マクドナルド社員から東海オンエアのバディへ 多様なバックボーンを持つスタッフが活躍するUUUMの企業文化とは?

 「セカイにコドモゴコロを」という経営理念を掲げ、YouTubeを舞台に活躍するクリエイターの活動を多面的に支援するUUUM。

 クリエイターエコノミーの拡大とともに、さまざまな企業やコンテンツとも連携し、ビジネス共創やマネタイズ支援を強化するなど、新たな挑戦を続けている。

 こうしたなか、UUUMでは多様なバックボーンを持った人材が働いている。飲食や教育業界を経てUUUMに入社し、人事から広報、営業までさまざまな職種を経験したのちに、6人組YouTubeクリエイター「東海オンエア」のバディになった能村理一氏もそのひとりだ。

 そこで今回はUUUMの中途採用で求めるマインドセットや、やりたいことに挑戦できるUUUMの魅力について能村氏に語ってもらった。

一度は不採用でも諦めなかった。UUUMに2年越しで入社した熱意

ーーまずは能村さんのキャリアを伺わせてください。

能村理一

能村理一(以下、能村):私はもともと学校教員を目指していて、教職課程のある東京理科大学に進学しました。ただ、大学で学ぶうちに、教育委員会の仕組みや制度に対して違和感を覚えるようになり、本当にやりたいのは「教えること」よりも「人をサポートすること」なのではと考えるようになりました。

 そんななか、8年間アルバイトをしていたマクドナルドの人材育成の仕組みが非常にしっかりしていることに就職活動時に気づいたんです。「ハンバーガー大学」というマクドナルド特有の社内制度にすごく惹かれたこともあり、新卒でマクドナルドへ入社を決めました。

 マクドナルドでは店舗で3年間勤務した後に、マーケティング部門のひとつである「ハッピーセットチーム」に関わる機会がありました。エンタメに触れる仕事として一通りの経験をさせていただき、その後、以前から関心のあった教育業界に転職することを決意しました。

ーー教育業界ではどのようなお仕事をされていたのでしょうか。

能村:転職先には学習塾を選びました。そこではスクールマネージャーとして、教室の運営全般を5年間担当していたんです。子どもたちとの日々のコミュニケーションはもちろん、保護者の方との面談やスタッフのマネジメント、教室全体の運営戦略まで幅広く携わっていました。

 そして、教育や人材育成に関する知見をもっと広げたいという思いから、2017年にUUUMへ入社。現在はマネージャーとして約4年間、チームのマネジメントやプロジェクト推進を行っています。

ーー教育業界からインフルエンサー業界に、というのはかなりの路線変更のように思えるのですが、UUUMの中途採用にはどのようなきっかけで応募したのでしょう?

能村:実は教育業界に入る前の2015年に、UUUMのことを知り、一度面接を受けていたんです。当時は従業員が3〜40人で「YouTubeを軸にした面白い会社をやっている」という認識でした。ただ、当時は即戦力の営業人材を求めていたことや、自分に営業職の経験がなかったことから不採用に終わったんです。

 ただ、2年後の2017年に、バックオフィス業務の募集があることを知って、総務や人事といった領域の知見や対応力が求められるのであれば、自分のこれまでのキャリアがフィットすると思い再び応募したところ、内定をいただいて入社に至りました。

専門スキルがなくても、変化に対応しながら前に進める強み

ーーUUUMにはそうしてバックオフィス業務のスタッフとして採用されたわけですが、現在のお仕事はバディ側の立場ですよね。どのような変遷を辿ってきたのでしょうか。

能村:最初に配属されたのは人事部でしたが、組織変更の最中で入社1ヶ月で新入社員の受け入れを担当するという、なかなかハードな立ち上がりでした。

 その上、今度は人事と広報を兼務することになったんですよ。採用面接は経験ありましたが、メディアリレーションや取材対応、プレスリリース作成といった広報の仕事はまったく未経験だったので、とても苦労したのを覚えています。

 ただ、人事と広報を兼務したことで、会社の内情を深く理解することが、採用活動や社外の情報発信に活きてくるという気づきを得られたと感じています。そこから「もっと現場を知りたい」という思いが強くなり、社内のジョブローテーション制度を活用して、イベントチームに3ヶ月間参加しました。

 100人規模の小さなイベントから、数千人規模のUUUMクリエイターの祭典「U-FES.」の運営まで関わることができ、バックオフィスでは得られない貴重な経験ができました。その経験を通じて、「もっと現場に近いところで仕事がしたい」と上長に相談し、人事から営業へ異動することになったんです。

 営業部門では自分が採用に関わったメンバーたちが現場で活躍していて、ある程度安心感のある中で営業スキルを学べたのは、自分にとって大きな経験でした。

ーーUUUMに転職して一番良かったと思った瞬間は何ですか?

能村:私が入社した頃は競合も少なく、新しい領域でモノづくりをしている場所に身を置けたことで、新しい知識に触れたり、視野が一気に広がったりしていきました。当時の自分には明確な専門スキルがありませんでしたが、「変化に対応しながら前に進んでいける力」こそが自分の強みだと、次第に思うようになりました。

 教育業界はルールや前例が強く作用する世界だからこそ、「昔からのやり方」を重んじます。でもエンタメは、そういう固定された枠組みを一気にぶち壊せるんですよ。

 たとえば、人気のYouTubeクリエイターが「勉強がんばれ!」と励ますだけで、子どものモチベーションが一気に高まるなど、その影響範囲の大きさがこの業界のすごさだと感じています。それだけ影響力のある世界で、自分の可能性をアップデートし続けられるのは、自分にとって非常に良かったなと思っています。

 また、当時一緒に働いていた人たちに「今、東海オンエアのバディをやってるよ」と話すと、ほとんどの人が驚くんですね。この会社にいることで自分の考え方がアップデートされ、枠組みを壊していけたからこそ今のポジションがあるので、この会社に入って本当に良かったなと実感しています。

「自分にしかできない仕事」として選んだクリエイターのバディ

ーー現在は「東海オンエア」のバディを務めていますが、どのようなきっかけでバディになったのでしょうか?

能村:上司から「バディをやってみないか?」と声をかけてもらったのがきっかけになっています。これまでの広報・人事での経験や社内事情の深い理解、会社のビジョンや仕組みを正しく伝える力があるからこそ、「バディは自分にしかできない仕事かもしれない」とも思っていて。そこから、バディとして新しいチャレンジに踏み出す決断をしました。

 バディ着任後は、週の3分の2くらい愛知県の岡崎で勤務していたのもあり、比較的早い段階で岡崎へ引っ越しました。その頃は単身赴任制度が未整備で、制度の骨組みを自ら考え、社内に提案・承認を得ながら、現地での活動基盤を整えていきました。現在、岡崎オフィスは約10人規模のチームに成長し、そのグループリーダーとしてマネジメントを担っています。

ーーバディという仕事について、最初にイメージしていた役割と、実際にやってみて感じたギャップは何かありましたか?

能村:バディは、ただ立ち振る舞いを指導したり、テレビ出演の調整をしたりするのではなく、対等なパートナーとしてクリエイターと接する仕事です。私は、クリエイターたちが活動しているYouTubeという場を、「制作会社」ではなく「テレビ局」に近い存在だと捉えているんですね。

 たとえば、「この案件に有料で出演してください」という話があったとします。でも実際のところ、謝礼を頂くよりもクリエイターが自分たちで撮った動画をアップして再生される方が、コスト面でもリーチ面でも価値があるんですよね。そのため、高単価の案件を持ってきたとしても、「それがクリエイターにとって本当に意味のあるものなのか」 という視点も持たないといけないと感じています。

 バディは、営業やクリエイター、会社との関係性をしっかり理解して、バランスを取る必要があります。「会社のために何とかやりましょう」と無理強いしてしまえばクリエイターとの信頼が崩れますし、営業担当が必死になって取ってきた案件を、単に「クリエイターがやりたくないから受けない」と返してしまえば、クリエイターに寄りすぎている印象を与えてしまい、会社の業績に大きな影響を与えます。

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