「乾杯!」と同時にスマホが使えなくなる? 世にも不思議なスマホケースが誕生
お酒の場だけではなく、ファミレスでのドリンクバーを友人たちと楽しむときなど、全員がそろって「乾杯!」と掛け声を交わす文化は昔も今も変わっていない。しかしちょうど乾杯しようとしたタイミングにスマートフォンにメッセージが来てしまい、1人だけその輪に入れなかった、なんて経験はないだろうか? あるいは話が盛り上がっている中でスマートフォンの通知が鳴りやまない、なんてことも多いだろう。『The Flipper』はスマートフォンに邪魔されてしまう楽しい時間を守ってくれるアイテムなのだ。
スマホはやっぱり手放せない、ならば強制ロックをかけようという発想
緑色の背景に「Heineken」のロゴが印象的なハイネケンは、ビールを筆頭にノンアルコール飲料も手掛けるグローバルな飲料企業だ。人が集まる場所には必ず飲み物があり、それを囲んで交流する光景は世界中どこでも見られる。しかしそんな楽しいひとときも、スマートフォンのメッセージや通知によって妨げられてしまうのが現実。そこでハイネケンは、2024年に「世界一退屈な携帯電話」と称される『The Boring Phone』を発表した。
The Boring Phoneは通話とショートメッセージ機能、低解像度な写真が数枚程度撮れるだけの、単機能な携帯電話だ。これを持って夜の街に繰り出せば、楽しい時間をSNSの通知で邪魔されることも無くなる。とはいえスマートフォン無しでは日常の生活を送ることは難しい。そこで新たに開発されたのがスマートフォンにかぶせるケース「The Flipper」というわけだ。
乾杯するとスマホが自動でひっくり返る!
『The Flipper』はスマートフォンケースの裏に、1本のアームが取り付けられている。このアームが人々の楽しい時間をスマートフォンから守ってくれるのである。では『The Flipper』はどのような機能を持っているのだろうか?
それはスマートフォンを「ひっくり返す」のだ。音声で「乾杯(Cheers)!」の掛け声をAIが認識すると、背面のアームがケースから飛び出し、スマートフォンをケースごとひっくり返してしまうのである。なお『The Flipper』はまだプロトタイプのため実際に販売はされていない。またどのようにアームが動くのか、その仕組みは非公開だ。
ひっくり返ったスマートフォンを再び表に戻す機構は搭載されていない。つまり一度乾杯してしまえば、その後もずっとスマートフォンの画面は裏返ったままなのである。これで飲み会や食事の時間中、仲間同士での会話が大いに弾むことは間違いないだろう。
ハイネケンは『The Flipper』を通じて、#SocialOffSocials(ソーシャルをオフにして、リアルなソーシャルを楽しもう)というメッセージを発信している。スマホの通知やSNSから一時的に離れ、本当の意味での“つながり”や“乾杯”の時間を大切にしよう、という思いが込められているのだ。『The Boring Phone』も含め、ハイネケンは人と人が集まる体験をより豊かにする新しいアイデアをこれからも提案してくれるだろう。