常識覆す“ラクな”キャンプ動画が登場 ヒロシから人気YouTuberまでキャンプ動画の変遷を辿る
YouTubeで日々ヒットコンテンツが誕生するキャンプ界隈。そんなキャンプカテゴリで近頃、お手軽キャンプを楽しむYouTuberをみかけるようになってきた。テントの設営や火おこし、外での調理など、大変さも魅力のキャンプ動画で、なぜ手抜きキャンプが登場したのか。今回はキャンプコンテンツを手がけるクリエイター・まるみの動画を中心に、YouTubeにおけるキャンプ動画の変遷を辿ってみたい。
「まるみのキャンプと車中泊 Marumi's camp」(登録者数10.5万人)で3月27日に投稿された動画では、そんな常識を覆すようなキャンプの様子が写されている。「外で食べる美味しいご飯を求めてただただ手抜きのキャンプをしてきました」と話すまるみは今回、ポータブル電源を持参。慣れた手つきでテントを設営する傍らには、まるみが米を入れ、セットした炊飯器がみえる。キャンプ飯といえば、自ら起こした焚き火でご飯を炊き、肉や魚を焼く......というイメージがあるが、この時の食事は炊飯器で炊いたお米を使ったものや電気フライヤーで揚げた唐揚げ、家電のホットサンドメーカーで作ったカリカリのホットサンド。
そして就寝時には電気毛布を使い、暖をとりながら休むといった、ポータブル電源をフル活用したキャンプに、「電気あると便利だね。キャンプに何をしに来てるのかっていう話にもなるんだけど」と感想を述べている。さらにこのキャンプでは、薪割りの必要がないように、焚き付け用の燃し木も持参。着火剤を使ったことで、いとも簡単に焚き火ができたことには、「焚き付け用があれば薪割りしなくてもこんなに簡単にできるんだ」と、感動した様子だった。
ポータブル電源や焚き付け用の燃し木のおかげで快適なキャンプを楽しんだまるみだったが、なぜお手頃キャンプをすることにしたのか。そもそもまるみは、過酷なキャンプよりも「ちょっとだけ不便を味わいながらも快適に過ごしたい派」。ラクなキャンプ動画を投稿したのには、キャンプ特有のテントの設営や焚き火の準備、火加減を確認しながらの料理、さらに寒さや暑さによる体力の消耗などの辛さはほどほどに、電気や便利グッズを使って、ゆるくキャンプを楽しみたいという理由があったようだ。
実はYouTubeにはまるみのように気軽にキャンプを楽しむ動画のほか、不便を楽しむ“ガチ”なキャンプや車中泊キャンプ、公共交通を使ってキャンプ場に赴く徒歩キャンプなど、さまざまな方法でキャンプを楽しむ動画が投稿されている。さまざまな動画が投稿されているキャンプ動画だが、YouTubeにおけるキャンプカテゴリで欠かせない人物は、やはりキャンプガチ勢の芸人・ヒロシではないだろうか。2015年に開設した「ヒロシちゃんねる」(登録者数110万人)にて2018年4月に投稿された動画には、愛用のキャップグッズを使って手慣れた様子で火をおこし、淹れたてのコーヒーを啜りながら暖をとり、魚や肉を焼く様子が写っているが、ヒロシの顔は一切写ってないうえ、BGMもなし。ヒロシの手元が中心の動画にも関わらず、再生数は610万回を突破しており、キャンプの醍醐味がよく伝わってくる動画として、いまでも大きな支持を集めている。