『Weekly Virtual News』(2025年1月27日号)
ChroNoiRが武道館で初のリアルイベント開催 XRデバイスも続々登場で盛り上がるバーチャル業界
XRデバイス業界から新規デバイスが続々発表
年頭1月8日から開催された『CES』の影響もあってか、1月はXRデバイス業界が大いに盛り上がった。
まずソニーは、空間コンテンツ制作支援ソリューション「XYN」を発表した。これはモーションキャプチャーや空間キャプチャー向けのソフトウェアと、モバイルモーションキャプチャー『mocopi』や専用XRヘッドセットといったデバイス群を統合したものだ。
その第1弾として発表されたのは、『mocopi』の12個同時運用モードと、モーション自動補完も完備したPCアプリ 『XYN Motion Studio』。くわえて開発中のプロダクトとして一眼レフカメラを使用した『XYN空間キャプチャソリューション』、XRヘッドセットの『XYN Headset』も発表されている。大規模な機材を必要としない『mocopi』を用いた、ある程度ポータブルで本格的なモーションキャプチャー環境としての活躍が期待できそうだ。
ソーシャルVR向けデバイスの定番企業・Shiftallは、フルボディトラッキングデバイス『HaritoraX 2』の光学トラッキング拡張ユニット『HaritoraX 2 Add-on “R”』を発表。既存の「HaritoraX」シリーズの弱点を補う、待望とも言える地に足ついた製品だ。
合わせて、名機・INDEXコントローラーの意匠を継ぐシンプルなベースステーション対応コントローラー『Grip VR』に、『VRChat』向けの特化操作の割当もできる『Meta Quest 3』コントローラーの拡張パーツ『AddCon』も発表した。マニアックではあるが、需要はたしかにあるデバイスには、ユーザーのニーズを細かく拾うShiftallらしさが感じられる。
一方で、Metaが昨年発売した『Meta Quest 3S』の動き出しは好調のようだ。北米Amazonにて公開されている「Best Sellers in Video Games for 2024」ランキングにて、同機が11位にランキングしたのである。品目をゲーム機本体に絞ると、なんと『PlayStation 5』よりも売れている。
かつて『Meta Quest 2』がホリデーシーズンにすさまじい数が売れたという話を、図らずも再現しているようだ。全国の主要な家電量販店等の実売データを基に表彰する「BCN AWARD」でも、VR・ARゴーグルの部門でMetaが圧勝しており、「安価なエントリーモデル」の重要性を肌で感じるところだ。
そして、昨年にXR領域への参入を大々的に発表したGoogleに、HTC VIVEエンジニアリングチームの一部が移籍すると発表があった。VRヘッドセットの老舗の一つとなったHTC VIVEのリソースを、GoogleのXR向けOS「Android XR」に注ぐことから、相当に本腰を入れていることが察せられる。一方で、HTCのVR部門の先行きには少々の不安が残るところか。