まるでアクセサリーのような最新折りたたみスマホ モトローラ『moto razr 60』の気になる性能とは?

モトローラが2025年4月にニューヨークで発表した折りたたみスマートフォン『razr 60』シリーズ。他社のスマートフォンには見られないカラーバリエーションが特徴のひとつで、木材や布など様々な素材も採用されている。スマートフォンをアクセサリのように使うことができる、ファッショナブルな製品だ。
折りたためば手のひらサイズ、パーティーで製品を発表
モトローラのrazr(レイザー)は縦に折りたたむ形状のフリップスタイルのスマートフォンだ。日本でもこれまで『razr 40』『razr 50』シリーズなどが販売されてきた。今回発表されたモデルはその後継機となる製品で、『razr 60』と『razr 60 Ultra』の2つのモデルが発表された。

新製品発表会がニューヨークで開催されたのは、折りたたみスマートフォンが機能だけを追求する製品ではなく、本体のデザインにも注力したモデルだからだろう。昼間の発表会の後、夜には雰囲気のいいイベントスペースで盛大なパーティーも行われた。

上位モデルの『razr 60 Ultra』は本体を開くと7インチの画面が現われ、このまま普通のスマートフォンとして使うことができる。画面の解像度は2912 x 1224ピクセル、縦横比は21.4:9となる。一般的なスマートフォンは19:5前後の比率なので、若干縦に長く、SNSのタイムラインを見る際により多くの情報を表示できるわけだ。また画面内蔵のフロントカメラ画質は5000万画素で、暗い室内でのセルフィーも明るく撮影できる。

チップセットは現時点で最高性能のクアルコム製『Snapdragon 8 Elite』を採用。バッテリーは4700mAh、68Wの急速充電に対応する。この充電速度は朝、目覚めてバッテリー残量がゼロの場合でも、40分程度で満充電にすることが可能だ。本体のカラバリは4色。Scarab(緑)、Mountain Trail(木材)、Cabaret(ピンク)、Rio Red(赤)となっている。

本体を閉じてもスマホとして使える
本体を閉じると手のひらに納まる小さな大きさになる。これがフリップ式スマートフォンの大きな魅力だ。しかも閉じた状態でも使える4インチのディスプレイを搭載している。この画面でSNSを使ったり動画を見たり、もちろん地図検索や通話をすることもできる。なお本体の大きさはこのように閉じたときが88.1 x 74 x 15.7mm、開いたときは171.5 x 74 x 7.2mm。重量は199gだ。

カメラは広角の5000万画素と超広角の5000万画素の2つを搭載する。望遠カメラはないがデジタルズームで最大30倍までに対応。画質が高いので数倍程度のデジタルズームも画質は劣化しない。また外側の画面を見ながらカメラで撮影もできるので、自撮りもより美しく撮影できる。本体をL字型にしたり逆V字型にしたりと、多彩な撮影方法も使える。

もう1つのモデル『razr 60』はスペックをやや引き下げた製品だ。閉じたときの画面サイズは3.6インチとやや小さいが、こちらもこの画面でアプリを使うことができる。また開いたときの画面サイズも6.9インチと0.1インチ小さい。チップセットは『razr 60 Ultra』より性能が落ちるが、ミドルレンジモデルには十分なメディアテックの『Dimensity 7400X』を採用している。カメラは5000万画素の広角と1300万画素の超広角、フロントカメラは3200万画素だ。

『razr 60』のカラバリはGibraltar Sea(濃紺)、Lightest Sky(明るいグレイ)、Spring Bud(明るい緑)、Parfait Pink(ピンク)の4色。これらもカラフルな色が揃っている。本体サイズは『razr 60 Ultra』とほぼ同等なので割愛するが、重量は188gとより軽くなっている。

ファッショナブルなボディー仕上げやケースが魅力
今回の新製品、2モデルで8色のカラバリがあるが、どれも魅力的な色彩ではないだろうか? 一般的なスマートフォンにありがちな黒や白といったベーシックな色は採用されていない。さらにボディーの仕上げも特徴があり、たとえば『razr 60 Ultra』の赤はヴィーガンレザーにより革の風合いを出している。

『razr 60 Ultra』の他のカラバリもかなり攻めた仕上げだ。緑のScarabはアルカンターラをスマートフォン本体の素材として初めて採用。これは人工皮革でスエードのような風合いと高級感を味わえる素材だ。実際に触ってみると布のようなソフトな感触が心地よさを与えてくれる。またMountain Trailは本物の木材を採用している。そのため背面の模様はどれ1つ同じものが無い。

このようにケースを付けずにそのまま使いたくなる『razr 60』シリーズだが、とはいえ本体の落下時の破損や普段使い時の傷防止に、本体を保護したいと考えるユーザーも多いだろう。そこでモトローラからは本体デザインを損なわない、センスの良いケースが別売される。

ケースの形状は独特で、本体をカバーするだけではなく上部に取っ手のような部分が取り付けられている。ケースの素材は不明だがおそらくヴィーガンレザーであり、これも革風の仕上げだ。チャームのついたチェーンも付属するようで、ケースをつけた『razr 60 Ultra』をそのまま持ち運ぶことが楽しくなる。

ケースにはグリーンのモデルもある。赤いステッチがワンポイントのアクセントとなっており、高級感も味わえるデザインだ。それぞれのケースに入れる『razr 60 Ultra』は同色でもいいし、別の色のものに装着するのも悪くないだろう。このようなデザインのケースはフリップスタイルのスマートフォンならではのものであり、近年の機能美を重視した一般的なスマートフォンとは異なり、アクセサリー感覚で楽しめるデザイン性を強調できる。

取っ手の部分は実際に指をかけて持つことも出るし、本体を開いたときにはスタンドとしても使える。実用性も考えた設計になっているのである。

多彩なAI機能も魅力
デザイン性に優れた『razr 60』シリーズだが、最新スマートフォンとしての機能も見逃せない。最近のスマートフォンはAI機能の搭載が標準化しているが、今回のモトローラの新製品には『moto ai』と呼ぶ同社が開発したAI機能が搭載されている。

『moto ai』にはアイディアから図形やアバター、絵を作成したり、画面に表示されている内容を解析してお勧め操作を示唆するといったAIならではの機能が満載。写真から不要な部分を消去したり、録音した音声の文字化などもできる。他にもグーグルの『Gemini』、マイクロソフトの『Copilot』そして『Perprexity』が組み込まれており、用途に応じて複数のAIシステムを利用できるのだ。
『razr 60』シリーズはこれから各国で販売が始まる予定だ。日本でもいくつかのカラバリモデルが発売されるであろう。今やどのスマートフォンも似たり寄ったりなデザインなるなか、ファッション性を高めAI機能も満載した『razr 60』シリーズは、自分らしさを表現したい人に最適な製品と言えるだろう。
スマホのカメラはまだまだ進化する Xiaomi最新機『Xiaomi 15 Ultra』と新たなコンセプト機に見た可能性
シャオミと言えばかつて「格安スマホ」のイメージがあったが、今ではiPhoneを超える性能を持つ最強のカメラスマートフォンを次々と…