森愁斗、のんの弟役を熱演 秀才ぶりを発揮し姉を翻弄「全部駆け引きです」 『ミス・キング』2話
のんが主演を務めるABEMAオリジナルドラマ『MISS KING / ミス・キング』第2話が10月6日、配信を開始した。第2話は、命を投げ出そうとするほどに、どん底に落ちた飛鳥(のん)が、藤堂(藤木直人)と“共犯者”として手を組むまでの物語。母・桂子(奥貫薫)という大切な家族に続き、家も職も失った飛鳥だったが、藤堂と再会することで生きる意味を見出していく。
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孤独な日々を送っていた飛鳥は、家賃3ヶ月分の滞納により支払いもしくは立ち退きの最後通告を受けていた。さらに、およそ3年間勤めていた清掃会社からも実質のクビを言い渡されてしまう。当然聞く耳を持たない飛鳥だったが、担当していた清掃現場で窃盗事件が発生し、その容疑者として疑いをかけられ、警察に拘束されてしまう。
頼れる家族もいない絶望の中で、飛鳥を訪ねて来た“親族”が、異母弟にあたる龍也(森愁斗)だった。飛鳥を釈放させる条件として提示してきたのが、彰一(中村獅童)、ひいては結城家に近づかないこと。サイン会での騒動、さらに監視カメラに映っていたナイフを持つ飛鳥の姿を見て先手を打った格好だ。
誓約書にサインをし釈放された飛鳥だったが、それは龍也が仕掛けた策略だった。警察は現場の防犯カメラに映った犯人を把握しており、粘っていればもしかしたら飛鳥はそのまま釈放されていたかもしれない(龍也と警察がグルだったという見方もできる)。しかし、龍也は巧みな話術で飛鳥を駆り立て、決断を急がさせた。「正義なんてものは全部駆け引きです」というセリフを筆頭に、龍也が棋士としても戦略的思考に長けていることが分かる。
さらに、釈放された飛鳥を待ち受けるのが、彰一の妻・香(山口紗弥加)。泥沼にはまった飛鳥に追い討ちをかけるようにして、香は「ご愁傷様でした」と香典代わりの札束を渡す。それは飛鳥にとっては屈辱でしかない。降りしきる雨の中、飛鳥は札束を宙に投げ捨て、その場を立ち去っていく。
母との思い出が詰まった都内を一望できる見晴らしのいい屋上で、飛鳥は藤堂と再会する。ともに彰一を憎み復讐心を燃やす同志、飛鳥はその理由を「私の人生はあいつに消されたんです。私とお母さんの存在を否定したんです。だから、私もあいつの生き方を否定してやりたかった」と話す。それは龍也や香がしていることも同じだ。
「生きる意味は目の前にあるだろ」――藤堂がビルから身を投げ出してまでも飛鳥に示そうとした必死の覚悟。それは死なないということ、つまりは自分たちの存在証明だ。
第2話では、龍也の婚約者である早見由奈(鳴海唯)が、香から「家を支えること、それがこれからのあなたの人生です」と告げられるシーンがある。これまで日本の将棋界の歴史において、女性で棋士になった人は一人もおらず、女流棋士として別の制度が設けられている。飛鳥もこれからその現実にぶち当たっていくのであろうが、本作が飛鳥だけでなく、藤堂、由奈といった“無き者”にされた人たちが、その人生を、存在を取り戻していく物語であることを第2話は伝えている。
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