『鬼武者 Way of the Sword』試遊レポート:“バッサリ感”がさらに進化、武蔵の剣戟に酔いしれる

2025年9月25日~9月28日の計4日間にわたって開催中の『東京ゲームショウ2025』(TGS2025)。同イベントのカプコンブースにて、『鬼武者 Way of the Sword』の世界最速プレイアブル体験会が行われた。
本稿では、約30分間の試遊を通して分かった『鬼武者 Way of the Sword』のプレイフィールについて、レポート形式でお届けする。
剣戟の駆け引き──「力動ゲージ」と「崩し一閃」
『TGS2025』で最も注目を集めていた作品のひとつが、カプコンの新作アクション『鬼武者 Way of the Sword』だ。2000年代に人気を博した「鬼武者」シリーズとしては20年ぶりの復活となり、国内外のファンから熱い視線を浴びている。
カプコンブースで試遊できたのは、主人公・宮本武蔵が清水寺に向かい、道中で幻魔と戦いながら佐々木巌流との対決へ至るシーン。操作キャラはもちろん武蔵で、グラフィックは写実的。フェイスモデルには往年の名優・三船敏郎が起用されており、動かしているだけで「映画を操っている」ような没入感がある。
「鬼武者」といえば、シリーズ最初期から謳われている“バッサリ感”ではないだろうか。敵を一閃で斬り伏せる爽快さは、本作でもしっかりと健在だった。

特に印象的だったのは、攻撃モーションの格好よさだ。幻魔の攻撃を受け流し、後ろへ下がりながら切り払う一連の動き。大きく振りかぶり、その勢いのまま幻魔の脳天を割る斬撃。あるいは刀を突き刺して絶命させる残酷な一撃。数パターン挙げるだけでも、宮本武蔵の立ち居振る舞いに惚れ惚れしてしまう。操作しているだけで「自分が武蔵になった」かのような錯覚を味わえるのは、本作ならではの醍醐味だ。
戦闘は単純にボタンを押すだけでは成立しない。むしろ闇雲に斬りかかれば、雑魚敵にすら攻撃を弾かれ、一気に反撃を受けてしまう。
ここで重要になるのが、新システム「力動ゲージ」だ。これは相手の態勢を表すもので、攻撃を受け流したり弾いたりすることで削れる。力動ゲージが尽きると敵は“力動崩れ”となり、そこへ「崩し一閃」を叩き込めばまさしく一撃必殺。実際、試遊中は幻魔を華麗に斬り倒すことができ、まさに時代劇の殺陣を操作しているかのような爽快感を得られた。

特筆すべきは、受け流し時に環境が有効活用されることだ。敵を受け流すとその勢いで木や建物に激突し、力動ゲージが一気に減る。かがり火に突っ込めば炎で追加ダメージ。剣術と環境が融合した戦い方は、兵法家・宮本武蔵らしい戦闘スタイルとして説得力がある。
シリーズ伝統の「一閃」と新要素「眼覚醒」
従来シリーズの花形アクション「一閃」は、本作でも発動可能だ。敵の攻撃寸前に斬り込んで即死させる快感を踏襲しつつ、崩し一閃と組み合わせて使うことでより戦略的な攻めが実現する。クセの少ない操作感がカプコンらしく、シンプルかつ奥深いバトル体験になっている。
さらに、鬼が作り出した特殊な武器とされる「鬼ノ武具」の1種、「双刀【二天】」も試すことができた。史実では武蔵が二刀流を完成させたのは後年とされるが、本作では“鬼武者の力”として実装。二刀は手数が多く、黄魂(体力回復アイテム)を多くドロップする特性も持つため、戦局や体力状況に応じて武器を切り替える駆け引きが生まれていた。

本作ではバトルだけでなく、フィールド内における探索要素も印象的だ。「眼覚醒【探知】」は鬼の篭手が光る場所で使用でき、幻魔の痕跡や隠されたギミックを見破ることができる。実際、びくともしない門を調べていると、怪しげな力で門を封じている幻魔を発見。すかさず探知の能力を使い、幻魔を叩き斬ることで道が開けた。探索のテンポを壊さず、アクションと自然に融合していたのが好印象だ。
また「黒魂」を吸収すると、その場で過去の惨劇が映像として再現される要素も試すことができた。清水寺では村人が“何か”を投げ落とすシーンが映し出され、それが人間だったと判明する残酷な描写が展開される。父親が息子を投げ落とす場面まであり、ただのアクションに留まらず、作品全体のトーンを強く印象付ける演出だった。
油断すると即死の危険も 強敵・佐々木巌流と対決
試遊のハイライトは、やはりライバル「佐々木巌流」との一騎打ちだ。佐々木は体力も力動ゲージも桁違いに多く、多彩な技を繰り出してくる強敵。攻撃を見極め、ジャストタイミングで受け流す緊張感は、まさに手に汗握るものだった。
強敵との戦闘時は、崩し一閃を決める際、「頭」「腹」など部位を選べるのもユニーク。頭を狙えば大ダメージ、腹なら大量の魂を得るなど、状況に応じて戦略を変える必要がある。さらに、鍔迫り合いやカメラアングルの切り替えなど、ドラマチックな演出がシームレスに入ることで、戦闘はまるで映画の一場面のように盛り上がった。

筆者は佐々木に一度敗れてしまったものの、2度目の戦いで何とか打ち倒すことに成功。佐々木にトドメの一太刀を浴びせたところで、今回の試遊は終了となった。
改めて感じたのは、「鬼武者」らしいバッサリ感と、新しい駆け引きの両立だ。従来の爽快感はしっかり残しつつ、力動ゲージや環境要素が加わったことで戦闘はさらに厚みを増している。無双的な派手さと、ソウルライク的な緊張感のちょうど中間にあるような、絶妙な剣戟アクションだと感じた。

20年ぶりに蘇った本作は、試遊の時点で十分な完成度を示していた。ここから製品版では、多彩な武器や幻魔をはじめ、武蔵と巌流の因縁がどのように描かれるのだろうか。カプコンがおくる剣戟アクションゲーム『鬼武者 Way of the Sword』は、PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに2026年に発売予定だ。
【※開発中のものにつき、実際の仕様とは異なる場合があります】






















