『崩壊:スターレイル』Ver.3.0先行レビュー 便利アイテム実装に“可能性の獣”な新遺物…開拓者のQoLは上がり続ける

スペースファンタジーRPG『崩壊:スターレイル』のVer.3.0が1月15日より配信開始となった。リアルサウンドテックはメディア向け先行体験サーバーに参加し、その内容にいち早く触れることができたため、本稿では新ストーリーのネタバレは極力控えつつ、システム面や新たな要素の感触をお伝えする。
※本稿は『崩壊:スターレイル』Ver.3.0開始時点までのネタバレを含みます。また、メディアサーバーの内容であり、正式リリース版と異なる場合があります。

ネタバレを控えると言いつつ早速ストーリーに関する話になってしまい恐縮だが、本筋とはあまり関係ない部分かつ大きな変化には触れたい。これまでベロブルグ、仙舟「羅浮」、ピノコニーと跳躍してきたなかで、そこにいるメンバーはいわゆる“列車組”で固定されていたが、今回はVer.2.7までの流れからわかるとおり、ブラックスワンとサンデーが同乗している。プレイヤー目線でも新鮮な気持ちでオンパロスへと跳躍することになり、新たな旅への期待感が否応なしに高まることとなった。
オンパロスでの物語は各々の目でたしかめていただくとして、フィールド探索の楽しさはピノコニーでの2つの世界を行き来するものと比較しても、独自性があってワクワクするものとなっている。簡単に言うと高低差や道の修復などがアクセントとなっているのだが、『崩壊:スターレイル』に登場した過去の都市以上に色彩が(ピノコニーのきらびやかさとはまた違う形で)鮮やかで、視覚的な刺激が程よく流れ込み続けるような感覚だ。

戦利品(いわゆる宝箱)のデザインも過去の例と同じく一新されており、オンパロスではこれまで以上に風景に溶け込む形で自然に配置されているように感じた。そのぶん見つけにくいという側面もあるとはいえ、いざとなれば公式に提供されているHoYoLABのマップで位置を確認してもいいし、新たに実装される「マダム・ヘルタ」の秘技でも戦利品の位置を特定できる。やはりまずは自由に散策し、目に入った戦利品を獲得していくのがいいだろう。

探索に伴ってマップを開くと、開拓力の最大値が告知どおり「300」に増加していることもわかる。どうしても端数は出るのでそこまで単純ではないものの、数字的には最大30時間プレイできなくても開拓力はあふれないということになる。あふれた開拓力は予備開拓力に変換され、すべてが無駄になるわけではないが、仕事や学業、別の用件で丸1日ゲームに触れない……ということはそれなりに起こり得るため、なにかとコスパを気にしてしまう現代に即した、うれしい調整となっている。
可能性しか感じない新遺物2種類 ステータス振り直しアイテムもついに実装
そのほかの新要素についても紹介したい。というか、むしろここが最も気になるというプレイヤーも多いだろう。まずは新たに実装された2種類の遺物だが、これらはいずれも記憶の精霊を活かした編成で活躍しそうな性能だ。「凱歌を揚げる英雄」に関しては、今回の先行体験で使用できた記憶の運命を歩む開拓者(主人公)ともベストマッチ。記憶の運命での戦いを楽しむ際の、最初の相棒となるだろう。

もうひとつの遺物である「亡国の悲哀を詠う詩人」は、量子属性の記憶キャラクター向けのセット効果を持つ。2セットで装備キャラの速度が下がり、さらに速度が一定値を下回ると会心率上昇の効果を得るという、速度の上昇が鍵を握ることの多かったこれまでの『崩壊:スターレイル』と一線を画す効果であり、非常に興味深い。会心率の上昇幅も(先行体験のビルドでは)かなり大きく、今後“化ける”可能性の高い遺物なのではないか。そもそも会心率をこれだけ多くアップできるのであれば、量子属性/記憶の運命という枠を超えて活用される可能性もある気がする。

なお、この部分は特にあくまでメディアサーバーでの内容であるという前提を踏まえてほしいのだが、これらの遺物は「召喚物」ではなく「記憶の精霊」という括りでメリットを提供してくれるものであり、既存の召喚系キャラクターは恩恵をフルに受けることができない仕様となっていた。いずれにせよ、既存の遺物とは少し違ったステータスが求められることになりそうなため、(最後には過酷な厳選が待っているとはいえ)さまざまなビルドを試す楽しさも味わえそうだ。
そして遺物関連では、ステータスを振り直すアイテム「変数サイコロ」も実装され、使用できるようになる。言葉どおり4つのサブステータスの伸びをリセットし、振り直すというもの。実際に使ってみると、“神遺物の卵”なのに不要なステータスばかり伸びてしまった……というストレスを緩和できる、かなりユーザーフレンドリーなアイテムだと実感した。あまり高頻度で配布されることはなさそうに感じたが、性質的にはガンガン使ってしまうほうがQoLが上がるのではないだろうか。サブステータスを妥協せざるを得なくなりがちな“速度靴”や“EP縄”を筆頭に、お気に入りのアタッカーが持っている「そういえば……」な遺物に使ってみてもいいかもしれない。


初心者でも扱いやすいマダム・ヘルタのキャラパワー
そして最後に新規実装キャラクターである「マダム・ヘルタ」の使用感について。前述のように秘技で戦利品の位置を特定できるのは言うまでもなく便利であり、あれこれ言葉を重ねる必要はないだろう。すでにさまざまな解説動画などが上がっていることもあり、「ある程度環境を整えて戦う」くらいの条件におけるプレイフィールにフォーカスしてお伝えしたい。

主に使用した編成はマダム・ヘルタ、ジェイド、ロビン、アベンチュリン……にしようと思ったのだが、さすがに限定キャラクターが多すぎることもあり、マダム・ヘルタ、ヘルタ、ロビン、ギャラガーの組み合わせでプレイ。マダム・ヘルタの光円錐は「触れてはならぬ領域」、遺物は「知識の海に溺れる学者」4セット+「顕世の出雲と高天の神国」2セットとなっている。


マダム・ヘルタの能力はゲーム内でもすさまじい長さのテキストで説明されており、正直なところ、解説されてもなにがなにやら……という方も多いと推察する。ただ、実際に使ってみると、そこまで細かく考えなくても「解読」は42層まで結構すぐ到達するし、知恵の運命を歩むキャラクターをもうひとり入れてさえいれば、編成の縛りも厳しくはない。知恵の運命を歩むキャラクターは単体へのダメージが低くなりがちだったり、どちらかというと手数重視の印象もあったが、マダム・ヘルタはそうしたイメージを払拭するくらい火力を出してくれるので、「理想編成は難しい」「でも派手にダメージを出したい」という初心者の方にとっても、なかなかにおすすめのキャラクターと言えるのではないか。

ちなみに、今回の編成は一応、全員の遺物のメインステータスまでは揃えたものの、速度もバラバラの状態だった。それでも(キャラクター本体の育成は進んでいる前提ではあるが)特に問題なく敵を殲滅できるのは、メインアタッカーでありバッファーにもなれるマダム・ヘルタのパワーによるところが大きいと感じている。
ここまで『崩壊:スターレイル』Ver.3.0の各種要素を紹介してきたが、本稿が公開されるころにはすでにオンパロスへと旅立っている開拓者も少なくないだろう。旅の合間にこのページを訪れてくれたのなら、ストーリーに没頭して見落としていた新要素などにあらためて気付く機会になれば幸いだ。すぐには遊び尽くせないボリュームにうれしい悲鳴を上げながら、それぞれの楽しみ方でVer.3.0を堪能してほしい。
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