほど騙される」という結果も出ていて、謙虚な気持ちで情報空間に接するのが第一です。
先ほどのアテンションエコノミーに関連して言えば、そういった仕組みがあることを知っていること。つまり「このコンテンツはお金儲けのために作っているのかもしれない」「お金のためにこういう意見を発信しているのかもしれない」といったことにも想像力を働かせることが大切になります。
――検索エンジンでの具体的な方法は?
山口:検索ワードを2つ以上組み合わせると良いでしょう。公共機関やマスメディアなど、信頼性の高い情報を発信している組織の名前を組み合わせることで、精度の高い情報を見つけられます。ただ、それだって誤っていることもありますから、複数の情報源を比較しながら検討していくとか、一次情報を辿っていくとか、情報を検証していくことが大切になるでしょう。さらに踏み込むならば情報発信源の専門性を確認したり、投稿されている画像を逆画像検索にかけたりと、さまざまなテクニックがあります。
ただ、これって面倒くさいと思うんですよ。労力もかかりますから、大変です。それでも、面倒ではありますが、とりわけ特定の情報を発信したい人は、発信する前に情報検証をする癖をつけておいてほしいです。自分がフェイク情報の拡散者になってしまうので、それを防ぐ意識を持つことは大事かなと思います。
――信頼できる情報を見つけるために、有用なネットサービスはありますか?
山口:デマかどうかを確認したい時には、「日本ファクトチェックセンター」や「インファクト(InFact)」といったファクトチェックサイトが有効でしょう。ただし、「ここに行けば絶対信頼できる情報が手に入る」というサイトはありません。
先述した通り、公的機関やマスメディアなどであれば、研究や取材を経て発信している分、SNSにあふれている情報よりは信頼度が高いと言えます。こうした考え方を元にして、信頼度の重み付けをすること。全ての情報を並列に扱わないことが大切です。
そして、繰り返しになりますがそれらに対しても「間違っていることも偏っているあるよね。だから、他の情報も見てみよう」という態度でいるぐらいが、ちょうどいい距離感なのだと思います。
〈Thumbnail:Pixabay〉




















