個人勢も含む、すべてのVTuberが“大舞台”へ──『ぶいきゃすコレクション in 有楽町マルイ』が示したVTuberとリアルの交差点
餅々さくら/小鳥遊こばとが語る、リアルイベントの意義
今回筆者は、トークショーを見学させてもらった餅々さくらさん、小鳥遊こばとさんに感想を伺う機会を得た。
餅々さくらさん
——今回のイベントで「オフラインならでは」と感じた、特に嬉しかった瞬間や印象に残ったファンとの交流を教えてください
餅々さくら:実際にファンの皆さんの表情や雰囲気を感じとりながらコミュニケーションを図れたことが、オフラインならではなのかなと感じました!
今回、トークショーの中で「餅々さくら理解王」というクイズ大会を開催したのですが、出題された内容にわっと驚いてくれたり、笑ってくれたり、時には難しい顔をして正解を考えてくれているその様子を見ていて、普段の配信でも、画面の前では色んな感情や表情で居てくれるのかなと想像を膨らませてほっこりしておりました!いつもより近い距離で居られた気がして、とても嬉しかったです!
——VTuberとして、ネット上の活動とリアルイベントでの活動にはどんな違いやギャップを感じますか?
餅々さくら:私は、実はリアルな次元でも活動をしている(2.5次元VTuberとしてアイドル活動をしている側面もある)ので、大きなギャップは感じていなくて、ネットでもリアルでも、ファンの皆さんの優しさや暖かさに触れられて「私って幸せ者だな」と思っております!
ただ、少し真面目なお話ですが、ネット上(配信上)の人気がイコールでリアル(オフラインイベント)の人気に直結する訳では無いと痛感することもあり、まだまだ自分自身の努力を怠らずに頑張りたいなと思いました!
VTuberとしての集客力や知名度向上は今後の更なる課題であると実感しています。こうした課題を見つけられるのも、理想と現実という意味でのギャップなのかな、と思います。
——今後、どんなイベントや企画に参加してみたい、挑戦してみたいと思いますか?
餅々さくら:私は普段、歌をメインに活動しているので、自分の強みを全面に押し出せるイベントや企画があれば積極的に参加してみたいです! 今回のようなファンの方向けのイベントも、今後機会があれば益々力を入れて参加できると嬉しいですね。。
ぶいきゃすコレクションさんのアンバサダーとしてイベント開催が叶って、「ファンの方の表情がみえるイベントってやっぱり素敵だな」と思ったので、どんどん挑戦してみたいです!ファンの皆さんとの合唱祭や、運動会、『餅々さくら理解王』のリバイバル開催もやってみたいななんて思っております! あらためて、この度は素敵な機会を頂きありがとうございました!
小鳥遊こばとさん
——今回のイベントで「オフラインならでは」と感じた、特に嬉しかった瞬間や印象に残ったファンとの交流を教えてください
小鳥遊こばと:やはり、リスナーがイベントに合わせて各地から集結し、みんなでワイワイ一緒に楽しんでいる姿を見られたことが何より一番嬉しかったです。自分のグッズを身に着けてくれている人がいっぱいいて、思わずニヤニヤしちゃいました(笑)。
実はトークショー当日に別の場所でもリアルイベントを開催していたのですが、こちらも午前でグッズガチャが完売するほどの賑わいだったようで、ハシゴして来てくださった方もいたんです。ポップアップのグッズの方も、完売になる瞬間をわざわざ私に見せてくれた方もいて、本当にファンの皆さんには感謝しかないですね。
——VTuberとして、ネット上の活動とリアルイベントでの活動にはどんな違いやギャップを感じますか?
小鳥遊こばと:普段は顔も見えず、声も聞けないコメントでのやり取りなので、ファンの熱量や空気感などを直に感じられるのが最大の違いだと思っています。ただ、いい意味で生身だろうが文字だろうがあまりにもいつもの配信通り過ぎて、そんなにギャップは感じませんでした(笑)。
——今後、どんなイベントや企画に参加してみたい、挑戦してみたいと思いますか?
小鳥遊こばと:テーマパークとのコラボや、生バンドのライブなども挑戦してみたいですね! ファンが一堂に会して楽しんでもらえる場所を作りつつ、私自身も“やってみたい!”と思ったことを今後もたくさん叶えていきたいです!人生は一度きり! 後悔のないよう、これからも全力で楽しみます!
「来ること自体が楽しい場所」を作る ぶいきゃすの取り組み
「ぶいきゃす」公式WEBサイトに掲載されている言葉によれば、「ぶいきゃすはVTuberのキャスティングサービス」とのことだ。これまでも音楽イベント『Rock on V』や、VTuberとのコラボレーションによりオリジナルケーキを販売する「推しケーキ」などのサービスを展開している。
いわゆる「箱」と呼ばれる、グループ全体を好きになってもらう事務所のような枠組みではない、個人勢のVTuberや中小規模の団体に所属するVTuberにとって、こうした「普段手が届きづらい規模の場所」でイベントを実施できることは、得がたいチャンスだ。VTuberとファンの双方にとって、大きなハレの日になる。
今回の『ぶいきゃすコレクション』では、33名のVTuber達とマルイとのコラボレーションという形で、それを実現している。個人や中小規模の事務所で活動するVTuber達の活動を後押しし、自由な活動を応援したいというぶいきゃすの理念を、そのままリアル空間に投影したようなイベントだった。
餅々さくらが「いつもより近い距離で居られた」と語れば、小鳥遊こばとは「グッズ完売の瞬間をファンと一緒に喜べた」と笑う。二人が口をそろえて挙げたのは、オフラインだからこそ感じられる「熱量と双方向性」だ。
そこにマルイが持つ都心一等地の集客力と、オタク文化にも強い運営ノウハウが掛け合わさり、「VTuber、ファン、企業」の三者が同じ空気を共有する“交差点”が生まれたのだと、筆者は今回の取材を通して感じられた。配信文化が当たり前になった今、ハレの日をリアルで共有できるステージこそが、次の挑戦に羽ばたくためのエンジンになりつつある。
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