「三流の馴れ合いだよ」人気YouTuberの“ブチギレ”に場が凍る…『HASHTAG HOUSE』4話

『HASHTAG HOUSE(ハッシュタグハウス)』4話

ジョージ、憎まれ役を買ったのは自己犠牲の精神ゆえ?「なにもかもが意識低い」

 「もうぶっちゃけて話すわ。クソつまんねーよ、この企画。それこそ、ガチの三流インフルエンサーの馴れ合いだよ」

 こうして吐き捨てられたヘイトが、なにを隠そう今週のオンエアの火種である。歯に衣着せぬ厳しい口ぶりから察した読者も少なくないだろう。この言葉の主は、日本に生きるすべての男子のメンタルコーチこと、ジョージ。1週間でSNSフォロワー10万人を獲得するミッションも最終日を迎えての朝、宿泊先を離れて海辺で一人、テトラポッドに腰を下ろす“aikoスタイル”で動画を回し、件の言葉をカメラにぶつける姿がそこにはあった。

 一方その頃、残りのメンバーは朝食がてら、ロイ&おだけい謹製のプルコギをつつく。腹が減っては戦はできぬ、とは言うものの、ジョージのようなスパルタコーチからしてみれば、こうした光景も悠長に感じられて仕方がないのだろう。実際、彼が姿を見せると「お前らはいま、これ見る準備できてないかもね」との不穏な言葉を添えて、前述の撮影動画を再生しはじめた。

 「つまんないって。無理だって」「(フォロワー)10万人いくのもさ、本気なヤツいないよね」「結果を出すことに対してプライドがないんだったら、無理だって」「なにもかもが意識低い」「誰が観んだよ、こんななかよしこよしの馴れ合いを。厳しいって」

 ……いや、朝から空気悪いって。味付けが濃いめだとしても、プルコギの味なんてしなくなるって。とはいえ、すでにお気づきかもしれないが、これはたしかにジョージの本音かもしれないが、同時に彼なりにメンバーに最終日、ハッパを掛けるための叱咤激励だったわけでもある。少なくとも、その場にいたロイやゆうぴーまんはあまりの手厳しさに凹みを隠せないながらも、ほかメンバーとの潤滑油となり、ジョージの意図を優しい言葉に置き換えて伝達する。ジョージの考えの根底には、優しさがあるのだ、と。

ぴょな号泣、那須ほほみも本音をぶつけた朝 ジョージ&ゆうぴーまんによる“首脳会談”も

 その証拠に、ジョージ自ら孤立した状況が生まれた方が面白いと語りながらも、それに矛盾するように「次に本音しゃべりたい人?」と、全員の対話を持ちかけているのだ。自己犠牲の精神で憎まれ役を買い、この10名での結束を深めるために、それぞれが抱えてきた本音を引き出させようとする。本当に、どんな場面でもメンズコーチすぎるって。

 こうした優しさもありつつ、動画内での言及についてはやはりまた別物。これをYouTubeに投稿するかについては賛否両論がくっきりと別れ、“賛”でいえば、ふかわ。がたしかにインフルエンサーの馴れ合いと思える活動を「寒いと思ってた」ときっぱり。元之介も「(ジョージの)気持ち伝わった。悔しい、かな」と、その想いを滲ませる。対する“否”の意見では、日本一バズった元上智大生・かとゆりが、今回の投げかけも大切な最終日でなく、それを走り切った明日以降にすればよかったのでは、と。おだけいもまた「本気でやってるし」と、あくまで全力だというスタンスを揺るがさなかった。

 さらに、全員の本音は件の動画外にも広がり、ぴょなは号泣状態で「正直、うちがここ(ハッシュタグハウス)に呼ばれた理由がわからない」、那須ほほみもまた、共同生活序盤に自身とふかわ。を“カップル売り”させようとしてきた周囲の空気がしんどく、あくまで全員のために無理をしてきたと、隠してきた悲しみと少しの怒りをぶつける。こうして車座を囲んで、一人ずつ順に感じるところを打ち明けたのだが、思えば会議などの場で全員がもれなく、かつ平等に口を開いたのも、今回の共同生活が幕を開けてからこれが初めてだったかもしれない。しかもそこで出てくる言葉は、どれも包み隠さぬ本音である。

 この話し合いは結果的に、おだけいの「どうする、これから?」の言葉で再びポジティブな流れに導かれ、ジョージの動画投稿も実行には移らず終わった。とはいえもう最終日。前回のダイジェスト記事でも示した通り、できるのは文字通り“最後のあがき”である。この日もTikTokを主軸に、自己紹介ムービーの派生系として、本名、似ている芸能人から、経験人数やお寿司を何貫くらい食べられるのかまで、さまざまな話題の動画を量産すること20本以上。このあたりの投稿は当時、おすすめ欄に流れてきた読者もいたのでは?

 余談だが、この日の夜、ジョージとゆうぴーまんによる、いわば“首脳会談”が縁側でしんみりと催された。お互いに対極のキャラクターだと理解しつつ、ゆうぴーまんからの“なぜこの番組に出演し、普段と異なる活動をしているのか?”という質問に、ジョージはこれは自分のメインチャンネルでの投稿でもないし、あくまで仕事の一環。筆者の所感として、あえて“軟弱な”という表現を付け足すが、そうした印象のダンス動画が世に出回ったとしても、自分のファンも最後には理解してくれるはず、と曇りなく答えていた。

 その上で、ソロインタビューも含めて「あの時点で動画を出すのは、無理があったかな」「オレの間違いでしたね」と、自らの至らぬ点を省みる。素直に間違いを認める姿も、なんとも潔かった。ゆうぴーまんもまた、動画内とリアルでキャラクターを分けるほか、あの場の正解として喝を入れる方法もあったのでは、と提案する。ジョージの想いを立てながら、やはりほかメンバーよりひとつ上の視座から意見を延べられるあたり、ジョージとは異なる性質だが、ゆうぴーまんも同じく“コーチ”ポジションと言えようか。

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