お菓子の袋やチラシを超絶クオリティの衣装にーーバズってブレイクした衣装デザイナー・塩川夏子が語る「第二のステージ」

衣装デザイナー・塩川夏子が語る第二のステージ

アイドル専門から表現者へ 

『アイロンビーズの服』(モデル=佐藤すみれ)

ーー塩川さんはアイドルの衣装も多く手がけていますが、もともとアイドルが好きだったのでしょうか?

塩川:小さいころからミニモニ。が大好きでした。中高生になってもモーニング娘。、AKB48などずっとアイドルが好きで、アイドル衣装を見て育ちました。

ーーアイドル衣装の依頼を受ける際は、アイドルの方ならではの要望などもあるのでしょうか。

塩川:アイドルさんって、自己プロデュースが確立されているので、自分の魅せ方が決まっていることが多いんです。たとえば、首が詰まっている服が好きな人もいれば、逆に顔が大きく見えるから避けたい、という方もいます。その人のコンプレックスを補えるようなデザインにしたり、細かいところもヒアリングをして、その方にあったアレンジを入れています。その人の体型や、どう見せたいのかに寄り添ってパターンを引いてます。

ーーそうなると、ヒアリングがかなり重要になってきますね。

塩川:価値観も人によって違うので、すり合わせをする際、そこはかなり気をつけています。たとえば「可愛い衣装にしたい」と言っても、何が可愛いかはその人によって違うじゃないですか。「ピンクがいい」と言われても、ピンクにもいろいろあります。だから、デザインは2、3案出して選んでもらうようにしています。私は細かいところもけっこう聞いちゃいますね(笑)。心配性な性格っていうのもあるんですけど、あえて、作り終わったときに「これじゃない」と言われたときの事を考えて、少しでも不安に思ったら先方に確認したり相談したりしますね。

ーーアイドル衣装は、一般的な服作りとかなり異なりますね。

塩川:そうですね……。一般的な服の場合は、みんなが着やすいように、肩幅やスカート丈も標準の方がいいですし、サイズも平均値を狙って制作しています。

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ーー塩川さんは現在、本業とは別に「なんでも服にする人」としての活動もしていますが、こちらはアイドル衣装とはかなり別軸の活動になりますよね。

塩川:2023年までは“アイドル衣装デザイナー”として活動していたのですが、徐々にもっと面白い服が作れるんじゃないかなという気持ちが芽生えてきたんです。アイドル衣装って、たとえばフリフリで胸にリボンがついてて、レースやフリルを使うイメージがあると思うんですけど、なんか……もっと表現できるんじゃないかなと。“遊ぶ余地”が少し欲しくなったというか、新しい表現をしてみたくなったんです。それから、2023年いっぱいでアイドル衣装の依頼はかなり絞って、2024年の1年でいろいろ作ってみようと思いました。

塩川:最初に作ったのは「鏡の衣装」です。キラキラして面白いんじゃないかなーって思って(笑)。服にしない素材を服にしたらどうなるんだろう、という好奇心が始まりでした。とりあえず自分の好き勝手に作ってみよう!  と思ったんです。

ーー鏡を服にできることに、まず驚きました。

塩川:変わった素材を使っても服として見られるものにするには、高い技術力が必要になると思っています。ただ組み合わせてかたちにするだけだと、それは工作になってしまうので。だから、そういった素材を使って表現の幅を広げたり、クオリティを高めるためにも、貪欲に技術力を上げていきたいですね。

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